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No Noise, No Life なはなし

前回までプログラム関連で書いてきていましたが、ネタ切れにつき別の話題に変えます。

ノイズ、というとネガティブなイメージの言葉のように思う方も多いと思います。
しかし、私はノイズが好きです。

"noise" を単純に和訳すれば「騒音」とか「雑音」といった言葉になりますが
音楽の世界ではそういった「雑音」とされるようなものを使った様々な音楽があります。

例えば「あまちゃん」のテーマ曲を作ったことで一躍、一般にも有名になった大友良英氏。
元々はノイズ音楽の世界では超が付く有名人です。

その他にも日本人でノイズ音楽の世界での有名人は沢山いるのですが
MERZBOW こと 秋田正美氏も世界的に活躍されており、評価もされています。

なにがなんだかよく分かりませんよね。
「騒音」「雑音」そのままという感じです。

さらに訳がわかないものとしては、こんなものもあります。

現代音楽の世界で多大な影響を与えたジョン・ケージ氏。
ジョン・ケージといえばこれ、「4:33」という作品。
音すらない、ただ座っているだけの一見すると意味不明なこの動画。

しかし、これちゃんと楽譜もある音楽作品です。
演者が歩いてくる音、ピアノの前に座る音、聴衆の服がかすれる音
そういった通常の音楽の構成要素以外の「雑音」とされるような音、それ自体を作品としています。

通常はノイズ音楽の中で「4:33」を語ることはあまりないと思いますが、
その系譜の根底にある作品であると私は思っています。

ここまでは一聴して「雑音」そのままな作品を並べてきましたが
これはどうでしょうか?

坂本龍一とのコラボレーションなどで名前を目にしたことのある方もいるかもしれません。
私の敬愛するドイツの電子音楽家のalva noto氏。

これまでよりもずっと音楽らしい感じに聞こえると思いますが、
「グリッチノイズ」と呼ばれる、例えばイヤホンのケーブルを挿したときに聞こえる「ぶつっ」というようなノイズを
音楽の要素として取り入れるなど、今日の電子音楽に多大な影響を与えています。

ちなみにalva notoが主催するドイツの電子音楽のレーベル"raster noton"はこういった手法を取り入れた様々な作品をリリースしており
自分の音楽人生でもものすごく大きな影響を受けたレーベルです。

このように本来は不要と思われるものを別の側面でとらえて、音楽にしてしまった。
そしてそれが後世でさらに新しい解釈がされたり、技術の変化も加わりさらにさまざまな音楽に変化していきました。

本来はゴミ、不要なもの、と捉えられるようなものが
その扱い方や見方で別の意味を持ち一つの作品に昇華される。
ノイズの魅力はそこにあると思っています。

普段の仕事の中、生活の中でもこういったものの見方を忘れないようにしたいものです。