サザエさんは「明日をつくる技術の東芝」と言っていた
2015-07-22
東芝が不正会計問題で揺れています。
電機大手8社は、
家電・PC系事業の不振など、総じて苦戦傾向にありましたが、
完全復調組(日立、三菱電機)
合理化完了組(パナソニック、ソニー)
試行錯誤組(シャープ、富士通、NEC)
のように色分けされてきたと個人的には見ています。
で、東芝についてですが、「完全復調組」と思っていました。
今回の件が発覚するまでは。
半導体などの電子デバイスに強みがあり、
電力や交通などの社会インフラ系の展開もうまくいっているイメージでしたので。
ガバナンスや社内政治的な問題が要因との報道もありますが、
客観的に重電3社(日立、東芝、三菱電機)の財務内容を比較した場合、
東芝が一番きつい。
何がきついかといえば、
連結総資産(6.2兆円)のうち、約1兆円を占める「のれん・無形資産」の存在です。
早くから米国会計基準だった東芝は、
業績が悪化すれば、この1兆円の「減損」を迫られることになり、
株価、格付けに大きく影響してしまいます。
三菱電機は実質無借金、
日立はそこまでではありませんが、財務は健全と言ってよく、
そこが大きな膿み出しをできたか、できなかったかの差になった気がします。
さらには、震災による原発への影響も東芝にとってアゲインストでした。
かつてサザエさんは、オープニングのコメントで、
「明日をつくる技術の東芝がお送りいたします」
と言っていました。
会計基準が足かせとなって、
本来の強みや中長期的なビジョンを見失ってしまっていたとしたら、
残念なことです。