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社員ブログ

  • 【アート】全国有床診療所連絡協議会ロゴマーク募集

  • 【結果発表】第3回さくらんぼ文学新人賞

    第3回さくらんぼ文学新人賞 発表
    ■大賞 『記憶』 中村玲子
    ※選考委員:唯川恵 北上次郎
    ※応募総数:401編

  • TK-プレス 其の48「素材は同じなのに」

    2011-05-24

    「ビートルズの有名な曲は名曲、それ以外は隠れた名曲」と思っているのだが、それほどのフリークであっても気に入らない曲のひとつやふたつはある。たとえば「Honey Don't」。いろんな歌手がカバーしている名曲らしいが、どうも好きになれなかった。ところが、『THE BEATLES LIVE at the BBC』という未公開音源によるアルバムに収録された「Honey Don't」を聞いて、こんなにいい曲だった? 信じられん、と思ってしまった。曲調も歌詞も同じなのに、まったく別物だ。


    「Honey Don't」は、『Beatles For Sale』の中ではリンゴ・スターが歌っていた。1アルバムに1曲はリンゴがボーカルをするという契約があったためだが、本来はジョンの持ち歌だったらしい。だからライブ音源ではジョンが歌っているのだが、その声がなんとも耳に気持ちいい。さすがは1/fのゆらぎだ。特に終盤、ちょっと早口で「aha,Honey been steping around,aha」と言うあたりは耳だけでなく唇にも気持ちよくて、「きもてぃ~」(T・岡田)って叫びたいくらいだ。


    ところで、五木寛之はこんなエッセイを書いている。深夜、原稿を書いていて、ふと窓の外のデジタル時計を見ると「1:11」。次に見ると「2:22」。しばらくしてまた見ると「3:33」。こんな時間に働いているのはおまえと俺くらいだから気が合うのかと思いながら、もしやと思って見ると「4:44」、まさかもうないだろうと見ると「5:55」だったそうだ。翌朝、氏が編集者に昨夜の出来事を話すと、編集者は「よかったですね、『6:66』を見ていたらやばかったですよ」と。


    こうした体験は誰にでもあるようで、同じ話を書いている作家もいるが、その趣旨はいろいろ。人によってはまったく違うものになっている。その意味では文豪が扱った題材をカバー(リメイク)してもなんら問題ないわけだが、それ以上の出来にするとなると超難関。太宰は『御伽草子』の中で因幡の白兎は「十六歳の処女だ」と書いているけど、下手をすると1/fのゆらぎじゃなくて、1/fのパクリになってしまう。天才の業は憧れるものであって真似するものではないのかも。(黒)

  • 【結果発表】第18回日本ホラー小説大賞

    第18回日本ホラー小説大賞 発表
    ■大賞 該当作ナシ
    ■長編賞 『なまづま』 堀井拓馬
    ■短編賞 『穴らしきものに入る』 国広正人
    ※選考委員:荒俣宏 貴志祐介 高橋克彦 林真理子

  • 【学生向け】アプリ甲子園2011

    アプリ甲子園2011
    締切:8月26日
    ■応募資格: 日本在住の中学・高校・高専・専門学校生

  • 【ネーミング】ホタルのマスコットキャラクター愛称募集

  • 公募新人賞出身!

    2011-05-19

    第24回三島由紀夫賞と、山本周五郎賞がが決まりましたね

    これらの賞は一般公募の賞ではありませんが、
    今回はどちらも公募の文学賞出身の作家さんが受賞されました。

    今村夏子さんの『こちらあみ子』は、第26回太宰治賞を受賞した作品。
    窪美澄さんの『ふがいない僕は空を見た』は、第8回女による女のためのR‐18文学賞の受賞作品です。

    おめでとうございます

    (市)

  • 【結果発表】第57回江戸川乱歩賞

    第57回江戸川乱歩賞 発表
    ■受賞作
    『よろずのことに気をつけよ』 川瀬七緒
    『クライミング ハイ』 玖村まゆみ
    ※選考委員:内田康夫 京極夏彦 桐野夏生 今野敏 東野圭吾

  • 【フォト】帝国ホテル大阪 開業15周年記念 第12回天神祭写真コンテスト

  • 小説抄 其の47「山口昌男『文化と両義性』」

    2011-05-17

    今日(5.14)は土曜日だが、平日に時間がとれなかったので自宅でこの原稿を書いている。しかも、明日中に読まなければならない小説が1冊あって、やれやれだ。ところで、少し前に石崎洋司先生と話していて「小説ってなんすか」と聞いてしまい、そんな漠然とした質問、答えられるか! と自分に突っ込んでしまったが、先生は「読者をどこかに連れていくもの」と即答された。なるほど、小説の中の空間はひとつの異空間であって、私たちはひとときその世界にトリップする。納得。


    人間の子は無能無力の状態で生まれてくるが、実は大人も同じ。文化的装置がなければ生きられない。生きられないから社会という巨大な保育器を作ったわけだが、外敵に襲われるでもなく、食料もあるのに、いやそれゆえに、安定した空間にいると鬱屈するらしく、私たちはときどき日常を離れ、自然の中で暮らしたいなんて思うが、そもそも自然の中では生きられないから社会という孤島を作ったのだから、自然の中に居続けることはできない。少なくとも文化的装置なしでは。


    でも、日常を脱出することによって心を浄化させたいから、誰だって山に行きたい、海に行きたい、旅行に行きたいと思ってしまう。そうした生産と消費の循環は、昔は年に数回の祝祭でバランスがとれたが、生産過剰な現代はそれでは追いつかない。かといって年中、海だ山だ海外だと行っているわけにはいかないから、映画を観たり、小説を読んだりして、心だけ非日常に行ってまた戻ってくる。物語構造が基本的には行きて帰りし物語になっているのはそういうことだろう。


    山口昌男はそうした内と外、日常と非日常、生と死、彼岸と此岸などの境界を「周縁」と言った。これは氏の造語だったはずだが、今ワープロで出てきた。ま、いっか。要するに小説を読むということは周縁に行くということだな。つまり、仕事(日常)で疲れたら小説(非日常)を読めばいいということになるが、でも、目の前にあるこの1冊は仕事なんですけどぉ~。だから、生産と消費のバランスが崩れた私は、仕事を放り出して飲みに行こうとしていたりする。ま、いっか。(黒)