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  • 【文芸】お茶の間エッセー募集

    ●お茶の間エッセー募集
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  • 【ノンセクション】「北海道のおいしい食材」アスパラガスレシピ募集 ほか

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    締切:5月31日 ※アートラインかしわ2010期間中(10/16~11/14)に事業を展開するアーティストを募集

  • TK-プレス 其の19「詩で食っていけない理由」

    2010-04-13

    榊原淳子と聞いて、榊原郁恵と桜田淳子を足して二で割ったようなアイドルでもデビューしたのかと思ったが、それは新鋭の詩人だった。友人曰く、『世紀末オーガズム』という詩集の中の「手を清潔にしたい そして髪をかきあげたい」という詩は、肩を抱いて慰めたくなるぐらい切ないと言う。1983年秋のことだった。以下、さわりを引用する(……の部分は中略の意)。


    「手を洗っています/もう二十回も洗いました/今二十一回めです……蛇口の飛沫が/また、ついてしまいました/もう一度やりなおしです……私は、髪をかきあげたい……でもバイキンが残っているかもしれません……涙が出てきます/どうして私は泣いているのでしょう……手を/清潔にしなければなりません/蛇口に水をかけます 速く/もっと速く/体が硬直します 速く/速く ハヤク/蛇口に水をかけます」


    このときは、「もう手は十分にきれいですから。それにちょっとぐらいバイキンが着いていたって死にはしませんから。誰か教えてやれよ!」などと情緒もへったくれもないことを思っていたが、しばらくたって『サイコ・ドクター』という漫画を読んでいたら、これと同じ場面が出てきて、強迫神経症のひとつだと知った。ふむ、そうだったのか。


    作者の榊原さんは、70年代末、「ユリイカ」という雑誌の投稿詩欄「解放区」の常連だったそうだ。詩誌への投稿がデビューへの道だったわけだ。もうひとつ、「現代詩手帖」という雑誌があり、こちらも詩人の登龍門的詩誌だった。この手の雑誌がけっこう売れていたということ自体、ある種、奇跡的な現象だったかもしれない。


    ただ、現代詩ブームの頃でさえ詩で食えたかどうか。小説の場合、感銘を受けると同じ作家の別の作品を読みたくなるが、詩の場合は同じ作品だけを何十年も味わっていたいと思う。その作品は読むたびに深みを増し、また違った見え方をしてくるから、いつまでたっても飽きない。それでは詩人は食っていけないだろうなとは思うが、もっとも詩人のほうはそもそもそれを職業とは思ってはいないだろう。(黒)

  • 【ノンセクション】世界卓球CMアワード2010

  • 【ネーミング】JA夕張 夕張メロン50周年キャラクター名前募集

  • 公募ガイド5月号、本日発売!

    2010-04-09

    公募ガイド5月号、本日発売です。
    公募ガイド5月号

    今月号の特集は
    「ヒラメキで入賞を狙おう!アイデアで勝負する」
    です!


    ■文学賞特集 ヒラメキで入賞を狙おう!
    「アイデアで勝負する」
    むずかしいと思っている人も多いアイデア公募。でも身近な商品や生活に関わるテーマについてアイデアを募るものも結構ある。今回はヒラメキや感性で勝負できるアイデア公募を取り上げます。

    ■連載
    〈My Story〉「ダーリンは外国人」まもなく公開!
    小栗佐多里さん

    〈今月の一冊〉「コロヨシ!」
    三崎亜紀さん

    〈CREATORS〉
    DONAさん

    新連載
    大石賢一のマンガに学ぶキャラクター講座

    ■好評連載中
    五月女ケイ子のWARAKOTO笑言
    みんなのマーク展
    tupera tuperaのカードデザインコンテスト
    タイアップコンテスト

    などなど、今月号ももりだくさんの内容です。
    ぜひ店頭などでお手にとってごらんください!

  • 【アート】ローソンクルー「あきこちゃん」イラスト募集ほか

  • 小説抄 其の18「石田衣良『4TEEN』」

    2010-04-06

    最近は「朝の読書運動」とかいう時間があるそうで、当時中1だった息子が私の本棚を見て、「なんか読む本、ない?」と訊いてきた。中学生が何を好むかは見当もつかなかったが、適当にみつくろって差し出す。武者小路実篤『友情』、伊藤左千夫『野菊の墓』、ツルゲーネフ『初恋』、宮澤賢治『銀河鉄道の夜』。興味を持つに違いないと自信たっぷりだったのだが、あにはからんや微妙な顔。おまけに親を全面否定するかのようなひとこと。「なんか古いんだけど」


    結局、親は頼りにならんと思ったのか、息子は一人で勝手に本棚を物色し、いったんは陳舜臣の『三国志』と司馬遼太郎の『国盗り物語』を手にとったが、それはテレビゲームの「三国無双」と「戦国無双」の影響に過ぎなかったようで、「挿絵とかないんだ」と文句を言う。小中学生向けのジュニア新書じゃねえっつーの。


    しかし、考えてみると、私も中1の頃は小説にはさして興味はなく、読んだ小説と言えば秋元文庫か、せいぜい星新一ぐらいだった。当然、大人が薦める課題図書などは「くそおもしろくもねえ。『愛と誠』(劇画)のほうがいい」と思っていたし、戸川幸夫の「王者シリーズ」を読んだときは、小学生向けの「ルパン」や「ホームズ」と違い、挿絵がないと気が休まるときがないなあなんて思ったものだった。中学生が読んでおもしろい本ではなく、読むべき本という発想で選んだら、そりゃあ課題図書然とするわな。


    さて、数日後、本棚を整理していたら妙な隙間ができていた。見ると石田衣良の『4TEEN』がなかった。主人公は中学生だし、収録された全作品が感動できるのでナイスなチョイスだとは思ったが、冒頭の短編は病気の友だちのために渋谷で女を買う話、別の短編には出会い系サイトも出てくる。学校でそんなの読んでいいのかなと思ったが……ああ、また大人の発想が出てしまった。自分だって、教室で秋元文庫の『恋は緑の風の中』を借りて読んだくせにね。それにしても、あれは相当にエロかったなあ。(黒)