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社員ブログ

  • 小説抄 其の12「戸川幸夫『高安犬物語』」

    2010-01-12

    戸川幸夫は作家志望ではなかったが、友人の作家に誘われ、大衆文学の大御所、長谷川伸が主催する新鷹会という小説の勉強会に参加した。3ヶ月後、君も何か書いてこいと言われ、旧制山形高校(現山形大学)時代の思い出を書いた『高安犬物語』を提出した。当時(昭和29年)、新人文学賞は少なく、新人の多くは長谷川伸のような重鎮の推薦でデビューしていたようなのだが、『高安犬物語』もおそらくはそのような形で「大衆文芸」に掲載され、なんと、その年の直木賞を受賞してしまうのである。


    高安犬とは、山形県の高安地方に生息し、昭和初期に絶滅してしまったマタギ犬であるが、戸川さんはこの高安犬より先に日本狼に興味を持ち、「もう一匹も残ってはいないのだろうか」と日曜ごとに自転車を駆って探しまわったという。しかし、山犬(日本狼)が撃たれたとか、米沢の古老が狼を飼っていたといった噂を聞きつけては調査してみたが、いずれも野生化した日本犬に過ぎず、ついに発見には至らなかった。


    それもそのはず、日本狼は明治期に絶滅してしまっていたのだ。亡びゆく種族に対して愛惜を持っていた戸川さんとしては無念だったと思うが、しかし、このときの情熱と悔しさは、昭和44年のイリオモテヤマネコ発見として実を結ぶ。野生ネコの新種発見は70年ぶりのことであり、当時は20世紀最大の生物学的発見と言われた。戸川氏55歳のときの偉業である。


    さて、いきなり作家になってしまった戸川さんにとっては、それからが作家修業の時代となるのだが、そんなある日、同門の新田次郎がこう言った。「(勉強会は)まだまだ生ぬるい。もっと罵りあい、つかみかかるほどの厳しい批判をしあおうじゃないか」と。戸川さんはそれに賛同し、池波正太郎らを誘って「炎の会」という組織を作り、毎月一度、那須山中の宿に泊り込んで研鑽会をしたそうだ。その甲斐あって新田次郎は山岳小説の、池波正太郎は時代小説の第一人者となり、戸川幸夫は動物文学の草分けとなる。まさに大衆文学の梁山泊だった。(黒)

  • 2010年大リニューアルした公募ガイドが発売です!

    2010-01-09

    公募ガイド2月号が本日発売になりました!
    連載陣のリニューアルに加え、公募情報ページも7年ぶりに大革新!
    公募情報が読みやすくなりました。
    それから今回の表紙のアングリー君、ちょっと凝ってます、ぜひ店頭で見てくださいねー。

    12月号表紙
    今月号の特集は「なんとなくはもうやめた! 技アリ!ネーミング」です。


    ■特集 なんとなくはもうやめた! 技アリ!ネーミング
    ネーミングの方程式を応用すれば、プロ並みの作品がどんどん作れます!なんとなくネーミングはもうやめて、技アリ!ネーミングを目指しましょう。

    ■インタビュー連載
    〈My Story〉 活弁士
    山バニラさん

    〈今月の一冊〉 「いつか響く足音」
    柴田よしきさん

    〈CREATORS〉
    冨永まいさん


    ■新連載!
    みんなのマーク展
    tupera tuperaのカードデザインコンテスト
    タイアップコンテスト

    ■好評連載中
    五月女ケイ子のWARAKOTO笑言
    その他連載ページもリニューアル!

    などなどもりだくさんの内容です。




    今回のリニューアルを記念して、定期購読のキャンペーンを実施中です。
    次号、3月号から1年間の定期購読をはじめると10人に1人(6カ月購読は20人に1人)無料になるチャンスです!ぜひこの機会に便利でお得な定期購読もご検討ください!

    定期購読キャンペーン
    (熊)

  • 愛のヴィクトリアン・ジュエリー展 報道内覧会とギャラリートーク

    2010-01-08

    皆様、お正月は少しはゆっくりできましたでしょうか。
    もう学校も始まり、仕事も本格的に始動!と、慌しくなっている頃ですね。
    そんな皆様の傍らに、今年も公募ガイドの存在があればとてもうれしいです。

    さてさて、(石)は今年第1弾!の取材に勇んで行ってきました
    現在、渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催されている、愛のヴィクトリアン・ジュエリー展~華麗なる英国のライフスタイル~の内覧会です

    年末からずっと楽しみにしていた同展
    他の編集部メンバーは、どうせ石(=ジュエリー)が目的なんでしょう~と呆れ顔
    いやいや、ヴィクトリアン時代の文化、アフタヌーンティとか、メイドさんとかも大好きなんだよと力強く反論したら、更に白い目で見られましたよ

    さて、私の趣味丸出しな話題は置いておきまして。
    イギリスが最も繁栄したといわれる“ヴィクトリア女王”が治めた時代(1837年~1901年)。
    同展ではそのヴィクトリア時代のジュエリーを中心とした装飾品、当時の生活様式、女王の結婚式などにまつわる品々が展示されています。

    当日は、同展展示品の数多くを提供している、穐葉アンティークジュウリー美術館、館長の穐葉昭江氏によるギャラリートークもありました。

    入るとすぐに、ヴィクトリア女王の肖像画が出迎えてくれます。

    ヴィクトリア女王は、152cmと小柄で、すこしふっくらとしていて“美人”とはいえない人だったそうですが…私は十分綺麗な方だと思いますけれどね。
    手にしているのは、フランス語読みで、ヴィクトリア女王を意味する「ラ・レーヌ・ヴィクトリア」という薔薇

    続いて目を見張るような装飾品の展示が続きます。
    同じ素材とデザインで作られた揃いのジュエリー、パリュール(ティアラか髪飾り、ネックレス、ブレスレット、ブローチ、イヤリングのセット)。

    当時は、ティアラの一部をはずしてブローチに付け替えたり、ネックレスにつけたりと、1つのセットのジュエリーを組み替えてまた違う意匠にして身に着けることをしたそうです。


    宝石を並べてその頭文字で英単語をつくり、意味をもたせたリガード装飾も数多く展示してありました。
    一番有名な組み合わせは、その名の元にもなった、『ルビー(RUBY)、エメラルド(EMERALD)、ガーネット(GARNET)、アメシスト(AMETHYST)、ルビー(RUBY)、ダイヤモンド(DIAMOND)』
    その頭文字をとっていくとREGARD=敬愛や尊敬などを表す言葉になるんです

    思いを宝石に込めて贈ってもらえたらうれしいですよね。
    特に宝石とか宝石とか宝石とか

    他にも小さなシードパール(芥子真珠)を精密に編みこんだジュエリーや、カメオ。虫・象牙・サメの歯・角・鉄を使ったちょっと珍しいジュエリー。
    女王が一般へと広めた習慣、白いウェディングドレス、ウェディングケーキ、結婚指輪。
    当時のアフタヌーンティて使われた、華麗なる銀器や陶器。
    アンティークレース。
    モーニングジュエリー(喪に服す時につけるもの)、故人を偲ぶ装飾品。
    今は亡きダイアナ妃の指輪など、内容は盛りだくさんで書ききれません。

    当時のイギリス文化の力をこれでもか~と見せ付けられた内覧会でした。

    愛のヴィクトリアン・ジュエリー展 華麗なる英国のライフスタイル
    会場:Bunkamuraザ・ミュージアム
    会期:1月2日~2月21日

    私と同様、ヴィクトリア文化大好き!という方は、是非会場に足を運んでみてはいかがでしょうか。(石)

  • 【アート】京都アニメーション大賞 ほか

  • 【フォト】御殿場の富士山写真コンテスト

  • 【文芸ほか】今年も宜しくお願いいたします

    2010-01-05

    あけましておめでとうございます
    2010年、いよいよ10年代のスタートです。
    今年もより一層充実した情報をどんどんご紹介していきますので、
    本誌「公募ガイド」とあわせて宜しくお願いいたします。

    ●塗装川柳コンテスト
    締切:1月31日

    ●ストップ・ザ・交通事故 標語募集
    締切:2月1日

  • TK-プレス 其の12「川柳と狂句」

    2010-01-05

    江戸時代後期、川柳は1句につき12文(のちに16文)払って賞金を狙う懸賞文芸として誕生する。入選率は3%と狭き門だったが、うまくすればかけそば一杯の投句料が250倍の1両に化けるとあって人気となる。当時は選者である柄井川柳の名をとって川柳風狂句と呼ばれていたが、明治期には単に川柳と言われるようになった。


    どんな文芸もそうなのだが、発展するほどに技巧に走るようになる。川柳もそうで、明治期には言葉遊びに過ぎない狂句に傾いていく。そこで改革が行われ、狂句と区別し、文芸としての川柳を新川柳と命名したが、いつのまにかこの「新」が取れて今はまた単に川柳と呼ばれている。つまり、今川柳と言われているのは文芸としての川柳ということだ。


    しかし、川柳に対する誤解は甚だしく、「笑えるけど」といった駄洒落、語呂合わせが増え、しかもそれが入選してしまったりしてなんとも不可解なのだが、川柳公募の要項を見ていると、十中八九までが「おもしろければいいじゃん」的な作品を望んでいるような気がしなくもない。ま、元は川柳風狂句だからそれもいいし、明治期に「Goethe」の日本語表記が29種類もあったことを揶揄した斎藤緑雨の狂句「ギョエテとはおれのことかとゲーテいい」といったものも好きなんだけどね。


    こうした爆笑を誘う瞬発力も大事だが、長く愛されるためには深みが必要だろう。江戸古川柳に「本降りになって出て行く雨宿り」という有名な句があるが、「早く帰ればいいのに、バカだね~」と笑ったあとでふと思う。人ってみんなそうだよなあ、そのうちやむよ、いや雨脚が強くなってきたぞ、でもまだ大丈夫、きっと大丈夫、だぶん大丈夫……大丈夫であってくれ~と思っているうちに、いよいよどうにもならなくなり、最悪の状況になってから行動を起こすとかね。こういう深いところで人間を捉えているのが本来の川柳だよね。(黒)

  • 小説抄 其の11「新田次郎『聖職の碑』」

    2009-12-29

    戦時中、新田次郎は中央気象台(現気象庁)の満州国観象台に勤務していたが、終戦直前に不可侵条約を破って侵攻してきたソ連軍の捕虜となり、中国共産党軍にて一年間、抑留生活を送る。妻の藤原ていはソ連侵攻前に二人の息子を連れ、38度線を歩いて越えて帰国するのだが、昭和24年、ていが書いた満州からの引き上げ記録『流れる星は生きている』はベストセラーになる。


    夫としては複雑だったろう。妻の原稿料で家計は潤ったが、自身も作家志望だったろうから羨望もあったと思う。しかし、これが転機となる。2年後の昭和26年、「サンデー毎日創刊30年記念100万円懸賞小説」に「強力伝」で応募し、現代小説1席を受賞するのだ(同2席に南条範夫、歴史小説2席に永井路子がいた)。


    さて、『聖職の碑』だが、これは大正2年、長野県の中箕輪高等小学校(今の中学校)の生徒が学校行事として木曽駒ケ岳に登り、遭難して11名が死亡した事故を基にしている。読んでない人のために内容には触れないが、人は雨に打たれただけで死ぬんだとか、当時は台風の基準値が高く、予報では熱帯低気圧だったんだといった事実にへえと思ったこと、それから自らも長野出身である作者が「長野県民は議論好き」と書いていたことをよく覚えている。


    新田次郎の次男の藤原正彦は、エッセイの中で家族に議論を奨励していると書いており、三人の息子を含む家族五人がする議論は極めて興味深く愉快で、さすがは数学者だと思っていたが、よくよく考えると議論好きなのは学者だからではなく、長野県民の血が入っているからなのかもしれない。


    ちなみに藤原正彦のエッセイによると、父・新田次郎は、どんなに誘っても「連れ去られるから」と言って終生共産圏には行かず、「今はそんなことない」という説得にも頑として応じなかったそうだ。抑留生活を陳腐な言葉で言うのは申し訳ないが、そこはやはり地獄だったのだろう。(黒)

  • Yahoo! Japan Internet Creative Award 2009 贈賞式

    2009-12-28

    年に1度ぐらいはお家をピカピカにしよう大掃除をしていたら、筋肉痛になった(石)です。
    通販でよく宣伝されている某スチームモップを衝動買いしてして、その性能を確かめてみたい★っと無駄に頑張りすぎたのが敗因

    受賞者の方々さてさて、そんなときにはお家でのんびりインターネットを楽しむに限るよね~という方にオススメなのが、コレ(通販風に)
    「Yahoo! Japan Internet Creative Award 2009」の受賞作品を楽しむことです

    インターネット上で閲覧できるすべてのオリジナル作品を募集する同賞。
    11月18日に開催された贈賞式には、その注目度を示すかのように、会場にはたくさんの報道陣が集まっていました

    「ネットでは他の分野より使える技術が速い速度で進化している」、というヤフー株式会社代表取締役社長、井上雅博氏の言葉通り、受賞作品は、どれもネットでこんなことが!と思う技術を集結させて作られたものでした。


    浜本階生さんそんな中から一般の部のGrand Prixに選ばれたのが、浜本階生さんの「Blogopolis」です。
    Blogopolisは、23万以上のblogを3Dの仮想都市景観にマッピングする、というもの。
    1つ1つのブログ記事に「建物」が割り当てられ、記事の人気度に応じて建物の大きさが変化するんだとか。

    私も知り合いのブログなどを検索してみましたが、おぉ!建物があるある!
    1つ1つのブログに建物が割り当てられるのは、ブログを読むだけでは終わらせないという視点が感じられ、面白いなぁ!と思いました。
    この作品はたった一人で作ったそうで、その緻密さと、実現させたスキルの高さに文句なしの受賞でした。

    制作会社IMG SRCのメンバー企業の部のGrand Prixでは、「どこでもラストガイ」が選ばれました。
    この作品はPlayStation3用ソフト、「The Last Guy」のプロモーション。
    同ゲームはゾンビに占拠されてしまった町を舞台に、ラストガイを操り、人々を避難させる、というもの。
    URLを入力すると、そのウェブサイトがゲームのステージになり、ゲームと同じように遊べます。
    公募ガイドのトップページで(こっそり)、ゾンビに追われつつ遊んでみましたが、かなりはまります

    インターネットは情報収集だけでなく、色んな楽しみ方が出来るものなんだなぁ~と改めてその世界の深さに関心を持ちました
    他の受賞作も公式サイトにて紹介されていますので、冬の長夜を楽しみたい方はサイトを覗いてみてはいかがでしょうか。(石)

  • 新井リュウジ先生の新刊です!

    公募ガイド社の通信教育「作品添削講座 ライトノベル講評」の講師をされている


    新井リュウジ先生の新刊が出ました。



    9784591111376_4


    『復活の日 人類滅亡の危機と闘い』


    原作/小松左京


    文/新井リュウジ


    発行/ポプラ社  定価/1,470円(税込)


    脅威の感染力と猛毒性をもった"悪魔風邪"は、瞬く間に


    世界中に広がり、人類は南極にいた約1万人を残して死滅してしまった。


    残された人間は、人類滅亡の危機に立ち向かう……。


    この作品は、小松左京先生が1964年に刊行した名作『復活の日』を、


    ジュニア向け現代版として、新井リュウジ先生が翻案し書いたものです。


    人類の生きる力と勇気に感動する一冊です。