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なぜ公募ガイドは去年より売れたのか?

出版月報によると、
2015年の雑誌販売は昨対91.8%(▲8.2%)となったようです。

一方、我らが公募ガイド。
昨対100%を超えて2015年を終えることができました(ちょっとだけですけど…)

この厳しい環境下、
どうして去年より売り上げを伸ばすことができたのか?

・積極的なマーケティング活動で認知が上がった
・内容が劇的に面白くなった
・知り合いに売りまくった

残念ながら、どれもちょっと違います。
答えは、

「去年より、たくさんお店に並べて頂いた」からです。

国内の大半の雑誌は、
取次(とりつぎ)と呼ばれる問屋さんを通して、書店さんに配本されます。
で、近年の実売率はざっくり6割と言われているので、
10冊置けば、6冊売れて、4冊が返本されている状況です。

返本コストは取次さんの負担なので、
取次はこの4冊の返本コストを減らすべく、
「売れる6冊分だけ置きましょう。その方がお互い無駄がないので」となり、
次回は6冊が配本されることになります。

ここがポイントで、
6冊配本だと6冊は売れなくて、
6冊の6割、つまり3~4冊しか売れないのです。
そしてこれを繰り返すことで、市場は加速度的にシュリンクしていく。
これが雑誌市場が急速に落ち込んでいる一因であろうと、
私は分析しています。

換言すれば、
縮小市場で6冊をキープしたいと思えば、
11冊、12冊と以前より多くの本を並べなければならない。
そしてこの増加配本コストは、別の経営努力で削減する。
これが昨年の公募ガイドの取り組みです。

特に問屋さんにおいては、取扱いボリュームが命と思いますので、
足もとの返本コストに目を奪われ、
自ら取扱いを減らすというのは、中長期的には致命的だと考えています。
(版元には「コンテンツ」という強力な武器がある)

「取扱い高は極力キープし、取引コストを極小化しよう」

業界全体として、そういう動きにならないかなー。