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竹田城はすごかった(人が)
2017-04-27山記[caption id="attachment_12847" align="aligncenter" width="640"]
この写真を撮るためだけに、行ってきました、竹田城。
撮影場所は、竹田城を見下ろす位置にある、立雲峡という場所です。
この写真、よーく見てください。石垣の上に、おびただしい数の「人」が写っています。[/caption][caption id="attachment_12846" align="aligncenter" width="640"]
竹田城を撮る人を撮る。
登山道から藪の中まで、ずーっとカメラをかまえた人だらけ。
朝も早くから皆さんとても熱心なのです。[/caption][caption id="attachment_12843" align="aligncenter" width="640"]
しかし、シャッターチャンスはそんなに多くありません。
通常は、こんな状態が続きます。
雲海の中に完全に埋没しています。
姿を現した瞬間を撮影しなければならないのです。[/caption][caption id="attachment_12844" align="aligncenter" width="640"]
日が昇って、雲海が荒れてきたらショーはおしまい。
立雲峡からさらに登っていくと、朝来山に到達します。
しかし、誰もいない!
なんで? 下のほうには、あんなにたくさんの人がいるというのに。
撮影するだけじゃなくて、ちゃんと山に登りましょう。[/caption][caption id="attachment_12840" align="aligncenter" width="640"]
今度は本丸。竹田城に登りました。
遺構がしっかりと残っていて、なかなかの迫力。
人気が出るのもうなずけます。[/caption][caption id="attachment_12842" align="aligncenter" width="640"]
竹田の町並みを撮影。ただしミニチュアライズモードで。
けっこういい効果が出せました。[/caption][caption id="attachment_12841" align="aligncenter" width="640"]
ついでに魚眼レンズも投入。
天守台からの風景です。[/caption]竹田城。今となっては有名になり、とてつもなく混雑しているようですね。
この撮影は5年前のものです。
まだ規制もされておらず、自由に見学できました。
これから行かれる方は、ご注意ください。八甲田雪中行軍
2017-04-14山記山記と言いながら、本格的な登山の記録がないじゃないか!
という意見が出てきそうなので、今回はガチです。冬山。それも八甲田。
残雪期なので、そんなにハードではありませんが、常に雪崩の恐怖が隣り合わせの山行です。[caption id="attachment_12746" align="alignleft" width="600"]
スタート地点まではロープウェイに乗って。 来ました、白と黒。水墨画の世界。[/caption]
[caption id="attachment_12747" align="alignleft" width="600"]前方に見えるのが、本日の目標。
赤倉岳、井戸岳、八甲田大岳の皆さん。
けっこう遠いな。[/caption][caption id="attachment_12748" align="alignleft" width="600"]
ふと振り返ると。
こんなところを歩いてきたのです。
ちょっと足を滑らせたら、ずーっと落ちていきます。[/caption][caption id="attachment_12748" align="alignleft" width="600"]
こんなところを歩いていきます。
スノーシューを装備しているので、けっこう楽。
ま、このあたりまではね。[/caption][caption id="attachment_12749" align="alignleft" width="600"]
斜度がきつくなってきたところで、スノーシューから12本爪アイゼンにチェンジ。
このところの陽気で、雪がだいぶ緩んでいるのです。
ひざくらいまで、ズボズボともぐりながら。
なかなか前に進みません。[/caption][caption id="attachment_12751" align="alignleft" width="600"]
やっと赤倉岳に到着。
まだまだ先は長い。[/caption][caption id="attachment_12752" align="alignleft" width="600"]
さらに先へ進むと。
突然雪がなくなります。
このあたりは、井戸岳の噴火口外周。[/caption][caption id="attachment_12753" align="alignleft" width="600"]
写真ではよく分からないかもしれませんが、これが噴火口です。[/caption]
[caption id="attachment_12754" align="alignleft" width="600"]
突然、室内の写真。
ここは大岳避難小屋。
ちょっと休憩して、今回の本丸、八甲田大岳に備えます。[/caption][caption id="attachment_12755" align="alignleft" width="600"]
避難小屋の前では、ツアースキーの団体さんが出発の準備中。
バックカントリースキーはいいですよね、下りが楽で。[/caption][caption id="attachment_12756" align="alignleft" width="600"]
で、いきなり八甲田大岳山頂です。
もう、風が強くて強くて。
途中の写真、撮れませんでした。
油断すると、体ごと持っていかれます。
しかもガスが濃くて、視界が効きません。
GPSを頼りに歩いてます。[/caption][caption id="attachment_12757" align="alignleft" width="600"]
スノーシューだと足跡はこんな感じになります。[/caption]
[caption id="attachment_12758" align="alignleft" width="600"]
前方に見えているは、硫黄岳。
ここも登ってみたいけど、今回はちょっと無理。[/caption][caption id="attachment_12759" align="alignleft" width="600"]
振り返ると、山頂はガスの中。[/caption]
[caption id="attachment_12760" align="alignleft" width="600"]
雪山あるある。
木の周りだけこんな風になります。[/caption][caption id="attachment_12761" align="alignleft" width="600"]
なんとか下りてきました。
雪の回廊の高さは3~4mくらいでしょうか。[/caption][caption id="attachment_12762" align="alignleft" width="600"]
鳥居も雪で埋もれてます。
これでも、積雪が少ないほうなのです。[/caption]下山後、地元のガイドの方に「よく雪崩にあわなかったねぇ、この時期は危ないよ」と。
まあ、そうですよね。
生きててよかった、という登山でした。下りからノボリ尾根を登って登り尾根を下り下山
2017-04-03山記[caption id="attachment_12680" align="alignleft" width="640"]
下り集落からスタート[/caption]
[caption id="attachment_12688" align="alignleft" width="640"]
ノボリ尾根を登る[/caption]
[caption id="attachment_12684" align="alignleft" width="640"]
鷹ノ巣山![/caption]
[caption id="attachment_12682" align="alignleft" width="640"]
七ツ石山![/caption]
[caption id="attachment_12683" align="alignleft" width="640"]
雲取山![/caption]
[caption id="attachment_12689" align="alignleft" width="640"]
登り尾根を下る[/caption]
[caption id="attachment_12681" align="alignleft" width="640"]
下山完了[/caption]
以上!
東京の秘境「青ヶ島」探訪記 その4 星空に圧倒される
2017-03-21山記
いきなり、写真から。
天体撮影とかやったことないんですが、どうにか撮れました。事前情報で、青ヶ島から見る星空は日本有数の美しさだ、と聞いていたのです。
そこで、魚眼レンズを用意してきた訳です。
火口の中で魚眼レンズを構えているので、外輪山まで写り込んで、ちょっと面白い写真になりました。にしても、澄んだ空、星の量。
寝転がって飽きずにずーっと見ていました。なにしろ、周りに人がいませんので、寝転がろうが、走り回ろうが、大声で叫ぼうが、誰にも迷惑はかけないのです。
すごい開放感。天体撮影する前に、ちゃんとお風呂に入りました。
前回出てきた「ふれあいサウナ」。
天然の水蒸気を使ったミストサウナです。中に入ると、もうこんな状態。
これ、サウナ室手前の洗い場です。
サウナの中は、もっとすごい。で、サウナといえば水風呂。
のはずなのですが。
なぜか風呂桶に張られているのは、ちょうどいい湯加減のお湯のみ。蛇口を捻っても、お湯しか出ない。
なんで?水道管が地熱で温められているため、必然的にお湯になってしまうのだとか。
なんて経済的な。サウナに入る前、地熱釜に食材をセットしておきました。
風呂から上がる頃には、ちょうど食べごろに。この地熱釜、けっこう便利でした。
芋のほか、魚とか卵とか、明日葉(その辺に自生している)とか。
なんでも放り込んでおけば、蒸し料理になります。
サトウのゴハンとレトルトカレーも、これで温めました。
光熱費はタダ。
なんて経済的な。蒸した芋に、青ヶ島特産の「ひんぎゃの塩」をつけていただきます。
ビールは、ふれあいサウナの自販機で調達。
星空を眺めながら食べる、至福のひとときでした。朝4時頃、寒くて目が覚めます。
キャンプ場は意外と冷えるのです。
そこで、寝袋を持って、ふれあいサウナの周辺まで移動。
地熱のおかげで、地面が温かいのです。道路のど真ん中で、寝袋にくるまって寝ました。
天然の床暖房。
ああ、なんて経済的な。朝6時30分。
テント撤収。
9時台のヘリで帰らなければなりません。最後に、展望台に登って撮影。
二重カルデラの景色を、ミニチュアライズモードで。これで青ヶ島の景色も見納めです。
名残惜しいですが、帰路につきましょう。
なにしろ、ヘリは1日1往復のみ。
しかも連日予約でいっぱい。
乗り遅れたら、島から出られなくなります。家についてから、幻の青酎とひんぎゃの塩で、余韻に浸る。
またいつか、行ってみたいものです。東京の秘境「青ヶ島」探訪記 その3 要塞が待っていた
2017-03-03山記青ヶ島探訪記もすでに3回目。
前日は夜3時まで飲んでました。
えー、そりゃあもう、大量に飲みましたよ。昼まで寝ていたいけれど、そうもいってられません。
寝不足でふらふらしながら探訪を続けました。宿の車でキャンプ場まで送ってもらいました。
そう、2日目はテント生活なのです。キャンプ場の近くには、こんな設備が。
これ、地熱釜です。
蓋を開けてイモや卵などを入れ、下のコックをひねると、約90度の蒸気で蒸してくれます。
天然の蒸し料理が楽しめるというわけ。ここは外輪山の内側。
火山の火口ならでは。
地熱釜で何を作ったかは、次回。村営のふれあいサウナという施設もあります。
ちゃんと湯船もシャワーもあるので、テント生活でも快適です。
ここも火山ならでは。天然サウナです。
この話も次回。
引っ張りますよ。内側から外輪山を見るとこんな状態。
かなり険しいですね。
これは簡単には登れそうにない。
とりあえずテント張りました。
もちろんひとりぼっち。
こんなところ、そうそう客はきませんよね。時間があるので、港に向かいます。
道の脇、いたるところから蒸気が上がっていました。
これが不思議と硫黄臭がしないのです。港へ行く唯一の道、青宝トンネルを通ります。
この手掘り感!
なんかすごいのです。
しかも長い。
で、工事のトラックが走り抜けていく。
ま、このトンネルを歩いて通る人、めったにいないらしいです。トンネルを抜けると港です。
船はすべて高台に上げてあります。
防波堤がないので、係留しておくとすぐに破損してしまうのです。このあたりは、黒潮のど真ん中。
荒れやすい海なのですね。
離島の苦労が伝わってきます。ここで現代アートを1枚。
引いて撮るとこんな感じ。どこの要塞だよ、と突っ込みたくなる護岸工事です。
いったいいくらかかっているのでしょう。どんなに修理しても、どんどん崩壊していくのです。
永久に終わることのない工事をやっているのですね。港の全景です。
まさに要塞。
なんかもう、圧倒されまくりです。気になったのが工事費。
村民が200名に満たないので、自治体の収入だけでは当然成り立ちません。
つまり、国や東京都からいっぱいもらってるわけです。次回に続きます。
東京の秘境「青ヶ島」探訪記 その2
2017-02-16山記前回に引き続き、青ヶ島。
ちなみにこの島、東京都青ヶ島村というひとつの自治体なのです。
人口168人。
日本で一番人口が少ない自治体です。住所を聞いて驚きます。
番地がないのです。
おとなりさんも、そのおとなりさんも。
すべての家が、東京都青ヶ島村無番地。
これで郵便物が届くところがすごい。
で、「青ヶ島」探訪記。いきなり山頂です。
青ヶ島最高峰、大凸部。山名、読めませんよね。
(おおとんぶ)です。標高は423mあるのですが、村の標高がすでに250mなので、あっという間に登れてしまいます。
ここからの眺めはさすがにいい!
二重カルデラの構造がよく分かりますね。ちょっと横に目をやると、
外輪山斜面に作られた道路が見えます。
もうね、そうとう強引に作ってますよ、これ。
島の生活の大変さがよく分かります。
しかも、港に行くには、これしか道がないのです。大凸部から下山。
今度は島の外周を周る都道236号線を歩いてみました。しばらく行くと、こんなことになっています。
道が崩壊してるよ。
工事はしているものの、復旧の目処は立っていないのだとか。
えっ、これ都道だよね。
それでいいのか。本来はこの道も港に続いていたのですが、使えなくなったため、さっきの強引な急坂の道だけになってしまったのです。
数ある離島の中でも、青ヶ島の自然環境は特に苛酷なようです。ぐるっと回って、今度は島の東側に移動。
眼下に見えてきたのは、大千代港。この港、今は使われていません。
使われていないというか、まともに稼動しなかった港なのです。というのもこんな理由。
港へ至る道が、崩落で完全になくなっています。
なんかね、この島。
道がなくなってるところばっかりですよ。
すごいな。一日、島巡りを堪能して宿に戻りました。
お楽しみの夕食です。
と、ずらりと並んでました。青ヶ島で作られる幻の酒・青酎(あおちゅう)。
これが全種類飲み比べできるのです。同じ青酎という銘柄でも、杜氏によってまったく違った味に仕上がっています。
ラベルが同じでも味が違うのです。で、どれだけ飲んでもいいという。
そりゃあね、飲みましたよ。
大量に。食後、やることもないので居酒屋へ行くことに。
青ヶ島には2軒の居酒屋があります。
食堂はないけど居酒屋はあるのです。
そういうものなのです。
同じ宿で、青ヶ島の公務員試験を受けに来ていた若者がいたので、その連中と一緒に飲みに行きました。
まずは「おじゃれ杉の沢」へ。
酔っ払った地元のおっちゃんたちとの交流は楽しいものです。ついでだから、はしご酒。
もう一件の「居酒屋もんじ」へ。
カウンター席に座っていろいろと話を聞いていると。
隣にだれか来ました。よく見ると。
あれ、さっきの店「おじゃれ杉の沢」の大将じゃないですか。
で、一緒に飲むことに。そろそろ店閉めますよー、という時間。
おじゃれ杉の沢の大将が、「おまえらちょっとこい!」とおっしゃる。どこへ連れて行かれるのかと思ったら。
おじゃれ杉の沢に逆戻りです。
「飲め!」と次から次と酒が出てきます。まあね、いろんな話を聞かせてもらいました。
青ヶ島の裏話を多数。
あ、ここではちょっと書けませんが。
百数十人しかいない島。
一番大変なのは、とかく人間関係なのですよ。
そりゃあ、そうでしょうねぇ。
よく分かります、分かります。今回はこの辺で。
おい、まだ二重カルデラにもたどり着いてないぞ。
長げーな、これ。
(続く)東京の秘境「青ヶ島」探訪記 その1
2017-02-03山記[caption id="attachment_12252" align="alignleft" width="369"]
引用元) http://emior.iord.u-tokai.ac.jp/misc_20091102.html[/caption]
ネットでよく見かけるこの写真。
なかなかにインパクトのある姿です。RPGで最後にたどり着く場所。
ラスボスが出てくる最終ステージ。
そんなイメージですよね。島の周囲が見事に崩れ落ちていて、まさに絶海の孤島。
端正な形状の二重カルデラ。
島自体が巨大な海底火山の山頂部なのです。で、どこにあるのかというと、実は東京都。
伊豆諸島の一番端っこです。
東京の秘境と呼ばれているのです。
で、11月某日に行ってみました。まず苦労するのがアクセス。
東京からの直行便はありません。
八丈島経由で渡るしかない。しかも、船の就航率は極端に低いときています。
海がちょっと荒れると、2週間ほど船便が出ない、なんてこともあるのだとか。じゃあどうするか。
ヘリを使うのです。毎日運行しているヘリ便があります。
東京愛らんどシャトル。
片道11,210円。
さらに、羽田-八丈島は、ANA特割でも片道12,470円。ってことは、往復47,360円。
海外行けるよ!ヘリの乗り心地は、なかなか快適でした。
ま、登山やってる人は、
ヘリに乗る=遭難したとき
ってイメージがあるので、あんまり乗りたくはないのですが。そして、念願の青ヶ島上陸。
宿のおかみさんが車で迎えに来てくれました。
ふと、気づく。
ここ、品川ナンバーなのですね。今回の宿は「あおがしま屋」。
1泊3食付で9500円。
なぜ3食付かというとですね。この島にはコンビニなんてものはありません。
食堂もありません。
宿で3食出してもらわないと、ご飯にありつけないのです。まずは、島内散策。
鳥居をくぐって階段を登ってみます。なんか、すげー急なんですけど。
苔むした玉石の階段。
むちゃくちゃ滑ります。
最後は四つんばいで登りました。登りきったところにある神社の脇を抜け、しばらく歩くと。
この絶景です。
なんでしょうね、この景色。
もう、現実とは思えないような空間。
ただひたすら、ぼーっと立ち尽くしていました。ちなみに、新東京百景と、日本の秘境100選に選ばれているらしい。
絶景を堪能した後、しばらく歩くと。
今度はこんな景色が。斜面が広範囲にわたって緑に塗られています。
いったい何のため?
グラススキーでもやるの?その答えは、少し下ったところで判明します。
[caption id="attachment_12259" align="alignleft" width="640"]
[/caption]
ここは取水場なのです。
緑色の斜面を使って雨水を集め、この浄水場へ流し込んでいるのです。
離島ならではの智恵。
にしても、やることが豪快だな。今度は、青ヶ島の北端に向かいます。
ジョウマンと呼ばれる場所。
一面の草原です。写真で見ると、なんか良さげでしょ。
海まで続く草原。
わーい!
って叫びながら突っ走りたくなりますよね。でもね。
ここの草。
背丈を超えてますからね。
突っ込んでいくと、とんでもないことになります。さて、いったん宿に戻りましょうか。
おっ、ネコがいる。
近づいてみると。フーッと威嚇しながら寄ってきました。
なんか反抗的だなぁ。っていうか、君たち。
目つき悪いぞ。今回はここまで。
えっ? 山記なのに、山に登ってないじゃないかって?
ま、それは次回ってことで。(続く)
魔子と出会った夏
2017-01-18山記山梨県の奥深く。
あまり人は入らないが、よく整備された登山道。
その先に彼女が待っているのです。はやる心を抑えながら、あえてゆっくりと登っていきます。
時間にして20分ほど。
息を切らさないよう、汗をかかないよう。山頂が近づきます。
その先に見えてきたのは。
そう、ついに彼女に出会ったのです。魔子、会いたかった!
白地に赤で書かれた、血文字のような山頂標。
「魔子」という名にぴったりじゃありませんか。魔子の名には、いったいどんな意味があるのか。
まあ、そんなことはどうでもいいのです。ついに出会えた。
魔子かわいいよ魔子。そして魔子には、重大な秘密が隠されていたのです。
魔子の人穴。
嘘か本当か。
その昔、武田信玄御一行様が、金の採掘を行っていたのだとか。確かに、手掘り感満載。
歴史ロマンに浸れます。充分に魔子を満喫したら下山です。
と、登山口にこんな看板を発見。えーと、なんですか。
「立派な標語でも守らなければ意味がない」確かに、そのとおりなのですが。
山の中でそんなこと言われても、どうしろと。なにかの暗喩?
それとも、大喜利のネタ?
うーん謎だ、分からない。魔子深すぎるよ魔子。
行けばわかるさ!
2016-12-15山記ガボッチョ。
その山の名前を見たとき、「行かねばならない」という思いがこみ上げてきたのです。
だいたい、山の名前が“ガボッチョ”っておかしいでしょ。
冗談でつけた名前?
の割にはちゃんと地図に載ってるし。
あ、googleにも登録されてるよ。ネットで検索しても、登山の履歴はほとんど見つかりません。
登山道すらないので、だれも行かないわけです。名前の由来は?
どんな意味があるの?こんなときは行動あるのみ。
そう、行けばわかるさ!8月某日。
夏休みを取得して行ってきました。
場所は霧が峰のすぐ近く。登山道が存在しないので、適当にあたりをつけて、藪の中に入っていきます。
最初は下り。藪の深さは肩ぐらい。
獣道が錯綜しているので、これをたどっていきます。気がつくと、道が途切れていたり、蛇行していたり。
人がつけた道じゃないので、まあしょうがない。
藪をかきわけ、一歩一歩前進していきます。と後ろから、何かがすごい勢いで近づいてきました。
巨大な物体。
いったい何が?藪の中から飛び出してきたのは、立派な角をもった鹿。
真横を、ジャンプしながら駆け抜けていきます。
振り上げた鹿の足が、鼻先をかすめました。間一髪。
あのサイズだと、追突されたら大怪我します。
もう心臓バクバクです。すげー、なんか探検っぽくなってきた。
テンションがあがります。そして前方には、“ガボッチョ”が姿を現します。
いかにも謎の山、という佇まい。さらに進んだところで、人工物を発見しました。
木で囲ってあるようですが。
こんな人が来ない場所で、何かを栽培しているわけじゃないだろうし。呪術的な何か?
そうだ、きっとそうに違いない。ガボッチョ=宗教、呪術
という構図が、頭の中に出来上がってきました。そして、ガボッチョへ登りにかかります。
これがすごい急な斜面。しかもアザミなどのトゲをもった植物が密生しているので、なかなか前に進みません。
全身、擦り傷だらけになります。
さすが謎の山“ガボッチョ”、一筋縄ではいきません。四つんばいで踏ん張りながら、登っていきます。
手をかけようとしたその先に。
うおーっ、トリカブトだ!猛毒のトリカブトが花をつけていました。
花粉が傷口に触れるだけで、かぶれます。困難に次ぐ困難。
この先、いったい何が待ち構えているのか?
斜面を登りきりました。
視界が開けます。
ついに山頂に到着したのです。と、目の前に現れたのは、謎のオブジェ。
これはいったい?これ、絶対に儀式を行うためのヤツでしょ。
何らかの宗教団体か、秘密結社がからんでいるに違いない。
とんでもない発見をしてしまったのではないか?
テンションはマックス状態です。これは念入りな調査が必要ですね。
見渡す限り、人の気配はありません。
謎の山、“ガボッチョ”の正体とは、はたして。突然、スマホが鳴ります。
もしや、「ふっ、ふっ、ふっ。ついに見つけてしまいましたね」
と、秘密結社がメッセージを伝えにきたのか?
勢いよく電話に出ました。「あのー、今日予定のバナー広告、まだアップされてないんですけど」
会社からでした。
結論。
行ってもわからなかった。【豆知識】“ガボッチョ”とは?
ガボッチョは株丁が語源になっているそうです。
丁は偶数のことだから、二つの山頂(頂=丁)を持つ山、と言うことを表しています。
江戸時代・寛政年間の文献には、すでに「かぶっちょ」という表記があるのだとか。
そんな昔から名前を持つ、由緒正しい山だったのですね。後日、親切な人が教えてくれました。
くまにさそわれて山に行く
2016-11-29山記山記1回目は、熊に会った話。
石川、岐阜にまたがる白山に登ったときのこと。行くは、北縦走路。
白川郷に向かって歩いていく、静かな登山道です。季節は9月末、秋真っ只中。
紅葉も進み、周囲には赤い木の実がなっています。かれこれ8時間は歩いたでしょうか。
まだ誰にも会いません。
静かな登山もいいものだ、とのんきに構えていると。ぬかるみに足跡を発見しました。
先行してる人がいるのかな。
と思いつつ、よく見ると。これ、人じゃないよね。
なんか、爪とかついてるんですけど。まだ新しいその足跡は、前足と後足がくっきりと見て取れます。
やばいなー、いるよ。
とはいっても、鈴も付けてるし、そうそう出くわすものでもないでしょう。気を取り直して、先へ。
紅葉と景色に見とれていると。
登山道のど真ん中にコレが。デカイ。
絶対にいるよ。
間違いないよ。
やばいよ。この先、道のそこかしこに、巨大な糞が転がっています。
そしてついに、出会ってしまいました。距離にして30メートルくらいでしょうか。
藪の中から姿を現したのです。こちらを、ちらと一瞥すると。
「あー、人がいるよ、面倒くせえなぁ」
とばかりに、のっそりと登山道を歩いています。出会ったのはこのあたり。
えっ、熊の写真はないのかって?
無理 無理 無理 無理 無理 無理。
出会った瞬間、全身固まって、写真どころじゃなかったんですって。もうね、会えば分かりますから。
ほんと、なんもできなかった。この後、熊さんは藪の中へと戻っていかれました。
恐る恐る通過します。
と、強烈な獣臭が立ち込めて。あー、これが野生の熊の匂いなのね。
この匂い、一生忘れないことでしょう。で、その30分後。
登山道の分岐点に差し掛かります。右側の道に行こうとしたところ。
茂みの向こうになにかいる。木の実を食べる音がします。
間違いありません。
すごい確率。1日に2度も会えるなんて。「あのー、そこ通してもらえませんか」
と呟いてみたものの。
熊さんが「はい、どうぞ」と応えてくれるわけもなく。ためしに、鈴を手にとって鳴らしてみました。
「ウーッ」とうなり声が返ってきます。
あ、返事してくれた。でも怒ってる?もう一度、鈴を。
今度は「ガウーッ」。
威嚇されました。
どうやら機嫌を損ねてしまった様子。
お食事を邪魔したのがいけなかったのでしょう。ここで三択。
1.右の道を進んで、熊とケンカする
2.引き返して、さっきの熊に再会する
3.左の道へ進むそりゃ3.しかないでしょ。
でもですね、左の道を進むと、もうひと山越えなくちゃいけないのですよ。結局、登りましたよ。
もうひと山。
足が悲鳴を上げています。ここから下山する道が、これまたとんでもなく長い。
山から下りたころには、あたりは真っ暗になっていました。川上弘美さんの『神様』のように、熊と心を通わせることはできないのでした。