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アマプラって青空文庫的に過去の名作がいっぱい見られる

あけましておめでとうございます。法人ソリューション部のムネです。

ババさんが400円を出し惜しんでいるので、Amazon Primeにさえ入っていれば追加課金なしで見られる旧作映画を紹介したいと思います。
https://koubo.co.jp/blog/emp/4786
(実はアマプラって青空文庫的に過去の名作がいっぱい見られるんですよ……!)

今日紹介したいのは、『暗黒街の弾痕』(1937年)という映画。
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0D6H4KW26/ref=atv_dp_share_cu_r
フリッツ・ラングという超レジェンド映画監督がアメリカで撮った作品です(ちなみにこの監督はオーストリア・ドイツ系のユダヤ人で、ナチス政権から逃れてアメリカに渡ると、ヒトラーも存命でめちゃくちゃ幅を利かせていた時代に、あからさまに反ナチスの映画を作ったりするだいぶパワフルな人です)。

あらすじとしては、「無実の罪を着せられ死刑が確定した前科持ちの男が、死刑執行の直前に脱獄を試みるが……」といったところ。前科者であるがゆえに、正直に生きようと思っても誰も信頼してくれない現実の無常さが描かれます。

ともかく、この映画がすごいのは、ほとんど完璧なまでに計算・設計された緊張感。物語の中盤、脱獄をはかった主人公が、信頼する神父に銃を向けるシーンがその極地です(以下ネタバレ含む)。

 

人質を盾に脱走を試みる男に、神父はこう告げます。
「お前は自由なんだよ」
それは常に待ち望んでいた知らせ。しかしいくら無実を訴えても報われず、無情にも死刑を命じられた男にとって、その言葉はどこか嘘くさく、自分をだまそうとするものにも聞こえてしまう……。そして男は誰よりも信頼していた神父に銃口を向ける……。

信じたいけど信じられない。撃ちたくないけど撃たなければならない。
その葛藤が俳優の顔やらセットの空気やらからビシバシと伝わってきて、思わず息を止めてしまう。

古い映画になじんでいない方でも絶対に楽しめる傑作なので、ぜひご覧ください。まあ昔のハリウッド映画は、「緊張感をいかに効率よく伝えるのか」を至上命題に作られた作品ばかりなので、今みてもかなり勉強になるし面白いと思います。