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たとえ話

例えるのが、好きです。

物語調でも固有名詞化でもなんでもいいのですが、
相手にとって分かりやすく伝えるための手段のひとつであり、
学びを自分なりに噛み砕いて飲み込み血肉にするための過程でもあります。
素材の味は素晴らしければそれはそれでよいのですが、誰が泥付きの芋をかじられましょうか。

ひとつ、最近思いついた例え話を挙げます。
災害で困っている人たちがいる地域に、救援物資を運ぶとします。
ヘリコプターで運びましょうか、トラックで運びましょうか?

選択するときの常套手段は、想定しうる長所短所を比較することです。
■ヘリコプター
〈長所〉
・速く届けられる
・上空から、被害の全体像を把握できる
〈短所〉
・天候や風向きに左右される
・夜間は非対応

■トラック
〈長所〉
・一度にたくさん運ぶことができる
・被害にあった人と同じ目線で状況を知ることができる
〈短所〉
・道の状態によっては時間がかかってしまう

どちらも一長一短で決定打に欠けますね。
より具体的な場面を想定してみます。

■ヘリコプター
〈長所〉
・速く届けられる
→被害地域の人たちは、本当に速く届けてほしいのでしょうか。1度にたくさん届けてほしいわけではないでしょうか?
・上空から、被害の全体像を把握できる
→人々の様子までは確認できないかもしれません。
〈短所〉
・天候や風向きに左右される
→判断力に長けた操縦士であれば問題ないかもしれません。
・夜間は非対応
→遅い時間にもらっても、かえって迷惑かもしれませんよね。

■トラック
〈長所〉
・一度にたくさん運ぶことができる
→たくさんの物資のどれだけが、本当に必要とされているものでしょうか。結局ゴミになったりしないでしょうか。
・被害にあった人と同じ目線で状況を知ることができる
→現地についてから知っても、対応できることしか対応できないかもしれませんね。
〈短所〉
・道の状態によっては時間がかかってしまう
→事前によく調べておけば防げる範囲のことかもしれません。

ここまで書いておいてなんですが、この例え話にたいしたオチはありません。
例えるのが好きなだけなので。

ヘリポートないかもしれないよな、物資手渡すのに縄ばしごでも降ろすのかな、
地上にいる人が手を伸ばせば届く高さまで機体を低くできるのかな、
そもそも支援者が地上に降りれば手渡せるよな、
まさか物資落としていくわけないもんな、最悪被災者がケガするよな、
渡し方ひとつで二次災害生むじゃん、などなど。
派生してあれこれ考えるのが楽しいだけです。

考えつかれたのでトラックの方は途中で考えるのをやめました。
疲弊したら離れるのが人間です。

分類ごとのページ数に偏りのある独自の辞書をもつ、話が通じにくいきょうだいと育った好影響です。
小学生の頃、中学生の彼に、父親の人事異動をクラス替えに例えて説明したことを覚えています。
相手が知っているものを使うのが例えの作法です。

わかりやすさは優しさでしょうか。優しさは蛇足でしょうか。
大きなお世話は環境的後遺症でしょうか。
寓話の要はその過程にあり、それを楽しむ余裕がないときは
早く寝るようにしています。心を亡くせば道徳が白旗を挙げます。

あつ(固有名詞以外、カタカナ言葉を避けてみました。けっこう頭つかいますね。あと、ページに和語はないらしいですね。)