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  • 竹田城はすごかった(人が)

    2017-04-27
    山記

    [caption id="attachment_12847" align="aligncenter" width="640"]この写真を撮るためだけに、行ってきました、竹田城。 撮影場所は、竹田城を見下ろす位置にある、立雲峡という場所です。 この写真を撮るためだけに、行ってきました、竹田城。
    撮影場所は、竹田城を見下ろす位置にある、立雲峡という場所です。
    この写真、よーく見てください。石垣の上に、おびただしい数の「人」が写っています。[/caption]

    [caption id="attachment_12846" align="aligncenter" width="640"]竹田城を撮る人を撮る。 登山道から藪の中まで、ずーっとカメラをかまえた人だらけ。 朝も早くから皆さんとても熱心なのです。 竹田城を撮る人を撮る。
    登山道から藪の中まで、ずーっとカメラをかまえた人だらけ。
    朝も早くから皆さんとても熱心なのです。[/caption]

    [caption id="attachment_12843" align="aligncenter" width="640"]しかし、シャッターチャンスはそんなに多くありません。 通常は、こんな状態が続きます。 雲海の中に完全に埋没しています。 姿を現した瞬間を撮影しなければならないのです。 しかし、シャッターチャンスはそんなに多くありません。
    通常は、こんな状態が続きます。
    雲海の中に完全に埋没しています。
    姿を現した瞬間を撮影しなければならないのです。[/caption]

    [caption id="attachment_12844" align="aligncenter" width="640"]日が昇って、雲海が荒れてきたらショーはおしまい。 立雲峡からさらに登っていくと、朝来山に到達します。 しかし、誰もいない! なんで? 下のほうには、あんなにたくさんの人がいるというのに。 撮影するだけじゃなくて、ちゃんと山に登りましょう。 日が昇って、雲海が荒れてきたらショーはおしまい。
    立雲峡からさらに登っていくと、朝来山に到達します。
    しかし、誰もいない!
    なんで? 下のほうには、あんなにたくさんの人がいるというのに。
    撮影するだけじゃなくて、ちゃんと山に登りましょう。[/caption]

    [caption id="attachment_12840" align="aligncenter" width="640"]今度は本丸。竹田城に登りました。 遺構がしっかりと残っていて、なかなかの迫力。 人気が出るのもうなずけます。 今度は本丸。竹田城に登りました。
    遺構がしっかりと残っていて、なかなかの迫力。
    人気が出るのもうなずけます。[/caption]

    [caption id="attachment_12842" align="aligncenter" width="640"]竹田の町並みを撮影。ただしミニチュアライズモードで。 けっこういい効果が出せました。 竹田の町並みを撮影。ただしミニチュアライズモードで。
    けっこういい効果が出せました。[/caption]

    [caption id="attachment_12841" align="aligncenter" width="640"]ついでに魚眼レンズも投入。 天守台からの風景です。 ついでに魚眼レンズも投入。
    天守台からの風景です。[/caption]

    竹田城。今となっては有名になり、とてつもなく混雑しているようですね。
    この撮影は5年前のものです。
    まだ規制もされておらず、自由に見学できました。
    これから行かれる方は、ご注意ください。

  • 八甲田雪中行軍

    2017-04-14
    山記

    山記と言いながら、本格的な登山の記録がないじゃないか!
    という意見が出てきそうなので、今回はガチです。

    冬山。それも八甲田。
    残雪期なので、そんなにハードではありませんが、常に雪崩の恐怖が隣り合わせの山行です。

    [caption id="attachment_12746" align="alignleft" width="600"]RIMG4998 スタート地点まではロープウェイに乗って。 来ました、白と黒。水墨画の世界。[/caption]


    [caption id="attachment_12747" align="alignleft" width="600"]前方に見えるのが、本日の目標。 赤倉岳、井戸岳、八甲田大岳の皆さん。 けっこう遠いな。 前方に見えるのが、本日の目標。
    赤倉岳、井戸岳、八甲田大岳の皆さん。
    けっこう遠いな。[/caption]

    [caption id="attachment_12748" align="alignleft" width="600"]ふと振り返ると。 こんなところを歩いてきたのです。 ちょっと足を滑らせたら、ずーっと落ちていきます。 ふと振り返ると。
    こんなところを歩いてきたのです。
    ちょっと足を滑らせたら、ずーっと落ちていきます。[/caption]

    [caption id="attachment_12748" align="alignleft" width="600"]こんなところを歩いていきます。 スノーシューを装備しているので、けっこう楽。 ま、このあたりまではね。 こんなところを歩いていきます。
    スノーシューを装備しているので、けっこう楽。
    ま、このあたりまではね。[/caption]

    [caption id="attachment_12749" align="alignleft" width="600"]斜度がきつくなってきたところで、スノーシューから12本爪アイゼンにチェンジ。 このところの陽気で、雪がだいぶ緩んでいるのです。 ひざくらいまで、ズボズボともぐりながら。 なかなか前に進みません。 斜度がきつくなってきたところで、スノーシューから12本爪アイゼンにチェンジ。
    このところの陽気で、雪がだいぶ緩んでいるのです。
    ひざくらいまで、ズボズボともぐりながら。
    なかなか前に進みません。[/caption]

    [caption id="attachment_12751" align="alignleft" width="600"]やっと赤倉岳に到着。 まだまだ先は長い。 やっと赤倉岳に到着。
    まだまだ先は長い。[/caption]

    [caption id="attachment_12752" align="alignleft" width="600"]さらに先へ進むと。 突然雪がなくなります。 このあたりは、井戸岳の噴火口外周。 さらに先へ進むと。
    突然雪がなくなります。
    このあたりは、井戸岳の噴火口外周。[/caption]

    [caption id="attachment_12753" align="alignleft" width="600"]写真ではよく分からないかもしれませんが、これが噴火口です。 写真ではよく分からないかもしれませんが、これが噴火口です。[/caption]

    [caption id="attachment_12754" align="alignleft" width="600"]突然、室内の写真。 ここは大岳避難小屋。 ちょっと休憩して、今回の本丸、八甲田大岳に備えます。 突然、室内の写真。
    ここは大岳避難小屋。
    ちょっと休憩して、今回の本丸、八甲田大岳に備えます。[/caption]

    [caption id="attachment_12755" align="alignleft" width="600"]避難小屋の前では、ツアースキーの団体さんが出発の準備中。 バックカントリースキーはいいですよね、下りが楽で。 避難小屋の前では、ツアースキーの団体さんが出発の準備中。
    バックカントリースキーはいいですよね、下りが楽で。[/caption]

    [caption id="attachment_12756" align="alignleft" width="600"]で、いきなり八甲田大岳山頂です。 もう、風が強くて強くて。 途中の写真、撮れませんでした。 油断すると、体ごと持っていかれます。 しかもガスが濃くて、視界が効きません。 GPSを頼りに歩いてます。 で、いきなり八甲田大岳山頂です。
    もう、風が強くて強くて。
    途中の写真、撮れませんでした。
    油断すると、体ごと持っていかれます。
    しかもガスが濃くて、視界が効きません。
    GPSを頼りに歩いてます。[/caption]

    [caption id="attachment_12757" align="alignleft" width="600"]スノーシューだと足跡はこんな感じになります。 スノーシューだと足跡はこんな感じになります。[/caption]

    [caption id="attachment_12758" align="alignleft" width="600"]前方に見えているは、硫黄岳。 ここも登ってみたいけど、今回はちょっと無理。 前方に見えているは、硫黄岳。
    ここも登ってみたいけど、今回はちょっと無理。[/caption]

    [caption id="attachment_12759" align="alignleft" width="600"]振り返ると、山頂はガスの中。 振り返ると、山頂はガスの中。[/caption]

    [caption id="attachment_12760" align="alignleft" width="600"]雪山あるある。 木の周りだけこんな風になります。 雪山あるある。
    木の周りだけこんな風になります。[/caption]

    [caption id="attachment_12761" align="alignleft" width="600"]なんとか下りてきました。 雪の回廊の高さは3~4mくらいでしょうか。 なんとか下りてきました。
    雪の回廊の高さは3~4mくらいでしょうか。[/caption]

    [caption id="attachment_12762" align="alignleft" width="600"]鳥居も雪で埋もれてます。 これでも、積雪が少ないほうなのです。 鳥居も雪で埋もれてます。
    これでも、積雪が少ないほうなのです。[/caption]

    下山後、地元のガイドの方に「よく雪崩にあわなかったねぇ、この時期は危ないよ」と。

    まあ、そうですよね。
    生きててよかった、という登山でした。

  • 下りからノボリ尾根を登って登り尾根を下り下山

    2017-04-03
    山記

    [caption id="attachment_12680" align="alignleft" width="640"]下り集落からスタート 下り集落からスタート[/caption]

    [caption id="attachment_12688" align="alignleft" width="640"]ノボリ尾根を登る ノボリ尾根を登る[/caption]

    [caption id="attachment_12684" align="alignleft" width="640"]鷹ノ巣山 鷹ノ巣山![/caption]

    [caption id="attachment_12682" align="alignleft" width="640"]七ツ石山 七ツ石山![/caption]

    [caption id="attachment_12683" align="alignleft" width="640"]雲取山! 雲取山![/caption]

    [caption id="attachment_12689" align="alignleft" width="640"]登り尾根を下る 登り尾根を下る[/caption]

    [caption id="attachment_12681" align="alignleft" width="640"]下山完了! 下山完了[/caption]

    以上!

  • 東京の秘境「青ヶ島」探訪記 その4 星空に圧倒される

    2017-03-21
    山記

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    いきなり、写真から。
    天体撮影とかやったことないんですが、どうにか撮れました。

    事前情報で、青ヶ島から見る星空は日本有数の美しさだ、と聞いていたのです。
    そこで、魚眼レンズを用意してきた訳です。
    火口の中で魚眼レンズを構えているので、外輪山まで写り込んで、ちょっと面白い写真になりました。

    にしても、澄んだ空、星の量。
    寝転がって飽きずにずーっと見ていました。

    なにしろ、周りに人がいませんので、寝転がろうが、走り回ろうが、大声で叫ぼうが、誰にも迷惑はかけないのです。
    すごい開放感。

    天体撮影する前に、ちゃんとお風呂に入りました。
    前回出てきた「ふれあいサウナ」。
    天然の水蒸気を使ったミストサウナです。

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    中に入ると、もうこんな状態。
    これ、サウナ室手前の洗い場です。
    サウナの中は、もっとすごい。

    で、サウナといえば水風呂。
    のはずなのですが。
    なぜか風呂桶に張られているのは、ちょうどいい湯加減のお湯のみ。

    蛇口を捻っても、お湯しか出ない。
    なんで?

    水道管が地熱で温められているため、必然的にお湯になってしまうのだとか。
    なんて経済的な。

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    サウナに入る前、地熱釜に食材をセットしておきました。
    風呂から上がる頃には、ちょうど食べごろに。

    この地熱釜、けっこう便利でした。
    芋のほか、魚とか卵とか、明日葉(その辺に自生している)とか。
    なんでも放り込んでおけば、蒸し料理になります。
    サトウのゴハンとレトルトカレーも、これで温めました。
    光熱費はタダ。
    なんて経済的な。

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    蒸した芋に、青ヶ島特産の「ひんぎゃの塩」をつけていただきます。
    ビールは、ふれあいサウナの自販機で調達。
    星空を眺めながら食べる、至福のひとときでした。

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    朝4時頃、寒くて目が覚めます。
    キャンプ場は意外と冷えるのです。
    そこで、寝袋を持って、ふれあいサウナの周辺まで移動。
    地熱のおかげで、地面が温かいのです。

    道路のど真ん中で、寝袋にくるまって寝ました。
    天然の床暖房。
    ああ、なんて経済的な。

    SONY DSC

    朝6時30分。
    テント撤収。
    9時台のヘリで帰らなければなりません。

    最後に、展望台に登って撮影。
    二重カルデラの景色を、ミニチュアライズモードで。

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    これで青ヶ島の景色も見納めです。
    名残惜しいですが、帰路につきましょう。
    なにしろ、ヘリは1日1往復のみ。
    しかも連日予約でいっぱい。
    乗り遅れたら、島から出られなくなります。

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    家についてから、幻の青酎とひんぎゃの塩で、余韻に浸る。
    またいつか、行ってみたいものです。

  • 東京の秘境「青ヶ島」探訪記 その3 要塞が待っていた

    2017-03-03
    山記

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    青ヶ島探訪記もすでに3回目。
    前日は夜3時まで飲んでました。
    えー、そりゃあもう、大量に飲みましたよ。

    昼まで寝ていたいけれど、そうもいってられません。
    寝不足でふらふらしながら探訪を続けました。

    宿の車でキャンプ場まで送ってもらいました。
    そう、2日目はテント生活なのです。

    キャンプ場の近くには、こんな設備が。

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    これ、地熱釜です。
    蓋を開けてイモや卵などを入れ、下のコックをひねると、約90度の蒸気で蒸してくれます。
    天然の蒸し料理が楽しめるというわけ。

    ここは外輪山の内側。
    火山の火口ならでは。
    地熱釜で何を作ったかは、次回。

    SONY DSC

    村営のふれあいサウナという施設もあります。
    ちゃんと湯船もシャワーもあるので、テント生活でも快適です。
    ここも火山ならでは。天然サウナです。
    この話も次回。
    引っ張りますよ。

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    内側から外輪山を見るとこんな状態。
    かなり険しいですね。
    これは簡単には登れそうにない。

    SONY DSC
    とりあえずテント張りました。
    もちろんひとりぼっち。
    こんなところ、そうそう客はきませんよね。

    時間があるので、港に向かいます。
    道の脇、いたるところから蒸気が上がっていました。

    SONY DSC
    これが不思議と硫黄臭がしないのです。

    SONY DSC

    港へ行く唯一の道、青宝トンネルを通ります。
    この手掘り感!
    なんかすごいのです。
    しかも長い。
    で、工事のトラックが走り抜けていく。
    ま、このトンネルを歩いて通る人、めったにいないらしいです。

    SONY DSC

    トンネルを抜けると港です。
    船はすべて高台に上げてあります。
    防波堤がないので、係留しておくとすぐに破損してしまうのです。

    このあたりは、黒潮のど真ん中。
    荒れやすい海なのですね。
    離島の苦労が伝わってきます。

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    ここで現代アートを1枚。
    引いて撮るとこんな感じ。

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    どこの要塞だよ、と突っ込みたくなる護岸工事です。
    いったいいくらかかっているのでしょう。

    SONY DSC

    どんなに修理しても、どんどん崩壊していくのです。
    永久に終わることのない工事をやっているのですね。

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    港の全景です。
    まさに要塞。
    なんかもう、圧倒されまくりです。

    気になったのが工事費。
    村民が200名に満たないので、自治体の収入だけでは当然成り立ちません。
    つまり、国や東京都からいっぱいもらってるわけです。

    次回に続きます。

  • 東京の秘境「青ヶ島」探訪記 その2

    2017-02-16
    山記

    前回に引き続き、青ヶ島。

    ちなみにこの島、東京都青ヶ島村というひとつの自治体なのです。
    人口168人。
    日本で一番人口が少ない自治体です。

    住所を聞いて驚きます。
    番地がないのです。
    おとなりさんも、そのおとなりさんも。
    すべての家が、東京都青ヶ島村無番地。
    これで郵便物が届くところがすごい。
    で、「青ヶ島」探訪記。

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    いきなり山頂です。
    青ヶ島最高峰、大凸部。

    山名、読めませんよね。
    (おおとんぶ)です。

    標高は423mあるのですが、村の標高がすでに250mなので、あっという間に登れてしまいます。

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    ここからの眺めはさすがにいい!
    二重カルデラの構造がよく分かりますね。

    ちょっと横に目をやると、

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    外輪山斜面に作られた道路が見えます。
    もうね、そうとう強引に作ってますよ、これ。
    島の生活の大変さがよく分かります。
    しかも、港に行くには、これしか道がないのです。

    大凸部から下山。
    今度は島の外周を周る都道236号線を歩いてみました。

    しばらく行くと、こんなことになっています。

    SONY DSC

    道が崩壊してるよ。
    工事はしているものの、復旧の目処は立っていないのだとか。
    えっ、これ都道だよね。
    それでいいのか。

    本来はこの道も港に続いていたのですが、使えなくなったため、さっきの強引な急坂の道だけになってしまったのです。
    数ある離島の中でも、青ヶ島の自然環境は特に苛酷なようです。

    ぐるっと回って、今度は島の東側に移動。
    眼下に見えてきたのは、大千代港。
    SONY DSC

    この港、今は使われていません。
    使われていないというか、まともに稼動しなかった港なのです。

    というのもこんな理由。

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    港へ至る道が、崩落で完全になくなっています。
    なんかね、この島。
    道がなくなってるところばっかりですよ。
    すごいな。

    一日、島巡りを堪能して宿に戻りました。
    お楽しみの夕食です。
    と、ずらりと並んでました。

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    青ヶ島で作られる幻の酒・青酎(あおちゅう)。
    これが全種類飲み比べできるのです。

    同じ青酎という銘柄でも、杜氏によってまったく違った味に仕上がっています。
    ラベルが同じでも味が違うのです。

    で、どれだけ飲んでもいいという。
    そりゃあね、飲みましたよ。
    大量に。

    食後、やることもないので居酒屋へ行くことに。

    青ヶ島には2軒の居酒屋があります。
    食堂はないけど居酒屋はあるのです。
    そういうものなのです。
    同じ宿で、青ヶ島の公務員試験を受けに来ていた若者がいたので、その連中と一緒に飲みに行きました。
    まずは「おじゃれ杉の沢」へ。
    酔っ払った地元のおっちゃんたちとの交流は楽しいものです。

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    ついでだから、はしご酒。
    もう一件の「居酒屋もんじ」へ。

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    カウンター席に座っていろいろと話を聞いていると。
    隣にだれか来ました。

    よく見ると。
    あれ、さっきの店「おじゃれ杉の沢」の大将じゃないですか。
    で、一緒に飲むことに。

    そろそろ店閉めますよー、という時間。
    おじゃれ杉の沢の大将が、「おまえらちょっとこい!」とおっしゃる。

    どこへ連れて行かれるのかと思ったら。
    おじゃれ杉の沢に逆戻りです。
    「飲め!」と次から次と酒が出てきます。

    まあね、いろんな話を聞かせてもらいました。
    青ヶ島の裏話を多数。
    あ、ここではちょっと書けませんが。
    百数十人しかいない島。
    一番大変なのは、とかく人間関係なのですよ。
    そりゃあ、そうでしょうねぇ。
    よく分かります、分かります。

    今回はこの辺で。
    おい、まだ二重カルデラにもたどり着いてないぞ。
    長げーな、これ。
    (続く)

  • 東京の秘境「青ヶ島」探訪記 その1

    2017-02-03
    山記

    [caption id="attachment_12252" align="alignleft" width="369"]7f8a99c72ea432ede3b9a5ee080a30a2 引用元) http://emior.iord.u-tokai.ac.jp/misc_20091102.html[/caption]

    ネットでよく見かけるこの写真。
    なかなかにインパクトのある姿です。

    RPGで最後にたどり着く場所。
    ラスボスが出てくる最終ステージ。
    そんなイメージですよね。

    島の周囲が見事に崩れ落ちていて、まさに絶海の孤島。
    端正な形状の二重カルデラ。
    島自体が巨大な海底火山の山頂部なのです。

    で、どこにあるのかというと、実は東京都。
    伊豆諸島の一番端っこです。
    東京の秘境と呼ばれているのです。
    で、11月某日に行ってみました。

    まず苦労するのがアクセス。
    東京からの直行便はありません。
    八丈島経由で渡るしかない。

    しかも、船の就航率は極端に低いときています。
    海がちょっと荒れると、2週間ほど船便が出ない、なんてこともあるのだとか。

    じゃあどうするか。
    ヘリを使うのです。

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    毎日運行しているヘリ便があります。
    東京愛らんどシャトル。
    片道11,210円。
    さらに、羽田-八丈島は、ANA特割でも片道12,470円。

    ってことは、往復47,360円。
    海外行けるよ!

    ヘリの乗り心地は、なかなか快適でした。
    ま、登山やってる人は、
    ヘリに乗る=遭難したとき
    ってイメージがあるので、あんまり乗りたくはないのですが。

    そして、念願の青ヶ島上陸。
    宿のおかみさんが車で迎えに来てくれました。
    ふと、気づく。
    ここ、品川ナンバーなのですね。

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    今回の宿は「あおがしま屋」。
    1泊3食付で9500円。
    なぜ3食付かというとですね。

    この島にはコンビニなんてものはありません。
    食堂もありません。
    宿で3食出してもらわないと、ご飯にありつけないのです。

    まずは、島内散策。
    鳥居をくぐって階段を登ってみます。

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    なんか、すげー急なんですけど。
    苔むした玉石の階段。
    むちゃくちゃ滑ります。
    最後は四つんばいで登りました。

    登りきったところにある神社の脇を抜け、しばらく歩くと。

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    この絶景です。
    なんでしょうね、この景色。
    もう、現実とは思えないような空間。
    ただひたすら、ぼーっと立ち尽くしていました。

    ちなみに、新東京百景と、日本の秘境100選に選ばれているらしい。

    絶景を堪能した後、しばらく歩くと。
    今度はこんな景色が。

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    斜面が広範囲にわたって緑に塗られています。
    いったい何のため?
    グラススキーでもやるの?

    その答えは、少し下ったところで判明します。

    [caption id="attachment_12259" align="alignleft" width="640"]SONY DSC  [/caption]

    ここは取水場なのです。
    緑色の斜面を使って雨水を集め、この浄水場へ流し込んでいるのです。
     
    離島ならではの智恵。
    にしても、やることが豪快だな。

    今度は、青ヶ島の北端に向かいます。
    ジョウマンと呼ばれる場所。
    一面の草原です。

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    写真で見ると、なんか良さげでしょ。
    海まで続く草原。
    わーい!
    って叫びながら突っ走りたくなりますよね。

    でもね。
    ここの草。
    背丈を超えてますからね。
    突っ込んでいくと、とんでもないことになります。

    さて、いったん宿に戻りましょうか。
    おっ、ネコがいる。
    近づいてみると。

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    フーッと威嚇しながら寄ってきました。
    なんか反抗的だなぁ。

    っていうか、君たち。
    目つき悪いぞ。


    今回はここまで。

    えっ? 山記なのに、山に登ってないじゃないかって?
    ま、それは次回ってことで。

    (続く)

  • 魔子と出会った夏

    2017-01-18
    山記

    山梨県の奥深く。
    あまり人は入らないが、よく整備された登山道。
    その先に彼女が待っているのです。

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    はやる心を抑えながら、あえてゆっくりと登っていきます。
    時間にして20分ほど。
    息を切らさないよう、汗をかかないよう。

    山頂が近づきます。
    その先に見えてきたのは。
    そう、ついに彼女に出会ったのです。

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    魔子、会いたかった!

    白地に赤で書かれた、血文字のような山頂標。
    「魔子」という名にぴったりじゃありませんか。

    魔子の名には、いったいどんな意味があるのか。
    まあ、そんなことはどうでもいいのです。

    ついに出会えた。
    魔子かわいいよ魔子。

    そして魔子には、重大な秘密が隠されていたのです。

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    魔子の人穴。

    嘘か本当か。
    その昔、武田信玄御一行様が、金の採掘を行っていたのだとか。

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    確かに、手掘り感満載。
    歴史ロマンに浸れます。

    充分に魔子を満喫したら下山です。
    と、登山口にこんな看板を発見。

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    えーと、なんですか。
    「立派な標語でも守らなければ意味がない」

    確かに、そのとおりなのですが。
    山の中でそんなこと言われても、どうしろと。

    なにかの暗喩?
    それとも、大喜利のネタ?
    うーん謎だ、分からない。

    魔子深すぎるよ魔子。

  • 行けばわかるさ!

    2016-12-15
    山記

    ガボッチョ。

    その山の名前を見たとき、「行かねばならない」という思いがこみ上げてきたのです。

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    だいたい、山の名前が“ガボッチョ”っておかしいでしょ。

    冗談でつけた名前?
    の割にはちゃんと地図に載ってるし。
    あ、googleにも登録されてるよ。

    ネットで検索しても、登山の履歴はほとんど見つかりません。
    登山道すらないので、だれも行かないわけです。

    名前の由来は?
    どんな意味があるの?

    こんなときは行動あるのみ。
    そう、行けばわかるさ!

    8月某日。
    夏休みを取得して行ってきました。
    場所は霧が峰のすぐ近く。

    登山道が存在しないので、適当にあたりをつけて、藪の中に入っていきます。
    最初は下り。

    藪の深さは肩ぐらい。
    獣道が錯綜しているので、これをたどっていきます。

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    気がつくと、道が途切れていたり、蛇行していたり。
    人がつけた道じゃないので、まあしょうがない。
    藪をかきわけ、一歩一歩前進していきます。

    と後ろから、何かがすごい勢いで近づいてきました。
    巨大な物体。
    いったい何が?

    藪の中から飛び出してきたのは、立派な角をもった鹿。
    真横を、ジャンプしながら駆け抜けていきます。
    振り上げた鹿の足が、鼻先をかすめました。

    間一髪。
    あのサイズだと、追突されたら大怪我します。
    もう心臓バクバクです。

    すげー、なんか探検っぽくなってきた。
    テンションがあがります。

    そして前方には、“ガボッチョ”が姿を現します。
    いかにも謎の山、という佇まい。

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    さらに進んだところで、人工物を発見しました。
    木で囲ってあるようですが。
    こんな人が来ない場所で、何かを栽培しているわけじゃないだろうし。

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    呪術的な何か?
    そうだ、きっとそうに違いない。

    ガボッチョ=宗教、呪術
    という構図が、頭の中に出来上がってきました。

    そして、ガボッチョへ登りにかかります。
    これがすごい急な斜面。

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    しかもアザミなどのトゲをもった植物が密生しているので、なかなか前に進みません。
    全身、擦り傷だらけになります。
    さすが謎の山“ガボッチョ”、一筋縄ではいきません。

    四つんばいで踏ん張りながら、登っていきます。
    手をかけようとしたその先に。
    うおーっ、トリカブトだ!

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    猛毒のトリカブトが花をつけていました。
    花粉が傷口に触れるだけで、かぶれます。

    困難に次ぐ困難。
    この先、いったい何が待ち構えているのか?
    斜面を登りきりました。
    視界が開けます。
    ついに山頂に到着したのです。

    と、目の前に現れたのは、謎のオブジェ。
    これはいったい?

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    これ、絶対に儀式を行うためのヤツでしょ。
    何らかの宗教団体か、秘密結社がからんでいるに違いない。
    とんでもない発見をしてしまったのではないか?
    テンションはマックス状態です。

    これは念入りな調査が必要ですね。
    見渡す限り、人の気配はありません。
    謎の山、“ガボッチョ”の正体とは、はたして。

    突然、スマホが鳴ります。
    もしや、「ふっ、ふっ、ふっ。ついに見つけてしまいましたね」
    と、秘密結社がメッセージを伝えにきたのか?
    勢いよく電話に出ました。

    「あのー、今日予定のバナー広告、まだアップされてないんですけど」

    会社からでした。

    結論。
    行ってもわからなかった。

    【豆知識】“ガボッチョ”とは?

    ガボッチョは株丁が語源になっているそうです。
    丁は偶数のことだから、二つの山頂(頂=丁)を持つ山、と言うことを表しています。
    江戸時代・寛政年間の文献には、すでに「かぶっちょ」という表記があるのだとか。
    そんな昔から名前を持つ、由緒正しい山だったのですね。

    後日、親切な人が教えてくれました。

  • くまにさそわれて山に行く

    2016-11-29
    山記

    山記1回目は、熊に会った話。
    石川、岐阜にまたがる白山に登ったときのこと。

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    行くは、北縦走路。
    白川郷に向かって歩いていく、静かな登山道です。

    季節は9月末、秋真っ只中。
    紅葉も進み、周囲には赤い木の実がなっています。

    かれこれ8時間は歩いたでしょうか。
    まだ誰にも会いません。
    静かな登山もいいものだ、とのんきに構えていると。

    ぬかるみに足跡を発見しました。
    先行してる人がいるのかな。
    と思いつつ、よく見ると。

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    これ、人じゃないよね。
    なんか、爪とかついてるんですけど。

    まだ新しいその足跡は、前足と後足がくっきりと見て取れます。
    やばいなー、いるよ。
    とはいっても、鈴も付けてるし、そうそう出くわすものでもないでしょう。

    気を取り直して、先へ。
    紅葉と景色に見とれていると。
    登山道のど真ん中にコレが。

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    デカイ。
    絶対にいるよ。
    間違いないよ。
    やばいよ。

    この先、道のそこかしこに、巨大な糞が転がっています。
    そしてついに、出会ってしまいました。

    距離にして30メートルくらいでしょうか。
    藪の中から姿を現したのです。

    こちらを、ちらと一瞥すると。
    「あー、人がいるよ、面倒くせえなぁ」
    とばかりに、のっそりと登山道を歩いています。

    出会ったのはこのあたり。

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    えっ、熊の写真はないのかって?

    無理 無理 無理 無理 無理 無理。
    出会った瞬間、全身固まって、写真どころじゃなかったんですって。

    もうね、会えば分かりますから。
    ほんと、なんもできなかった。

    この後、熊さんは藪の中へと戻っていかれました。
    恐る恐る通過します。
    と、強烈な獣臭が立ち込めて。

    あー、これが野生の熊の匂いなのね。
    この匂い、一生忘れないことでしょう。

    で、その30分後。
    登山道の分岐点に差し掛かります。

    右側の道に行こうとしたところ。
    茂みの向こうになにかいる。

    木の実を食べる音がします。
    間違いありません。
    すごい確率。1日に2度も会えるなんて。

    「あのー、そこ通してもらえませんか」
    と呟いてみたものの。
    熊さんが「はい、どうぞ」と応えてくれるわけもなく。

    ためしに、鈴を手にとって鳴らしてみました。
    「ウーッ」とうなり声が返ってきます。
    あ、返事してくれた。でも怒ってる?

    もう一度、鈴を。
    今度は「ガウーッ」。
    威嚇されました。
    どうやら機嫌を損ねてしまった様子。
    お食事を邪魔したのがいけなかったのでしょう。

    ここで三択。
    1.右の道を進んで、熊とケンカする
    2.引き返して、さっきの熊に再会する
    3.左の道へ進む

    そりゃ3.しかないでしょ。
    でもですね、左の道を進むと、もうひと山越えなくちゃいけないのですよ。

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    結局、登りましたよ。
    もうひと山。
    足が悲鳴を上げています。

    ここから下山する道が、これまたとんでもなく長い。
    山から下りたころには、あたりは真っ暗になっていました。

    川上弘美さんの『神様』のように、熊と心を通わせることはできないのでした。