赤字事業でも継続した方が良い時がある
2015-08-11
会社を経営していると、
その事業から撤退すべきか、否かという判断を迫られる時があります。
例えば、以下のような損益状況の事業があったとします。
①売上高:1,000万円
②変動費:600万円
③直接固定費:300万円(うち減価償却費200万円)
④間接固定費:300万円(共通経費の配賦)
⑤事業利益:▲200万円(①-②-③-④)
事業のライフステージは考えないとして、
事業利益ベースで▲200万円の赤字となっているこの事業からは撤退すべきでしょうか?
答えは、「撤退すべきではない」です。
ここで出てくるのが、「貢献利益」という考え方です。
「売上高-変動費-直接固定費」で定義され、
この事業の場合、
貢献利益=①1,000-②600-③300=+100
と計算されます。
もしこの事業をやめたとしても、共通経費の300万円は残るので、
残された他の事業で負担する必要がありますが、
この事業の貢献利益が100万円あるおかげで、
他の事業の負担分は200万円で済みます。
またキャッシュフローで見ても、+300万円だったりするので、
資金繰り的にも継続した方がベターです。
貢献利益は、固定費の回収に「貢献」するのでそう呼ばれたりしますが、
「管理会計」の基礎的な知識のひとつです。
会計の知識はあるに越したことはないです。