Logo

自治体・行政のコンテストをオンライン応募にするには|導入前に確認したい12の質問

キービジュアル

著者:公募ガイド社 法人ソリューション部

こんにちは。公募ガイド社 法人ソリューション部です。私たちは、企業や自治体のコンテストの企画・運営をお手伝いしています。

「次回の作品募集は、オンラインでも応募できるようにしてほしい」。自治体のコンテスト担当になると、こう頼まれる場面が増えています。ところが調べ始めると、庁内の電子申請で足りるのか、外部のサービスを使ってよいのか、個人情報は誰が管理するのかと、確認することが次々に出てきます。

この記事は、自治体・行政のコンテストをオンライン受付に切り替えるときに担当者がつまずきやすい質問を、12問にまとめたものです。答えは自治体ごとのルールで変わる部分もあるため、「誰に、何を確認すればよいか」まで書いています。最後に、導入前のチェックリストを付けました。

目次

  1. 最初に:自治体のオンライン応募は3つの方法がある
  2. 庁内調整でつまずく質問(Q1〜Q4)
  3. 個人情報でつまずく質問(Q5〜Q7)
  4. 応募者対応でつまずく質問(Q8〜Q10)
  5. 予算・スケジュールでつまずく質問(Q11〜Q12)
  6. 導入前チェックリスト

最初に:自治体のオンライン応募は3つの方法がある

質問に入る前に、選択肢を整理しておきます。自治体のコンテストをWebで受け付ける方法は、大きく3つです。

方法向いているケース気をつけたいこと
庁内の電子申請システム文章だけ・写真1枚など、作品が軽い募集添付できるファイルの大きさや数、審査用の一覧の出し方
汎用のフォーム作成サービス小規模で、項目が少ない募集庁内でクラウドサービスを使う手続き、作品ファイルの保管場所
コンテスト向けの受付サービス作品数が多い・ファイルが重い・審査まで管理したい募集庁内でクラウドサービスを使う手続き、委託先としての確認

公募ガイド社は、Koubo 掲載の作品募集コンテストで使われているWebフォームのツールを調べました。ツールが分かった3,734件のうち、自治体の電子申請は9.5% でした(公募ガイド社調べ(2026年9月)、コンテストの応募方法調査)。自治体のコンテストでは、庁内の仕組みを使う例もそれなりにある、ということです。

どれを選ぶかは、このあとの質問に答えていくと見えてきます。

庁内調整でつまずく質問

Q1. 庁内の電子申請システムで、コンテストの応募を受け付けられますか?

受け付けられる場合もあります。まずは作品の形式と件数で判断します。

多くの自治体では、住民向けの手続きに使う電子申請の仕組みを持っています。国も自治体の手続きのオンライン化を進めています。デジタル庁のページでは、マイナポータルの「ぴったりサービス」を研修・イベント等の申込に使う活用事例も紹介されています(デジタル庁「行政手続のオンライン化」、2026年10月時点)。

ただし、こうした仕組みは「申請書を受け付ける」ためのものです。コンテストの受付に使うときは、次の点を情報政策の担当課に確認しましょう。

  • 作品ファイル(写真・PDF・動画など)を添付できるか。1件あたりの大きさの上限はいくつか
  • 1人が複数点を応募する場合、1回の申請でまとめて送れるか
  • 受け付けた作品を、審査用に一覧やファイルでまとめて取り出せるか
  • 募集期間の終了と同時に、受付を止められるか

文章や標語だけの募集なら庁内の仕組みで十分なことが多く、写真や動画の募集では、ファイルの扱いで不便が出やすい傾向があります。

Q2. 外部のサービスを使うとき、どの部署に相談すればいいですか?

少なくとも次の4つの観点で、関係する部署を確認しておくと安心です。 部署名は自治体によって違います。

確認すること相談先の例聞いておきたいこと
情報セキュリティ情報政策・DX推進の担当課外部のクラウドサービスを使う手続き、業務端末から管理画面を開けるか
個人情報個人情報保護の担当課取得する項目、利用目的の書き方、委託先の確認の方法
契約・支出財務・契約の担当課有料の場合の契約方法、無料サービスの利用規約への同意の扱い
告知広報の担当課広報紙・公式サイトへのURL・QRコードの掲載時期

いちばん時間がかかりやすいのは、情報セキュリティと個人情報の確認です。募集開始から逆算して、早めに相談を始めましょう。

Q3. 外部のWebサービスを使うには、何を確認する必要がありますか?

庁内の情報セキュリティポリシーで、クラウドサービスの利用がどう定められているかを確認します。

総務省は、自治体がポリシーを作るときの参考となるガイドラインを公表しています。「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」で、2026年10月時点の最新は令和8年3月改定版です。各自治体のポリシーは、これを参考に独自に定められています。

実務では、次のような点を確認されることが一般的です。

  • サービスの運営会社と、データの保管場所
  • 通信の暗号化やアクセス管理など、セキュリティ対策の内容
  • 管理画面にログインできる職員の範囲
  • 契約終了時や募集終了後の、データの削除方法

あわせて、庁内のネットワーク環境によっては、業務用の端末からインターネット上の管理画面を開けないことがあります。応募の確認や作品のダウンロードを、どの端末で行うのかも決めておきましょう。

Q4. 無料のサービスを使っても問題ありませんか?

無料かどうかより、「利用規約への同意」と「個人情報の扱い」を庁内のルールで確認できるかが大切です。

無料のサービスは、契約書ではなく利用規約に同意して使う形が一般的です。利用規約への同意を誰の権限で行うか、自治体によって扱いが違います。財務・契約の担当課に、事前に確認しておきましょう。

有料・無料にかかわらず、応募者の個人情報を外部のサービスで扱う点は同じです。Q5で説明する「委託先の確認」は、無料のサービスでも必要になると考えておくのが安全です。

個人情報でつまずく質問

Q5. 応募者の個人情報は、誰の責任で管理するのですか?

主催する自治体の責任で管理する、と考えるのが基本です。外部のサービスや事業者は、その取扱いを任される立場になります。

令和5年4月1日から、地方公共団体の機関にも個人情報保護法の規律が直接適用されています(個人情報保護委員会「個人情報保護法の概要(地方公共団体職員向け)」)。

個人情報保護委員会のQ&Aでは、行政機関等が個人情報の取扱いを委託するとき、委託元は次のことを行う必要があるとしています(Q&A(行政機関等編)Q3-1-1、2026年10月確認)。

  • 安全管理措置の内容を踏まえて、委託先の選定基準を整える
  • その基準に従って、適切な委託先を選ぶ
  • 委託先での取扱いの内容を契約条項等で確認し、監督する

外部のサービスを使うことが、法律上の「委託」にあたるかどうかは、サービスの使い方によって判断が分かれることがあります。個別の判断は、庁内の個人情報保護の担当課や専門家に確認してください。

Q6. 募集要項には、個人情報について何を書けばいいですか?

取得する目的、使う範囲、外部に提供するかどうか、いつ削除するかを書きます。

紙の応募用紙で書いていた文言を、そのまま流用できることも多いです。オンライン受付にするなら、外部のサービスを使う旨も入れておくと、応募者に説明しやすくなります。たとえば次のような書き方です。

【個人情報の取扱い】
ご応募いただいた個人情報は、本コンテストの審査、結果のご連絡、
賞品の発送、入賞者の発表(氏名・市区町村名・学校名)にのみ使用します。
応募の受付には、外部の応募受付サービスを利用します。
個人情報は、◯◯市の規程に基づき適切に管理し、
(例:結果発表後◯か月以内)に削除します。

氏名を公表する範囲(フルネームか、ペンネームか、市区町村名まで出すか)は、トラブルになりやすい点です。必ず募集要項で先に決めておきましょう。規約全体の書き方は、コンテストの応募規約テンプレートで紹介しています。

Q7. 募集が終わったら、個人情報はいつ消せばいいですか?

庁内の文書管理の規程で定める保存期間を確認し、そのうえで削除の時期を決めます。

コンテストでは、結果の通知、賞品の発送、表彰式の連絡が終わるまで、応募者の連絡先が必要です。入賞者からの問い合わせに備えて、一定期間は残しておくこともあります。

よくあるのは、次のような整理です。

データ残す期間の考え方
落選した応募者の連絡先結果通知が終わったあと、規程の保存期間に合わせて削除
入賞者の連絡先・振込先など賞品の発送や表彰が終わるまで。経理上の保存が必要なものは規程に従う
入賞作品募集要項で定めた利用期間に合わせて保管
外部サービス上のデータ庁内に必要な分を保存したあと、サービス上からも削除

見落としやすいのが、外部サービスの上に残ったデータです。庁内のファイルを消しても、サービスの管理画面には残っている、ということが起きがちです。募集終了後の手順は、募集終了後にやることでまとめています。

応募者対応でつまずく質問

Q8. インターネットを使わない人の応募は、どうすればいいですか?

郵送や窓口持参の受付を残し、オンラインと併用するのが現実的です。

自治体のコンテストは、高齢の方や、スマホやパソコンを使わない方も対象になることが多くあります。オンライン受付だけにすると、応募したくてもできない人が出てしまいます。

併用するときは、次の3点を決めておくと、事務局の混乱を防げます。

  • 締切の基準(郵送は「必着」か「消印有効」か、オンラインは何時までか)
  • 郵送で届いた作品にも、オンラインと同じ形式の受付番号を付けるか
  • 郵送の作品を、オンラインの応募と同じ一覧にまとめるか

具体的な運用ルールは、郵送とWeb応募を併用するときの運用ルールで詳しく解説しています。

Q9. 小中学生の応募や、学校単位の応募はどう受け付けますか?

個人で応募するのか、学校がまとめて応募するのかを先に決めます。

小中学生が対象のコンテストでは、学校で取り組んだ作品を先生がまとめて送るケースがよくあります。この場合、児童・生徒が1人ずつフォームから応募する形は合いません。学校単位で受け付けるのか、保護者の同意をどう取るのかで、フォームの作りが変わります。

学校名・学年の聞き方や保護者同意の取り方は、小中高生向けコンテストの応募フォームで解説しています。

Q10. 「応募が届いたか分からない」という問い合わせを減らすには?

応募の直後に、受付メールが自動で届く仕組みにするのがいちばんの対策です。

紙の応募では、届いたかどうかを確認する手段がなく、電話での問い合わせが多くなりがちでした。オンライン受付にすると、応募の直後に受付メールを送れるため、問い合わせの多くを減らせます。

受付メールには、受付番号と応募した作品名を入れておくと、問い合わせがあったときにも照合しやすくなります。問い合わせへの回答例は、応募者からの問い合わせ対応で紹介しています。

予算・スケジュールでつまずく質問

Q11. 準備はいつから始めればいいですか?

募集開始の数か月前には、庁内の相談を始めておくと安心です。

オンライン受付そのものの設定は、ツールによっては短期間で済みます。時間がかかるのは、Q2〜Q5で触れた庁内の確認です。有料のサービスを使う場合は、予算の確保が前年度に必要になることもあります。

順番の目安は、次のとおりです。

  1. 受付の方法を決める(Q1の判断)
  2. 情報セキュリティ・個人情報の担当課に相談する
  3. 必要なら予算・契約の手続きを進める
  4. 募集要項に、オンライン受付と個人情報の取扱いを書く
  5. テスト応募をして、受付メールや一覧の出し方を確認する
  6. 広報紙・公式サイトでURLやQRコードを告知する

全体のスケジュールは、募集開始日から逆算して組むと無理がありません。

Q12. オンライン受付にすれば、応募は増えますか?

応募のハードルは下がりますが、それだけで増えるとは限りません。

オンラインにすると、応募者は郵送の手間や切手代がかからず、締切直前まで応募できます。一方で、コンテストの存在を知ってもらえなければ、応募は増えません。広報紙や学校への配布物にURLやQRコードを載せるなど、告知とセットで考えましょう。

応募が伸びないときは、まず「募集ページが見られていないのか」「フォームまで来て応募をやめているのか」を切り分けると、打ち手が決めやすくなります。

Kouboプランナーなら

公募ガイド社の「Kouboプランナー」では、応募フォームを無料(ライトプラン)で作れます。応募者は会員登録なしで応募でき、応募があると受付メールが自動で送られます。募集期間が終わるとフォームは自動で締め切られ、募集後は応募者の個人情報を一括で削除できます。
Kouboプランナーについて詳しく見る(無料)

導入前チェックリスト

庁内の確認から公開前のテストまで、順に確認していきましょう。

受付の方法

  • ☐ 作品の形式(文章・画像・PDF・動画)と、1件あたりのファイルの大きさを見積もった
  • ☐ 庁内の電子申請で足りるか、外部のサービスを使うかを決めた
  • ☐ 郵送・窓口持参の受付を残すかどうかを決めた

庁内の確認

  • ☐ 情報政策の担当課に、外部サービスの利用手続きを確認した
  • ☐ 業務用の端末から、管理画面を開けるかを確かめた
  • ☐ 個人情報保護の担当課に、取得する項目と利用目的を確認した
  • ☐ 有料・無料にかかわらず、利用規約や契約の手続きを財務・契約の担当課に確認した

募集要項

  • ☐ 個人情報の利用目的、公表する範囲、削除の時期を書いた
  • ☐ オンラインと郵送の締切の基準をそろえた
  • ☐ 外部の受付サービスを使う旨を書いた

公開前

  • ☐ 職員がスマホとパソコンでテスト応募をした
  • ☐ 受付メールが届くこと、迷惑メールに入らないことを確かめた
  • ☐ 応募の一覧と作品ファイルを、庁内に取り出せることを確かめた
  • ☐ 募集終了後に、サービス上のデータを削除する担当者と時期を決めた

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。コンテストの企画や運営で迷うことがあれば、公募ガイド社にお気軽にご相談ください。

次に読む記事

 

Kouboプランナーを使ってみる