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社員ブログ

  • 独りごち 其の45「チェーン受講」

    2011-02-24

    基礎養成6回コースの6回目の課題を提出すると同時に、別の講座をお申し込みいただくことがあって、ある方は、「はじめての小説講座」→「小説のツボ、教えます」→「エンターテインメント小説講座」と受講し、やはりまずは文章からだと思ったのか、「文章表現力講座」→「実践文章講座」まで遡り、今は「ストーリーメーカー養成講座」を受講中! スタンプラリーじゃないけど、全講座を制覇されたら、ぜひとも金一封を差し上げたい! いや、その前に何かの賞を受賞するかな。(黒)

  • 【ノンセクション】からあげクン25周年プロジェクト 新フレーバー投票

  • 小説抄 其の41「宮本輝『星々の悲しみ』」

    2011-02-22

    あるとき、元メジャーリーガーの新庄剛選手がテレビに出てきて、「(プロの投手の)あんな速い球、なんで打てるのか分からない。でも、打てちゃうんです」と言っていたことがある。山ほどある野球の技術解説の本を読むと、実際には打てなくても打てるような気になるものだが、「勘です」と言われると、打ちたければ黙って練習しろってことかと思って途方に暮れるしかない。


    宮本輝の『星々の悲しみ』の冒頭には、「その年、ぼくは百六十二篇の小説を読んだ」とある。「ぼく」は予備校生だが、図書館に寄ったとき、突然気持ちが萎え、受験勉強などどうでもよくなって、「きょう一日だけ、好きな本を読もう。勉強はあしたからだ」と思う。ところが、「にわかにロシアの長い長い小説を、最初から最後まで一字もとばさずに読了してみたくなって」しまい、その後、一重の切れ長の目をした女子大生らしき娘に向かって三百冊ぐらいはありそうなフランス文学とロシア文学の棚を指差し、「ことし中に、そこにある本を全部読むんですから」と言う。


    このあと、物語は「星々の悲しみ」という絵を盗むという展開になるのだが、ここで問題となるのは冒頭部分に出てきた一重の切れ長の目をした女子大生らしき娘が最後まで出てこないこと。これは普通はありえない。迂闊にやれば「破綻している」と言われかねない作りだが、「これまで読みふけった百数十篇の小説が、語ろうとしてついに語れなかったところのものを、ぼくはあの瞬間に、かすかに垣間見たはずではなかったか」という最後の一文を読んだ瞬間、なぜかすとんと収まってしまう。


    それがなぜかは分からないが、一見とりとめもなく出来事が並べられているように見えながら、全体としては完璧に結構ができていることは分かる。そういうのを世間では神業と言わなかったか。どんでん返しの連続のような小説なら誰でも真似ができる気がするが、こういうのは真似できない。頭でできることではない。それはハイパーリアリズムの絵なら頑張れば描ける気がするが、シュールレアリスムでは真似したところでもどきにしかならないと観念するのに似ている。(黒)

  • 【ネーミング】八景島シーパラダイス ジンベエザメの愛称募集

  • 【ノンセクション】笑い飯と「笑い飯弁当」をつくる&おかずアイデア募集

  • 独りごち 其の44「編集者冥利に尽きる」

    2011-02-17

    作家のインタビューに同行した際は、最初に本誌の説明をするのだが、「公募ガイドはご存じですか」と聞いて、かつて読者だった率は100%に近い。その生の声を記せば、「ご存じですか」「そりゃあもう!」、「ご存じですか」「その節はお世話になりました」、「ご存じですか」「今も定期購読しています。公募ガイドに出るのが夢だったんですよお」。なんだかもう泣きそうです。昔は「どこで売ってるの?」とよく聞かれたんですがね。(黒)

  • TK-プレス 其の41「ウィスキーぼんぼん」

    2011-02-15

    中1の頃、親友の岡崎君が何かを読んでいた。「それなに?」と聞くと、「小説」とそっけなく言った。私は息を飲んだ。小説というのは大人が読むもので、子どもには到底嗜めないものだと思っていたから。なのに岡崎君は平気な顔をして読んでいる。それはたとえて言えば、中学生がズボンのポケットからトリスの小瓶を取り出し、ラッパ飲みするのを目撃したようなものだった。


    岡崎君は「貸そうか」とも言った。「難しいんでしょ?」徳富蘆花だとか徳田秋声だとか四字熟語としか思えない作家を連想し、早くも腰がひける私。しかし、岡崎君は「全然」と言って笑った。それは「コーラで割ってあるから平気だよ」と言われたようなものだった。誘われるまま一口舐めてみる。「いける!」そう思うと同時に、俺はもう子どもじゃないぞ的な感慨が押し寄せてきた。


    勧められた本は柳川創造の『いざ、カマクラの五人組』という作品だった。レーベルは秋元文庫、つまり、昭和40~50年代に流行ったジュニア小説だ。私はこの一冊で小説に嵌まり、その後、赤松光夫や富島健夫などを次々と読破していった。当時は、こんなおもしろい話を書くのだから、この人たちはソーセキやオーガイに匹敵する作家だと思っていたが、後年、書店の官能小説の棚で赤松、富島両氏の名を見たときは、勝手な思い込みながら、なんだか裏切られた思いだった。


    柳川氏については、その後、文学の世界でその名を聞くことはなかった。気になって調べてみると、もとは脚本家であることが分かった。当時のジュニア小説は書き手不足だったから、筒井康隆、眉村卓といった大人の小説の作家だけでなく、脚本家にも声がかかってアルバイト感覚で書いていたのだろう。そう言えば、富島健夫ももとは芥川賞候補になったことのある純文学作家だ。


    それを大人の文学の代用品と言っては叱られるが、今思えば、私たち子どもが、本物だと思って大人を気取って飲んでいたのはウィスキーではなく、ウィスキーぼんぼんだったようだ。ただ、少ないながら、中にはジョニーウォーカーやオールドパーが入ったものも確かにあった。(黒)

  • 【アート】花輪線全線開通80周年記念 花輪線イメージキャラクター募集

  • 【アート】御堂筋オープンフェスタ2011 ポスタービジュアル募集 ほか

  • 【学生向け】国際子供芸術財団(ICAF)デジタル・絵画コンクール 日本代表募集

    2011-02-10