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社員ブログ

  • 独りごち 其の27「吉報」

    2010-10-21

    ある受講者の方から、1次選考を通過し、2000編中の60編に残ったと、お礼の手紙が来ました。しかも、石原慎太郎を発掘した文学界新人賞だそうです。うーん、すごい。こういうことをたくさんお知らせできるといいですね。吉報をお待ちしています。(黒)

  • 【アイデア】第23回GEヘルシーマジネーション大賞

    第23回GEヘルシーマジネーション大賞
    締切:11月8日
    内容:「世界一、シニアが健やかに輝く国、日本へ」をテーマに、ヘルスケアに関するアイデアを募集。
    主催:GEヘルスケア・ジャパン

  • 【ノンセクション】100万円争奪宝探しイベント タカラッシュ!GP ほか

    2010-10-19
  • 【ネーミング・コピー】長野電鉄 新型特急車両の愛称募集 ほか

    2010-10-19
  • 【文芸】魔法のiらんど大賞 ケータイ小説部門

  • 小説抄 其の32「東野圭吾『分身』」

    2010-10-19

    中学1年の体育祭のとき、まだ10時前だったが、誰かが先生に「お菓子食ってもいいですか」と聞いたら「いいぞ」と言うので、クラス中が歓声をあげてポテトチップスだのポッキーだのを食べ始めた。と、横を見ると飯野君が弁当を広げている。誰かが「おまえ、何、飯食ってんだよ。食っていいのはお菓子だけだぞ」と言うと、周囲は大爆笑。以来、彼にめしというあだ名がついた。飯食ったから「めし」って。子どもがつけるあだ名ってストレートで残酷だ。


    3年後、高校受験の翌日、N高を受けた人たちが教室で騒いでおり、聞けばN高の受験会場にめしがいたと言う。「そんなはずない。めしはS高だよ。俺は一緒だったから保証してもいい。他人の空似だ」と私は反論したが、N高受験組は譲らない。「他人の空似なんてもんじゃない。何から何までそっくりだった。めしじゃなければ双子だ」と言い張るので、みんなしてめしのところに確かめにいった。しかし、めしはしごく真顔で「俺は一人っ子だよ」と言うのだった。


    東野圭吾の『分身』は一卵性双生児というクローンを扱った小説だが、分身を思うときは、俺があいつで、あいつが俺だったかもしれない可能性を考えるだろう。私も、もしもこの世に双子の兄弟がいたら、やはり会ってみたくなる。だが、怖くもある。似ているにしろ似ていないにしろ、自分の人生を悔やむかもしれない。そもそも、自分と同一(に近い)人間に会って、どうして哲学的な気持ちにならずにいられよう。存在するってどういうことだと思わずにいられよう。


    成人したあと、誰かが言った。「めしって、やっぱり双子だったんだってさ」。おそらく家庭の事情だろう、二人も育てられないということで一人は里子に出された。親もいずれは話すつもりだったとは思うが、中学生の段階では知らせていなかった。私たちがあれこれ詮索してしまった結果、親から聞かされる前に、そういえば思い当たる節が……と気づいてしまったかもしれない。中学生といえば多感な時期だ。相当の動揺があっただろう。今思うと、悪いことをしたと思う。(黒)

  • 独りごち 其の26「老顔」

    2010-10-14

    昨年のクリスマスにサンタクロース?からプレゼントが届き、開けてみると老眼鏡が。そんな、じじいじゃあるまいしと思ってかけてみると、本も新聞も漫画も活字がはっきりくっきり見える。でも、一度かけてしまうと加速度的に老眼が進み、今はもうやばいことになってます。電車の中で本を読んでいて、ふと窓ガラスに映った自分を見ると、フレームから視線をはずして上目づかいに見ていたりして、その顔はまさに老顔なのでした。(黒)

  • TK-プレス 其の32「絶版を探して」

    2010-10-12

    書店に行ってはある本を探していた。そんなとき、たまさか池袋に行ったついでに、かつて毎日のように通った芳林堂書店に行ったが、書店自体なかった。どうやら閉店になったらしい。他店にない専門書もあって人気だったのに、ありえない話だが、さあ、こうなると止まらない。その足で東京駅に向かい、日本一の売り場面積を誇っていた八重洲ブックセンターに行った。


    余談を言えば30年前、「八重洲ブックセンターに行ってきてくれ」と頼まれたことがあった。「どこにあるんですか」と聞くと、「東京駅に行けば分かるよ」とにべもない。改札を出ると地下街にキヨスク程度の書店があったので、「すみません、ここは八重洲ブックセンターですか」と尋ねると、店主は大笑いし、「うちがそんな大型書店に見えるかね」。今思えば、確かに……。


    探していたのは島崎藤村の『新生』だった。ここになければもう諦めるしかないと思って30分もうろうろしたが、やはりなかった。おかしい、確か新潮文庫にあったはずだがと思って『破戒』のカバーにある著作リストを見ると、なんとなかった! 藤村の著作が絶版になるなんて。ありえない話だ。もっとも年間の出版点数8万冊のご時勢では仕方ないのかもしれないけど。


    書店がだめなら古書店だと神田に向かった。そのとき、ふと思った。昔から、なぜわざわざ他人の手垢のついた本など買うのだろうと不思議だったが、あれは安いから買うのではなく、新刊書店にないから仕方なくそうしていたんじゃないかと。突然、團伊玖磨を読みたくなった、源氏鶏太の本が必要になった、石坂洋次郎はどこに行ったんだ、武者小路実篤は……とか思って。五十年後、おじさんたちは「昔、村上春樹って本屋さんにいっぱいあったよね」とかなんとか言っているのだろうか。ありえなくもない。すくなくとも“いっぱい”はないな。


    で、結局、藤村の『新生』は見つからず、最初からそうしていればよかったのだが、amazonで古本を買ったのだった。しかし、五十年後はそれもないかも。(黒)

  • 公募ガイド11月号 本日発売!

    10月になっても完全長袖シフトではない、微妙であり絶妙な気候の東京です。
    だけど誌面はすっかり秋、公募ガイド11月号本日発売です!
    今月号の注目は、なんといっても特集対談。
    尾藤一泉さん(川柳)と大高翔さん(俳句)の対談が実現しました。
    似ているようで実は違う、でもどこがどう違うのか…
    という川柳と俳句の疑問を解消。
    11月号表紙
    ■特集 川柳と俳句を学ぶ
    対談:尾藤一泉×大高翔
    俳句と川柳 基礎知識を学ぶ
    ■連載
    〈今月の一冊〉
    「青天の霹靂」劇団ひとりさん
    〈My Story〉
    与 勇輝さん
    〈CREATORS〉
    キン・シオタニさん
    ぜひ書店で手に取ってみてくださいね。
    (市)

  • 独りごち 其の25「福の神(紙)」

    2010-10-07

    本は全紙を折り重ね、その三方を断裁して作られるが、その際、角が折れ込んだまま断裁してしまうと、ページの下の2㎝ほどが繋がったままになってしまう。きれいに断裁されていないわけだから欠陥品と言っていいが、実はこれは縁起がいい。茶柱みたいなものである。10月になると神様は出雲大社に集まるが、恵比須(または福の神)は地域に立ち残る。そこから「立ち残りの神=断ち残りの紙」ということで、この断裁漏れのことを「恵比須紙(福紙)」と言う。見つけた人は、いいことあるかも!(黒)