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すべてが変わり、そして何も変わらない
何年か振りに劇団四季のライオンキングを観てきました。
今年の夏くらいに「公演回数が1万回を突破」というニュースを聞き、
久し振りに行ってみようかと、その時に予約をしていたのです。で、感じたこと。
ちょっとずつ演出が変わってきている?
何回目かの観劇ではあるのですが、いかんせん数年間隔なので記憶が曖昧、
確かなことは言えませんが、そんな気が。でも、多分そうなのでしょう。
永く続いているブランドは、変わり続けているからこそ、今がある。エルメスのコア・アイデンティティは、「すべてが変わり、そして何も変わらない」
室町創業、とらやの家訓は、「伝統は革新の連続」公募ガイドに限らず、出版業界が右肩下がりなのは、
そのあたりに原因があるのでしょうね。時間とお金は、あればあるだけ使ってしまう
明日から水曜日まで、5連休のシルバーウィークですね。
社内には、今日お休みして、6連休にしているメンバーもちらほら。ですが、雑誌の編集業務に関して言えば、
月末の校了に向けて仕事が詰まってくるので、
月後半の営業日が少なくなると、こなすのが苦しくなります。納期と仕事量については、
「パーキンソンの法則」という面白い考え方があります。1)仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
2)支出は収入の額と一致するまで増大するつまり、「時間とお金は、あればあるだけ使ってしまう」ということです。
逆に言えば、無ければ無いなりに何とかなる。
短納期で量をこなすというのは、いい訓練と考えたいです。マイナンバー制度
来年1月から、マイナンバー制度の運用がスタートします。
会社としても何らか対応が必要と思うのですが、
今のところ、ほぼ手つかずの状態です。影響ありそうなポイントとしては、
対クリエイター:報酬等の支払調書作成
対従業員:給与所得の源泉徴収票作成、健康保険、厚生年金保険、雇用保険の資格取得届作成といったあたりでしょうか。
まずは勉強するところからスタートです。赤字事業でも継続した方が良い時がある
2015-08-11会社を経営していると、
その事業から撤退すべきか、否かという判断を迫られる時があります。例えば、以下のような損益状況の事業があったとします。
①売上高:1,000万円
②変動費:600万円
③直接固定費:300万円(うち減価償却費200万円)
④間接固定費:300万円(共通経費の配賦)
⑤事業利益:▲200万円(①-②-③-④)事業のライフステージは考えないとして、
事業利益ベースで▲200万円の赤字となっているこの事業からは撤退すべきでしょうか?答えは、「撤退すべきではない」です。
ここで出てくるのが、「貢献利益」という考え方です。
「売上高-変動費-直接固定費」で定義され、
この事業の場合、
貢献利益=①1,000-②600-③300=+100
と計算されます。もしこの事業をやめたとしても、共通経費の300万円は残るので、
残された他の事業で負担する必要がありますが、
この事業の貢献利益が100万円あるおかげで、
他の事業の負担分は200万円で済みます。
またキャッシュフローで見ても、+300万円だったりするので、
資金繰り的にも継続した方がベターです。貢献利益は、固定費の回収に「貢献」するのでそう呼ばれたりしますが、
「管理会計」の基礎的な知識のひとつです。
会計の知識はあるに越したことはないです。失敗する機会が減っている
会社の成長は、
トライ&エラーの繰り返しでしか実現できないと考えているので、
「いろいろと新しいことをやって、早めに失敗する」というのが、
今のところのスタイルです。これもインターネットの進展で、
失敗コストが小さくなっていることが大きいです。一方、個人レベルで考えた場合、
何かを買うとき、何かを選ぶとき、
ネットでちゃちゃっと検索すれば、
すぐに参考になる情報を見つけることができるので、
失敗する機会は随分と減ってきている気もします。迷わず最短距離で辿り着けるのはありがたいですが、
いつもそうだとちょっと味気ないような。
個人レベルでも、
情報収集とリアルなトライ&エラーのバランスをとっていきたいですね。自分はラガード?
2015-07-29
Windows 10のリリースが始まりました。
でもって、もうインストールできる状態にはあります。
マーケティング理論では、
新しい商品に対する購入の早い順から、消費者を分類する考え方があります。
-----1)イノベーター(Innovators:革新者):2.5%冒険心にあふれ、新しいものを進んで採用するグループ。2)アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用者):13.5%流行に敏感で、自ら情報収集を行って判断するグループ。3)アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随者):34%比較的慎重派ではあるが、
平均よりは早く新しいものを取り入れるグループ。4)レイトマジョリティ(Late Majority:後期追随者):34%新しい様式の採用には懐疑的で、
周囲の大多数が試している場面を見てから同じ選択をするグループ。5)ラガード(Laggards:遅滞者):16%最も保守的な伝統主義者、または採用遅滞者のグループ。
流行や世の中の動きに関心が薄く、イノベーションが伝統化するまで採用しない。
中には、最後まで不採用を貫く者もいる。
-----
私の場合、だいたいの行動パターンは、
「5~10人に1人」くらいのタイミングのような気がするので、
アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間くらいでしょうか。
スマホも電子書籍も、そんなタイミングでした。
なので、Win 10についても、
ちょっと様子を見て、
大きなバグはなさそうと判断できたタイミングで入れると思います。
一方で、ジャンルによっては「ラガード」的な行動パターンもありますね。
「ガラケー」はかたくなに持つのを拒否していましたし、
FacebookとかTwitterとか、未だに抵抗しています。
思い返せば、ガラケーも
「いつでも、どこでも追いかけられそう」との脅迫概念から及び腰だったのですが、
慣れてくると、それなりにうまくつき合っていけるようになり、
「無いと不便」と感じるようになりました。
そう考えると、ラガードに分類されるというのは、
”食わず嫌いの頑固者”以外の何ものでもないということかもしれません。サザエさんは「明日をつくる技術の東芝」と言っていた
2015-07-22
東芝が不正会計問題で揺れています。
電機大手8社は、
家電・PC系事業の不振など、総じて苦戦傾向にありましたが、
完全復調組(日立、三菱電機)
合理化完了組(パナソニック、ソニー)
試行錯誤組(シャープ、富士通、NEC)
のように色分けされてきたと個人的には見ています。
で、東芝についてですが、「完全復調組」と思っていました。
今回の件が発覚するまでは。
半導体などの電子デバイスに強みがあり、
電力や交通などの社会インフラ系の展開もうまくいっているイメージでしたので。
ガバナンスや社内政治的な問題が要因との報道もありますが、
客観的に重電3社(日立、東芝、三菱電機)の財務内容を比較した場合、
東芝が一番きつい。
何がきついかといえば、
連結総資産(6.2兆円)のうち、約1兆円を占める「のれん・無形資産」の存在です。
早くから米国会計基準だった東芝は、
業績が悪化すれば、この1兆円の「減損」を迫られることになり、
株価、格付けに大きく影響してしまいます。
三菱電機は実質無借金、
日立はそこまでではありませんが、財務は健全と言ってよく、
そこが大きな膿み出しをできたか、できなかったかの差になった気がします。
さらには、震災による原発への影響も東芝にとってアゲインストでした。
かつてサザエさんは、オープニングのコメントで、
「明日をつくる技術の東芝がお送りいたします」
と言っていました。
会計基準が足かせとなって、
本来の強みや中長期的なビジョンを見失ってしまっていたとしたら、
残念なことです。ペヤングの不思議
2015-06-12
「ペヤングソースやきそば」の販売が再開されました。
ものすごい売れ行きで、
関東地区以外での販売再開の時期が延期されるとのこと。
販売停止になったのが、去年の12月。
約半年ぶりの販売ということになりますが、
ちょっと不思議に思っていたことがあります。
それは「よく会社が潰れなかったものだ」ということです。
ペヤングを販売する「まるか食品」のコーポレートサイトを見てみると、
ペヤング事業だけの一本足経営のように見受けられます。
つまり、この半年間は売り上げがほぼゼロだったはずなので、
普通に考えると壊滅状態、会社存亡の危機です。
気になって、
まるか食品の企業情報をみて納得です。
年商約80億円、利益は10億円の安定収支を継続しています。
バランスシートは開示されていませんが、
おそらく超キャッシュリッチな状態にあるものと推定されます。
製造がストップしても必要となるキャッシュアウトは人件費くらいなので、
仮に平均年収400万円として、従業員100名×半年で2億円。
これくらいのマイナスであれば、十分吸収できる水準です。
リスクマネジメント(危機管理)は全ての企業に求められるものですが、
財務が盤石であれば、多少のトラブルであればワーストシナリオは避けられる。
逆に財務基盤が弱いほど、リスク許容度が小さいので、
より危機管理が重要になってくるということです。フィナンシャル・アドバイザー
2015-06-10
ここ数日、日系企業による海外大型M&Aニュースが続いています。
東京海上HD、9400億円で米保険大手を買収
パナソニックヘルスケア、バイエルの医療機器買収
日本生命、豪保険買収へ交渉 2000~3000億円
この規模のM&Aだと、
最短でも半年、おそらくは1年以上前から検討がはじまっていたと思います。
その間に為替レートは、
100円ちょっとから125円近くまで円安に振れてしまいました。
おそらく売り手サイドとは、
現地通貨(たぶん、ドル)ベースで交渉を進めてきたでしょうから、
円ベースだと買収価格が2割以上も上がってしまったことになります。
「千三つ(千に3つ)」と言われるM&Aのクロージング確率を考えると、
事前に為替予約していなかった可能性も高く、
東京海上あたりだと、ドル建て金融資産の保有も多いと思うので、
そちらで決済するとか、いろいろな選択肢を検討したことと思います。
そのあたり含めて、良いスキームを提案するのが、
「フィナンシャル・アドバイザー(FA)」と呼ばれるプロフェッショナルですね。
FAについては、いろいろと思うところもあるので、
また別の機会にでもお話しできればと思います。目のつけどころが、”シャープ”じゃない
2015-05-15
シャープの連結決算と中期経営計画の発表がありました。
中計については、開示資料にひととおり目を通してみましたが、
シャープの明るい未来は全く伝わってきませんでした。
●シャープが掲げた3つの重点戦略
事業ポートフォリオの再構築
固定費削減
組織・ガバナンスの強化
ポートフォリオの見直しが戦略として有効なのは、
商社などの「投資」的な色合いが強い事業群のケースであって、
「脱液晶」を意味しているということであれば、そこをもっと突っ込んで示さないといけません。
固定費削減、組織の強化に至っては、
当たり前にやることであって、戦略でも何でもないですよね。
伝わってきたのは、
実務的に成果物をとりまとめたであろう経営企画担当のご苦労だけで、
案の定、外部からの評価も散々のようです。
金融支援などもあって、一時的に危機はしのげたのでしょうが、
スッキリしない時間の長期化が懸念されます。