
問いをつくれ。
社長ブログ
卒制報告_13
2020-02-26(卒制報告_12のつづき)
1月下旬。
アクリル板の加工順を待つ間に、
板に打つネジの位置とフレームの仕様を確定する。
こうやって画像を上げると、
仕様は順調に固まっていったように見えますが、
アクリルもフレームも、
職人さんとの間で喧々囂々がありました。アクリルに打つネジの数と位置、
フレームの形状、太さ、塗装などなど、
造形的にこだわりたい私と、
確実に納品まで持っていきたい現場とのせめぎ合い。ときに険悪な雰囲気になりつつ(汗、
何とか着地することができました。今回、学んだこととしては、
木球もアクリルも鉄もそうだったのですが、
世の中の部材には基本的に規格サイズというものがあって、
それをうまく使って設計するのが一番安価で仕上がりもキレイということ。
(それをしてないから、1,000万円の見積りが出てきてしまう)例えば、鉄は裁断や溶接で熱が加わるとどうしても歪みが発生してしまう(+加工賃も発生する)ということから、
職人さんのアドバイスで、
角パイプや鉄板など、できる限り既製サイズをそのまま使う設計で進めました。こういうリアルな現場情報のもと、
「あーでもない、こーでもない」と、
職人さんとプロダクトを作り上げていくプロセス。
仕事にできたら最高やな。卒制報告_12
2020-02-21(卒制報告_11のつづき)
1月下旬。木球が届く。

横10個×縦16個×2セットで320個が必要。
不良品や仕損じの発生も予想されるので、
少し余裕をみて350個発注しました。ここから木工用ステインで半球を塗装していくのですが、
塗装作業については、
イメージ編集Ⅱで制作したSaku-ballで経験済み。いきなり塗ると、
きれいに塗れないし効率も悪いので、1)自作の治具を使って鉛筆で薄く”赤道”を引く
2)鉛筆の線を目印にマスキングテープで非塗装部分を保護
3)水性ステインで塗装という工程をふみます。
塗装は何回重ね塗りするかで色味が変わってくるので、
1~4回の塗りテストの結果、
基本は2回、余裕があったら3回ということにしました。
※右から重ね塗り回数1→4回300個以上あるので、1)も2)も3)もそれなりに時間がかかる。
家族総出で手伝ってもらい、
1週間以上かかって何とか全部塗り終えました。
※これで半分くらいです。それにしても、
工数仕事って人工の力がすごい。
ひとりだと丸一日、10時間以上かかる作業も、
4人でやればさくっと午前中で終わってしまう。本当にいろんな人に助けてもらいながら進んでおります。
卒制報告_11
2020-02-20(卒制報告_番外のつづき)
1月中旬。
アクリル板の試作品があがってきたという連絡。どんな感じなのかドキドキしながら、
会社を訪問する(こちらの会社、土曜は営業日なのです)。担当の鈴木さんから、
「rもきれいに出てますし、球の回りも大丈夫そうです」
とこちらを手渡される。
空中に浮かんだ木球が不思議な感じで、
Y先生の言葉を借りれば、”オーパーツ感”はきっちり出てます。ポリカの透明ねじがやや目立つのと、
球と球の間隔がちょっと開き過ぎている気もしますが、
これ以上つめると割れてしまうリスクもあって、
これが限界。穴の削りも試作よりもきれいで(当たり前です)、
あとは工作機械が空くのを待って、
本製作に入っていただくことになりました。また一歩、前進です。
卒制報告_(番外)卒業にリーチをかける
2020-02-17(卒制報告_10のつづき)
お正月休み。
木球もアクリル板も納品待ちなので、
できることと言えば、フレーム(外枠)の設計くらい。
でもそこは鉄工屋さんの意見も聞きながら固めていきたいので、
今はなかなか進めにくい。ということで、最後の最後、
実はまだやり残していた(⁉)「イメージ編集Ⅱ」の課題に取り組む。内容としては、アートやデザインの発想方法を、
「比較」「反復」「反転」「転置」
「拡大縮小」「演出」「省略と鈍化」「変換」
という8つのテーマで理解し、
そのうちの1つのアプローチを使って作品を制作するとともに、
その解説を所定のフォーマットに落とし込んでデザインするもの。で、今回せっかく卒制でたくさんのプロトタイプを作ったので、
それをうまく流用して提出することにしました。
作品タイトルは『Saku-ball』
朔望(月の満ち欠け)のような球(ボール)で、
絵や文字を作るから「サクボール」。選択したテーマ分類は「変換」で、
デジタル的な単位である”画素”という考え方を、
アナログの機構に「変換」した作品です。業者さんにΦ30㎜の木球を追加でお願いし、
穴がちょうど同じ大きさのチョコレートモールドを受け皿として、
知育玩具的な作品に仕立てました。

※ちょっとたこ焼きみたいですね…これに合格できれば、残す単位は卒制のみ。
いよいよ、卒業にリーチをかけられます。卒制報告_10
2020-02-14(卒制報告_9のつづき)
12月27日(公募ガイド社の年内最終営業日)。
会社の納会を中座させてもらい、
アクリルの見積りが出てきた2社のうち、
安かった方の会社さんを訪問。大田区にある会社さんで、
場所は下町ロケットの佃製作所のすぐそば。
町工場をイメージしていたのに、訪問してみたらけっこう立派なビルで、
担当の鈴木さんも信頼できそうな印象を受けたので、
その場で発注をお願いする。で結局、仕様はこんな感じに決めました。

球の大きさはΦ60㎜と最後まで迷いましたが、
アクリルの割れるリスク、
球がこぼれ落ちてしまうリスク、
重量増に伴う安全性のリスクなど、
より確実性が高いΦ50㎜を選択することにしました。造形的には60㎜の方が良かったんですけどね…
スケジュールとコストの関係で、
アクリルの専用刃物を試作することができず、
確実な方を選択せざるを得ませんでした。でも最難関と思われる球とアクリルのギミックが、
何とか年内に先が見えてきて、
ちょっとだけ安心して新年を迎えられそうです。卒制報告_9
2020-02-13(卒制報告_8のつづき)
12月下旬。
アクリルの加工業者さん探しが始まりました。直接お会いしてやりたいことや仕様を説明したり、
試作の現物を確認したり、
遠方だとちょっと難しいと判断し、
都内を中心にやってくれそうな会社にアプローチをかけます。10社くらい声掛けした時点で、
「やれます!」と明言してくれた会社は1社も無し。
「ああ、またか…」という感じです。さらに10社くらいあたった時点で、
ようやく「多分やれると思いますよ」という会社にめぐり合う!さらに追加で問い合わせていると、
何社か見積りを出してくれそうなところが出てくるも、
タイミング的にはクリスマス。
世間はすでに年越しモードで、
「現場が動いてないので、提案は年明けになります」と言われてしまう。そうこうしていると木球の業者さんにも、
「年内に発注しないと1月納品が難しいので、早く球のサイズを確定して欲しい」
と急かされる。そんなこと言われても、
ベースとなるアクリルとの組み合わせを検証しないといけないので、
アクリル側の目途が立たないと何とも回答できない。ああ、もうどうしよう。
休日と休日の間
2020-02-10今日を挟んで明日も休日。
休みが多いのは嬉しいことですが、
仕事が進まなくなるので、
そういう面ではちょっと困りますね。もう今日はあきらめて、
気分転換に床屋さんに行こう。卒業制作_8
2020-02-06(卒制報告_7のつづき)
12月中旬。
はざいやさんで入手した穴あきアクリル板をもとに、
こんなギミックを考えてみました。
簡単に言えば、
rのついた穴が開いたアクリル板2枚で木球を挟み込むというものです。① アクリル板の内側面の穴の直径
② 木球の直径
③ アクリル板の外側面の穴の直径の3つの直径の大小関係が肝になるのですが、
①>②>③になれば、
球は外にこぼれずに回転するはずです。例えば、Φ50㎜の木球を使う場合、
厚さ8㎜のアクリル板の内側面にΦ51㎜の穴を開ければ、
外側面は48.4㎜くらいとなり、うまくいくのでは!?はざいやさんで穴を開けてもらったアクリル板に、
カッターややすりで穴の側面を加工し、
木球を挟み込んでみると、

ぎこちないながらも、
一応、球は回ってくれています!次ははざいやさんの店員さんにアドバイスいただいた、
・アクリル板のサイズ
・rのついた穴開け加工の問題をクリアーすべく、
仕様の見直しと加工業者さん探しに着手します。卒制報告_7
2020-02-05(卒制報告_6のつづき)
吉祥寺から京成立石までの道中に仕様を考え、
アクリル屋さんに着くなり相談してみると、
「そんなのできないですよ。もしできたとしてもべらぼうな値段になりますよ」
と言われる。その時、私の伝えた仕様というのが、
・アクリルサイズ:縦2m/横2m/厚1㎝(2枚)
・Φ10㎝の穴を400個開ける(2セット)
・穴の断面はrをつけるというもの。
どうやらアクリル板には規格サイズがあり、
それより大きくなると特注になってしまうらしい。2m×2mサイズだと安く見積もっても20万円/枚×2枚で40万円。
さらに穴開けが500円/穴として400個×2枚で40万円。
穴の断面にrをつける加工はできないし、
そもそも2m×2mサイズは機械に入らない。せっかく目の前が明るくなったと思ったのに、
たった1時間で真っ暗闇に逆戻り。それでも手ぶらで帰るわけにはいかないので、
アクリル板の端切れにΦ46㎜の穴を開けてもらい、
実現可能なギミックかどうか、試作してみることにしました。卒制報告_6
2020-02-04(卒制報告_5のつづき)
12月上旬。
吉祥寺校4号館で担当のY先生と面談を行う。
(4号館はムサビ発祥の地で趣深い風貌の建屋なのです)

プロトタイプ2つを持参し、
このままだとコストがとんでもないことになりそうとか、
いろんな会社から断られまくっているとか、
状況を共有しつつ、現実的な方向性を話し合う。先生からは、
・木球はΦ100㎜よりもΦ50㎜の方が遊具感が減ってよいのではないか。
・垂直が難しいのであれば、水平にして仕掛けをシンプルにすることを検討してみては。などのアドバイスをいただくも、
正直、気乗りしない(笑その後もY先生と雑談交えながら(ほんといつも脱線してしまう)、
あーでもない、こーでもないと試作をいじくっていたら、
「これ(木球が浮かんでる絵)って、オーパーツ的だよね」
という話になり、
「仕掛けを透明化できたら面白いかも」
「ならアクリルだ!」
という急展開で面談は終了。学校から吉祥寺駅まで帰り道、
早く試したくて仕方がないので、
歩きながらアクリルの加工と販売をやっているお店を調べ、
そのまま電話してこちらのやりたいことを伝えるものの、
まったく伝わらない(そりゃそうかもう居ても立ってもいられないので、
「今から行きます!」と店員さんに伝え、
そのまま京成立石にある「アクリルショップはざいや」さんに向かいました。

