

社員ブログ
言葉処 其の32「母の中に海がある」
2008-04-08三好達治の『郷愁』という詩の中に、〈海よ、僕らの使ふ文字では、お前の中に母がゐる。そして母よ、仏蘭西人の言葉では、あなたの中に海がある。〉とある。〈「海」には「母」がいる〉のほうはおいておくとして、アルファベットやかなのように単語を組み合わせる言葉の場合、〈母(Mere)の中に海(Mer)がある〉のように、言葉の中に別の言葉を見出してしまうことがよくある。
東南アジアにスナドリネコという泳ぎが得意な猫がいるが、「砂取る」とはどんな生態かと思った。しかし「すなどる」は「砂取る」ではなく、漢字で書けば「漁る」、つまり魚を獲るという意味だった。「未だに」「繙く」「偏る」「象る」「弄ぶ」「蠢く」も、言葉の意味に合う漢字を勝手に当てて、「今だに」「紐解く」「片寄る」「型取る」「もて遊ぶ」「動めく」と書きたくなってしまう。
「嘯く」になると「嘘吹く」で正解のようにも思える。ただ、「嘘」の語源は「うそぶく」から来ているという説もあるが、そうではないという説もあり、また、「嘘=偽る」と「嘯く=とぼける、ほらを吹く」も意味が異なるから、「嘯」の字は当てても「嘘吹く」は正解としないとされたのだと思う。「坂上る」(遡る)、「色採る」(彩る)、「うず高い」(堆い)も同じく誤用とされている。
「さまよう」は「血迷う」と似ているからか「さ迷う」と書きたくなるが、「さ」は「小さい」を意味する接頭辞だから、それでは「少し迷う」という意味になってしまう。漢字を当てるなら「彷徨う」「彷う」「徨う」だが、それをやっていると異字同訓が“帯正しい数になるから口差がない人に鎌びすしく靴返されて賽なむ前に異深しい言葉にたず触ることは尻ぞ蹴る”ほうがよい。(黒)
【ネーミング・標語】くまもと「あか牛」愛称&キャッチフレーズ募集 ほか
2008-04-07公募・懸賞情報●くまもと「あか牛」愛称&キャッチフレーズ募集
締切:4月20日
●堺浜新産業創出エリアの新しい町名募集
締切:4月22日
●京都府男女共同参画センターの愛称を募集
締切:4月25日
●「(仮称)阿寒湖温泉多目的施設」名称募集
締切:4月30日【ノンセクション】プルーン&バナナでレシピアイディア募集 ほか
2008-04-07公募・懸賞情報●カリフォルニアプルーン協会 プルーン&バナナでレシピアイディア募集
締切:4月30日
●東京消防庁「サバイバルレシピ」募集
締切:4月30日 資格:東京都内在住、在勤、在学者
内容:ライフラインの麻痺した環境でも、簡単で衛生的に作れるアイデアレシピを募集【文芸】「旅と平和」エッセイ大賞
2008-04-07公募・懸賞情報●第2回 ピースボート「旅と平和」エッセイ大賞
締切:5月10日 資格:2008年8月28日現在30歳未満の人植松三十里先生の新刊が出ました!
2008-04-03旧スタッフブログ公募ガイド社の通信教育「作品添削 歴史・時代小説講評」の講師
植松三十里先生の新刊が出ました。

『お龍』 (新人物往来社刊)
定価 1,995円(税込)
坂本龍馬の妻 お龍(りょう)。
龍馬との出会い、死別、流転の晩年まで、幕末維新の
動乱の時代を生きた、お龍の愛と運命を描いた長篇力作です!
【アート】木祖村イメージキャラクター募集 ほか
2008-04-03公募・懸賞情報●木祖村イメージキャラクター募集
締切:5月9日
●ペーターズギャラリーコンペ2008
締切:6月11日 内容:人物を多く描いたイラストレーター・ペーター佐藤にちなんで、人物を題材にしたイラストレーションを募集【音楽・芸能】湘南ひらつか織り姫コンテスト ほか
2008-04-03公募・懸賞情報●湘南ひらつか織り姫コンテスト
締切:4月21日 資格:神奈川県内に在学・在住・在勤の年齢18歳以上の女性
●SUPER DRY B-JAM 第一部出演アーティスト募集
締切:4月26日 資格:メンバーが20歳以上35歳未満の音楽アーティスト【フォト】防府市大平山ロープウエイコンテスト ほか
2008-04-03公募・懸賞情報●開業50周年大平山ロープウエイ フォトコンテスト
締切:2009年1月30日 内容:防府市にある大平山ロープウェイに関連したもの(景色、物、建物等)
●川のフォトコンテスト
締切:6月16日 テーマ:みんな集まれ、東京の川 ※都内の川の写真を募集
●「あつまれ!!キャメラメ~ン」オープン CDジャケット写真募集
締切:4月8日 テーマ:野菜/音楽/ママ/こども ※要登録東京国際アニメフェア2008が行われました
2008-04-02ニュース・結果発表3月27日~30日まで、東京ビッグサイトにおいて「東京国際アニメフェア2008」が行われました。4日間で12万人以上が来場した大きなアニメーションのイベントです。
さて、我々は28日の「ビジネスデー」に行ってきました。
ビジネスデーは、PRや商談が中心となるのですが、さすが日本が誇る文化「アニメーション」の世界。おなじみの人気キャラクターや新進気鋭のクリエイターの作品など、どのブースもとっても楽しい雰囲気で、思わず「ビジネス」を忘れるくらいの賑わいでした。

東京アニメアワード2008の表彰式もイベント内で行われました。
公募ガイド誌上でもおなじみだった故木暮正夫先生の原作「河童のクゥと夏休み」も劇場映画部門・優秀作品賞を受賞しています!
このキャラクター7代目「TAFちゃん」も公募で決まりました。
来年の日程(2009年3月18日~21日)も早くも決定したそうなので、興味のある方はぜひ!
(熊)言葉処 其の31「様々なる意匠」
2008-04-01準優勝という言葉が頭にあったせいか、純喫茶と言われて、喫茶店に準じた居酒屋のようなものかと思っていたときがあった。似たような言葉に純文学があるが、こちらのほうは性描写などがない純な文学だと勘違いしていた。ところが、高校時代、デビューまもない村上龍は『限りなく透明に近いブルー』を読み、純文学とは商業性より芸術性に重きを置いた小説だと知るに至った。
純文学の対義語は大衆小説だが、今はエンターテインメントと言う。昭和36年に伊藤整は「『純』文学は存在し得るか」という評論を書いているが、ということは、この時代はまだ「存在し得た」ということだろう。その後、純文学と大衆小説のハイブリッドである中間小説の誕生をみるが、今この言葉はほとんど使われなくなっている。小説そのものが中間小説化したからではないか。
私見だが、純文学と大衆小説という二元論の時代は終わり、今はテーマという横軸にウェイトを置いた中間小説を純文学と呼び、ストーリーという縦軸を優先する中間小説をエンターテインメントと言うのではないかと思う。これら中間小説を「文学」というカテゴリーでくくり、そこからはみでたポルノ小説、ケータイ小説などの通俗小説との二項対立が現代文学の構図だと思うが如何。
平野謙は、横光利一、川端康成などの新感覚派、プロレタリア文学、自然主義などの既成文壇を三派鼎立と看破した。鼎立とは三つ巴ということだが、これに対して小林秀雄は「様々なる意匠に過ぎない」と一刀両断にしている。小林が生きていたら、ライトノベル、ジュニア小説、ジュブナイル、ヤングアダルトについても、「様々なる意匠」と言って切って捨てるのではないか。(黒)

