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社員ブログ

  • 独りごち 其の17「不達の確率50%」

    2010-08-12

    基礎養成コースの受講者に課題を返送したところ、宛先不明で戻ってきてしまった。しかし、本人に電話で確認すると、住所は合っているとのこと。それで再び投函したところ、今度は無事に届いた。と、思ったら、第2回課題返送時にまた宛先不明で戻ってきてしまい、もう一度郵送するとちゃんと届いた。この家のある一帯は、日によって現れたり消えたりするのか。今もって謎である。(黒)

  • 【芸能】東宝の映画・演劇・ドラマで女優デビュー! 東宝シンデレラオーディション

    東宝シンデレラオーディション
    締切:9月6日
    賞:グランプリ<シンデレラ>1名=100万円
    資格:10歳~22歳の健康で明朗、個性豊かな魅力ある女性/東宝芸能と専属契約を結べる人
    ※未成年者は保護者の同意が必要

  • 【ネーミング・標語】江の島展望灯台愛称募集 ほか

  • 【クイズ】渋谷に史上最も難解な巨大挑戦状が出現!?「ホームズくん史上最強の難問」キャンペーン

    「ホームズくん史上最強の難問」キャンペーン
    締切:8月31日
    賞:東京都港区の高級賃貸物件に2年間タダで住める権利の贈呈

  • 小説抄 其の27「中野孝次『ハラスのいた日々』」

    2010-08-10

    原稿取りと撮影を兼ねて中野孝次さん宅を訪問し、カメラマンと二人、応接間で待っていると、作務衣姿の中野さんが現れた。瞬間、「武士だ」と思った。武士が大げさなら求道者でもいい。なぜそう思ったのかは分からないが、あるいは単純に作務衣姿に影響されたからかもしれない。ちなみに、このときは作務衣が何か知らず、武道の道着か何かだと思っていた。


    その後、挨拶と名刺交換をし、世間話などしはじめたが、最初に「武士だ」と思ってしまったせいか、緊張してうまくしゃべれない。しかも相手は『清貧の思想』の著者である。下卑たことを言ったら俗物だと思われそうで、私は目を泳がせておろおろ(情けない)。なのに、カメラマンという人種は無神経なのか、バシャバシャとストロボをたいて、中野さんが顔をしかめているのも気にせず撮りまくる。羨ましい性格だ。


    空気は相変わらずどんより重い。中野さんの表情も硬い。これじゃあいい絵は撮れないぞ、何か手はないかと思ったとき、庭先に犬小屋が見えた。そうだ、ハラスだ。中野さんが『ハラスのいた日々』の著者でもあったことを思い出し、「私も十三年間、犬を飼っていまして。秋田犬ですが」と言うと、あれほど厳しかった顔がいきなり好々爺のようになり、それから犬談義に花が咲いた。ハラス、ありがとう。写真でしか見たことのない柴犬に感謝した。が、それもつかのか、中野さんの笑顔を狙ってカメラマンが十数回目のストロボをたくと、その笑顔がきゅっと引き締まり、「何枚撮るんだ、もういいだろ」と一喝。ううっ、やっぱり本質は『清貧の思想』……。


    後日、通りすがりのデパートで作務衣を見かけた。虎の威を借るじゃないけど、着てみたくなり、一着購入して自宅で着てみた。が、なんか違う。やはり中身の人間が違うと、ああはならないものなのかなあと思ったとき、近くにいた家人が言った。「どうしたの? その甚平」。どうやら私が買ったのは作務衣ではなかったらしい。なんか違うと思ったよ。(黒)

  • キャッチコピー・標語に戦略を! 公募ガイド9月号 本日発売です

    盛夏、いかがおすごしでしょうか。
    公募ガイド9月号は本日発売です!
    公募ガイド9月号表紙
    ■特集 「キャッチコピー・標語に戦略を!」
    思わず読んでしまう、人を惹きつけるフレーズとは?
    公募主催者に聞く入賞のポイント、過去の受賞作品も紹介。
    ■連載
    〈My Story〉
    大高翔さん
    〈CREATORS〉
    「借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展」開催中
    種田陽平さん
    ■特別企画
    PILOT/公募ガイド共催
    パイロットアートシリーズ「おえかきコンテスト」
    テーマは「スマイル」。パイロットコーポレーションの画材を使ってイラストを描こう!
    本誌では、審査員の坂崎千春さんが対象画材を使って仕上げた作品を紹介しています。
    (市)

  • 独りごち 其の16「祖父のひとこと」

    2010-08-05

    以前、選挙に立候補した野坂昭如氏をテレビで見て、半分ボケた祖父がしきりに「野坂参三か」と言うので、「あれは野坂昭如、直木賞作家。野坂参三なんてとっくの昔に引退しているよ」と指摘すると、「うるさい、俺は野坂参三でいいんだ」と言ったので笑ってしまった。「俺は野坂参三でいいんだ」って、何それ? 事実誤認だよ、と思ったが、これが老いというものなのかもしれない。(黒)

  • 【ネーミング・標語】東京湾臨海大橋(仮称)の名称募集 ほか

    2010-08-03
  • 【文芸】フィッシャープライス「20年後のあなたへ。ママ(パパ)からの手紙キャンペーン」

    2010-08-03
  • TK-プレス 其の27「事実の重み」

    2010-08-03

    半村良は若い頃、無数の仕事を経験したそうで、それが小説を書くうえで非常に役に立ったと言っているが、だからと言って、体験しなければ書けないわけではないし、何か特異な体験をしたからと言って書けるわけでもない。もしもそうなら、作家修業などせずに、秋葉原あたりで無差別殺人をしたほうがいいということになるだろうが、実際はそうではない。


    それにも関わらず体験至上主義のようなことになってしまうのは、明治から大正にかけて告白体や私小説が流行したことに原因があるのかもしれない。なるほど、実体験を書けばディティールも重ねやすいだろうし、本人も実感があるから書きやすいということはあるだろう。しかし、それだけでは単なる手記であり、小説とは言えない。


    それに人が経験できることには限りがあるから、体験至上主義ではそのうちネタ切れとなり、藤村のように書くために姪を犯してまで事実を作ることに汲々としなくてはならなくなる。ならば、他人の体験を借りればいいか。遠藤周作は、米軍捕虜八名が医療機関で生体実験にされたという事実を基に『海と毒薬』を書いた。でも、生体実験という事件を調べたら、誰でも『海と毒薬』が書けるというわけではない。『海と毒薬』にはテーマを浮き彫りにするために作為的に書かなかった部分もあり、それを書くか書かないかに力の差が出ると言うべきだろう。つまり、何を体験するかではなく、体験を通じてそこに何を見るかということになる。


    河野多惠子の「雪」という作品は、発狂した妻が発作的に長女を庭の雪の中に埋めてしまうという衝撃的な内容だが、芥川賞の候補にはなったものの落選し、選評も散々だった。これについて河野は著書『小説の秘密をめぐる十二章』の中で、「(人から話を聞いて)書きたいものに飛びつき、書きたいことなしに小説を作れば、つまりはそのような代物にしかならない」と書いている。ただ、書きたいことは誰にも教われないし、教えることもできない。(黒)