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アマプラって青空文庫的に過去の名作がいっぱい見られる
2025-01-14栄華なる映画日記あけましておめでとうございます。法人ソリューション部のムネです。
ババさんが400円を出し惜しんでいるので、Amazon Primeにさえ入っていれば追加課金なしで見られる旧作映画を紹介したいと思います。
https://koubo.co.jp/blog/emp/4786
(実はアマプラって青空文庫的に過去の名作がいっぱい見られるんですよ……!)今日紹介したいのは、『暗黒街の弾痕』(1937年)という映画。
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0D6H4KW26/ref=atv_dp_share_cu_r
フリッツ・ラングという超レジェンド映画監督がアメリカで撮った作品です(ちなみにこの監督はオーストリア・ドイツ系のユダヤ人で、ナチス政権から逃れてアメリカに渡ると、ヒトラーも存命でめちゃくちゃ幅を利かせていた時代に、あからさまに反ナチスの映画を作ったりするだいぶパワフルな人です)。あらすじとしては、「無実の罪を着せられ死刑が確定した前科持ちの男が、死刑執行の直前に脱獄を試みるが……」といったところ。前科者であるがゆえに、正直に生きようと思っても誰も信頼してくれない現実の無常さが描かれます。
ともかく、この映画がすごいのは、ほとんど完璧なまでに計算・設計された緊張感。物語の中盤、脱獄をはかった主人公が、信頼する神父に銃を向けるシーンがその極地です(以下ネタバレ含む)。
人質を盾に脱走を試みる男に、神父はこう告げます。
「お前は自由なんだよ」
それは常に待ち望んでいた知らせ。しかしいくら無実を訴えても報われず、無情にも死刑を命じられた男にとって、その言葉はどこか嘘くさく、自分をだまそうとするものにも聞こえてしまう……。そして男は誰よりも信頼していた神父に銃口を向ける……。信じたいけど信じられない。撃ちたくないけど撃たなければならない。
その葛藤が俳優の顔やらセットの空気やらからビシバシと伝わってきて、思わず息を止めてしまう。古い映画になじんでいない方でも絶対に楽しめる傑作なので、ぜひご覧ください。まあ昔のハリウッド映画は、「緊張感をいかに効率よく伝えるのか」を至上命題に作られた作品ばかりなので、今みてもかなり勉強になるし面白いと思います。
『アンダーグラウンド』という映画を見ましょうね!!!!
2024-12-16栄華なる映画日記なんとなくおすすめの映画紹介をすることにしました。法人ソリューション部のムネです。
今日紹介したいのは、「(良い意味で)見終わった後にぐったりしてしまうランキング」1位の作品。1995年のパルム・ドール受賞作、エミール・クストリッツァ監督の『アンダーグラウンド』です。
https://youtu.be/QzWOYvrfCPI?si=gIOMenIxmuqnucxq
【以下ネタバレあり】
舞台は第二次世界大戦中のベオグラード(セルビア)。メインパーソンはナチスの侵攻に抵抗を続けるマルコとクロという二人のパルチザンたち。
ルパン三世よろしく陽気で軽やかに戦火を生き抜く二人ですが、ナチスによるパルチザン狩りは激化の一途をたどっていきます。そうして危険を感じたマルコは友人のクロを自宅の地下室に匿い、秘密裡に武器製造に従事させます。
密造の甲斐もあって、無事戦争は終結。表の世界で戦争を勝ち抜いたマルコと、それを裏の世界から支えたクロ。二人のひたむきな努力は、セルビアを解放へと導いたのでした……。とまあ、ここまでが序盤。この映画が本当に魅力的で、かつ恐ろしい映画であるゆえんは、これ以降の展開にあります。マルコはクロに「戦争が終わった」ことを告げず、地下室に閉じ込め続けるのです。
つまりこの映画は「戦争が終わったことを知らされることなく、地下室で革命へ熱い思いを燃やし続ける男の数十年を描いた」悲劇。
何たる切なさ。ひとり真実を知るマルコは、地上の世界で「祖国の英雄」たる扱いを受けています。その間、まだ戦争が続いていると信じているクロは、地下室で粛々と武器を作り続けているのです。人生のほとんどを地下で過ごす運命。あまりに悲劇的な物語です。しかし、実際に映画を見てみるとその印象は大きく異なるはず。ラッパの音は陽気に鳴り響き、くだらない野卑な言葉が飛び交う様はまさしく喜劇。
その滑稽さと、そこで描かれる人生の無常さがたまらないわけです。悲しい感じだから悲しいのではなくて、楽しい感じだから悲しいんです。
全人類にに見てほしい映画です。ぜひ!(なんと12/27までYouTubeで無料公開されているらしいです。寝る間を惜しんででも見るべき!)