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ceo blog社長ブログ

  • 使ったことのないウェブ会議システム

    外部の方から招待されたウェブ会議に参加したら、
    一度も使ったことのないツールでした。

    画面共有など、アイコンがわかりずらく、
    少し操作に戸惑うこともありましたが、
    それ以外は特にストレスなく会議は終了。

    終わったあとで、
    「どこが提供しているツールだろう?」と気になって調べてみたら、
    ベンチャーなのか、はじめて聞く企業のものでした。

    私が知らないだけかと思い、さらに調べてみると、
    よくある「ウェブ会議システム比較」などにはまったく引っかかってこない。
    システム会社の営業さんが頑張ったのか、
    逆にお取引先の情シスさんのリサーチが深かったのか。

    今日は聞きそびれてしまいましたが、
    次回は聞いてみようと思います。

  • イカゲームの背景

    「イカゲーム」が話題です。

    提供するネットフリックスのコンテンツ制作予算は年間1兆9500億円。
    日本の民放キー局5社+映画配給3社を合わせた額の4~5倍規模で、世界50か国で制作活動を目論むという凄まじさ。
    そりゃ、面白いもんできるわな…

    ネ社は組織マネジメントでも有名で、
    自由と責任を掲げるカルチャーのもと世界最高の人材を集めていて、究極の成果主義や上昇志向を楽しめる人には向いているけど、ついていけない人は淘汰されるという過酷なシステムです。

    現にネ社の公式サイトを見てみると、
    Dream Team(ドリームチーム)という項目があって、そこには、
    The unusual part is that we give adequate performers a generous severance package so that we can find a star for that position.(能力がいまひとつ振るわない社員に対して十分な退職金を提示し、ポストを空けることでさらなる優秀な社員の雇用に力を注げるようにしている)
    と書いてある。

    良し悪しは別として、徹底している印象で、
    こういうカルチャーの企業が長期的な繁栄を築けるのかどうか、経営的にも興味深い。

    ところで冒頭のイカゲーム。
    気になってあらすじを調べてみたら、
    「お金に困った人々が多額の賞金をかけて奇妙なゲームに参加する」
    ん、それってカイジ??
    まあいいか(イカ)…お後がよろしいようで。

  • 1日で7,000万人

    暗号化メッセージアプリのテレグラムが、
    1日で7,000万人のユーザーを獲得したそうです。

    原因は先日のフェイスブックと傘下のインスタグラム、ワッツアップなどのアクセス障害。
    約7時間アクセスできなくなったことで35億人のユーザーが影響を受け、
    その2%がテレグラムに流れた計算。
    これに伴うFBの機会損失は6,000万ドル(約70億円)とも言われます。

    7,000万人って日本の人口の半分超。
    それをたった7時間で。
    しかも敵失で。

    でもテレグラムにはその敵失をものにできる実力があったからそうなったわけで、
    今のうちにはその実力はないな…

    ちなみに厚労省が導入したコロナ接触確認アプリ「COCOA(ココア)」は、
    ダウンロード2,834万件で日本の人口の2割強(21/6月時点)。
    ただしアプリへの陽性申告は18,105件で国内累計感染者数のたった2%。

    ココアの開発費は約4億円、ランニングが3億円/年と言われているので、
    それだけお金をかけて、しかも社会的に必要に迫られたツールですら、
    浸透させるのがいかに難しいか、ということ。
    流行ってるプラットフォームって本当にすごいと思います。

  • ポートフォリオ

    「ポートフォリオ(portfolio)」という言葉をお聞きになったことがあると思います。
    単純に和訳すれば、「紙ばさみ、折りかばん、書類入れ」といった意味で、
    つまりは「書類を運ぶためのケース」のことです。

    この言葉は使われるシーンや業界によって指し示す内容が異なっていて、
    私の知る限り、大きく3つの使われ方をしていると思います。

    ①金融/経営:株式/債券/オルタナティブなどの資産の組み合わせ。経営においては事業やリソースの配分や分散状況。
    ②クリエイティブ:デザイナーやエンジニアなどクリエイターの作品実績。
    ③教育:勉強に限らない生徒や児童の総合評価またはその元となる活動記録。

    一般的には、①の場面で使われることが多いのではないでしょうか。
    私も大学時代や社会人になってから、
    主にアセットアロケーション(資産配分)の意味で使ってきましたので。

    それが公募ガイド社に来てからは、②の意味で使うことが多くなりました。
    デザイナーさんやイラストレーターさんを採用するときに、
    「ポートフォリオをご持参ください」といった使い方です。

    この②のポートフォリオには注意が必要で、これまで何度もその評価に苦労してきました。
    素晴らしいポートフォリオを信じて仕事を依頼してみたら、
    まったく違うレベルのアウトプットが出てきて、いつものデザイナーさんに依頼し直したり、
    つまりその作品実績に本人がどの程度関与したのか(あるいはしていないのか)、
    ポートフォリオを見ただけでは判断しきれないということなのです。

    もちろんこちらの発注の仕方にも問題があるのかもしれませんが、
    クリエイティブに占めるディレクションの割合いが大きい成果物ほど、
    個人の力量とのギャップが大きくなる傾向にあるとは思います。

  • パナの早期退職に思う

    パナソニックが早期退職を募集したところ、
    1,000人を超える応募があったという報道が出ていました。

    こういったケースで多いのが、
    本来なら辞めて欲しくない人材から手を上げてしまうというパターン。

    今回もそうだったようで、楠見社長の会見では、
    「パナが大きく変わっていくという説明が不十分だった。もう少ししっかりと説明ができていれば、活躍を期待していた人まで退職することにはならなかったと思う」といった話も出たようです。

    人の問題は本当に難しいです。
    いくら経営者が前向きな将来を語ったところで、
    足もとの業績や給料の上がり具合、社内のギスギス感など、
    中にいる人は会社の状況を肌で感じとってしまう。
    つまり経営者は全方位で評価されるので、本当に辛い(泣&笑

    そういう意味でリモート勤務は、
    ポジティブな情報も入ってこないかわりに、
    ネガティブな状況を肌で感じとる機会も圧倒的に減るので、
    情報を隠したい経営者にとってはひょっとしたらありがたいのかも。

    私も本音では社員に話したくない情報はたくさんありますが、
    勇気を振り絞って共有するようにしています。
    そうすれば、もちろん離れていく社員はいるかもしれないけど、
    「仕方ない、助けてやろうか」と思ってくれる社員もほんの少しは出てくると思うので。

    自分が去るとき、
    一人でも多くの社員が残念がってくれるように頑張ります(笑

  • 余暇市場は2割減

    今年の『レジャー白書2021』が発行されました。

    それによると「余暇市場」は全体で23.7%減で過去最大の落ち込み。
    理由は説明するまでもないですね。

    特に影響が大きかったのが、
    2019年まで9年連続首位だった「国内観光旅行(37.2%減)」で、
    海外旅行に至っては9割減。

    我らが「趣味・創作部門」は外出を伴う鑑賞レジャーを中心に前年比9.5%減ですが、
    動画配信、音楽配信、電子出版などは大幅な伸び。
    また読書や音楽鑑賞なども参加人口自体は減ったものの、
    他ジャンルがそれ以上の落ち込みで、
    相対的な順位はそれぞれ2位と3位に浮上。

    公募はイベント的な側面ではネガティブですが、
    個人の趣味という面ではとんとんのような気もするので、
    単に「紙の本」という市場の凹みが大きかった。
    これに代わるものを急がなきゃ、です。

  • NFT

    創作市場に関与するものとして、NFTに注目しています。

    NFT(Non-Fungible Token=非代替性トークン)とは、
    代替や交換ができないデータのことで、
    そのものが固有のものであることを証明でき、
    デジタル鑑定書や証明書としての役割を果たします。

    よくわからない説明かもしれませんが、
    要は音楽や映像、デジタルアート作品など、
    これまではコピーされ放題だった作品にNFTを組み合わせることで、
    そのコンテンツが唯一無二のものとなり、
    本物かどうかを証明できるようになるということ。

    最近、版画工房経営者と元画商が組んで、
    平山郁夫や東山魁夷らの贋作を流通させていた事件が発覚しましたが、
    こういった事件もNFTで解決できる可能性があります。

    さらに、これまで最初の販売時しか収益化できなかったアート作品なんかも、
    NFTが付いていれば二次流通の状況がすべて把握できるので、
    売買されるごとにクリエーターに収益が還元される仕組みも構築できます。

    当社がNFTにどう絡んでいけるかはまだまだこれからですけど、
    知識のキャッチアップだけはしておこうと思います。

  • もう聖域なんてないところにきている

    講談社がアマゾンとの直取を開始しました。

    すでに中小の版元は取次経由せず、
    アマゾンとの直取をやっているところがほとんどなので、
    動き自体は目新しくもないのですが、
    大手版元であること、両社は過去の経緯で"溝がある"と言われてきたことに、
    ニュース性があります。

    紙の書籍はそれだけ追い込まれていて、
    売れるならもう何でもあり、聖域なんてありません。

    修羅場は辛いですけど、
    経験上、それを乗り越えないと大きくなれないので、
    当たり前に向き合っていきます。
    しびれるぜ。

  • システム開発で大変なこと

    みずほ銀行で2日続けてのシステム障害が発生しました。
    今年に入っての障害は6回目のようです。

    私はエンジニアではありませんが、
    経営者として、コンサルとして、
    いくつもシステム開発のプロマネをやってきました。

    その経験から思うのが、
    システムはゼロから開発するより、
    既存システム同士を統廃合することの方が圧倒的に大変ということです。

    多くの場合、100%完璧に全体を把握しているプロマネはいないので、
    どこを変えるとどう影響が出るかを100%押さえることができず、
    リリースしてみたら予期せぬ所からトラブルが出てしまう。
    でもサービスはすでに走っているので、中途半端に止めることもできない。

    おそらくみずほ銀も、あれだけ大規模なシステムなので、
    未だ合併時のスパゲッティ状態から脱することができず、
    ブラックスボックスが続いているんだと思います。

    当社のシステムは金融機関のそれに比べれば極めて初歩的な水準ですが、
    それでも新しいシステム開発の際は、
    既存システムとの繋ぎ込みが重いテーマになります。
    スッキリ開発したいなあ。

  • リスクをとらないともろくなる

    100円ショップ大手のセリアさん、
    税後利益で過去最高(147億円)となり、来期もその更新が予想されています。

    ビックデータに裏付けられる徹底した売れ筋分析が利益率に結びついており、
    営業利益率は10%以上と2-3%の業界の中で突出しています。

    100円ショップは在庫リスクを全て自社で背負うことから、
    在庫管理を生命線と位置付けた結果ですが、
    翻って、苦境にあえぐ書籍・雑誌業界は「委託販売制」をとっています。

    委託販売制においては、
    書店は本を買い取ることはないので(在庫リスク=版元)、
    売れなければいくらでも返本は自由です。
    さらにどの書店にどの本を何冊配本するかは、
    実質的に取次が決定権を持っているので、
    自ずと書店ごとの在庫管理は緩くなりがちです。

    セリアと書店の例からわかるのは、
    リスクを取らない商売は繫栄しないということ。
    同じく委託販売の百貨店が低迷し、自社で商品開発から販売まで行うユニクロが好調なことや、
    「株を買うならサラリーマン社長よりオーナー社長の会社」と言われるのも、
    同じロジックだと思います。

    やっぱり人間、弱いですからね。
    自分で外堀を埋めることをしないと流されてしまう。
    年をとってくると守りに入りがちで、なおさらそう感じます。