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No Live, No Life なはなし

11月3日~5日の3日間、日本科学未来館で実施される電子音楽の祭典”MUTEK”。
自分は家の用事があり行けないのが既に確定していますが、素晴らしいメンツです。
mutek

個人的に今回のメンツの中で特に見たいのは"monolake"ことRobert Henke
DTMをやっている方なら使ったことある人も多い"Ableton Live"の生みの親としても知られています。

私も10年以上前にDTMやノートPCをクラブに持っていってライブしたりという事をやったり
友達のバンドの曲のリミックスを作ったり、というときにAbleton Liveを活用していました。

今はver.9が最新になりますが当時はまだver3~5 くらい。
色々と機能もさらに充実されてるようでまたそのうち環境を整えたいなぁと思っています。

さてこのLiveの特徴は、通常のDTMソフトとして音楽のマルチトラック編集は出来るのですが
ドラムやベース、ギターやシンセなど上物等々のLoopを組み合わせて
直感的なインターフェィス上でリアルタイムにビートを作っていくという
というのが当初からのコンセプトであり、画期的な点でした。
ループがあればだれでも簡単に音楽が作れる。
このLiveの登場により音楽のライブでPCを導入する、という垣根はとても下がったと思います。

そして私はもう一つ、これと組み合わせて使っていたものがありました。
現在はAbletonセットにもなっているCycling '74の"Max/MSP"というソフトです。

これはAbleton Liveのような簡単に操作ができる、作れるといった代物ではなく
何かの音楽用のソフトを作るためのプログラミング環境です。

2000年代前半から、これが一部の電子音楽家の間で非常に流行ってまして
それぞれに独自のソフトを開発してはそれを基とした音楽作品が多数生まれていました。

Ableton LiveというソフトとMax/MSPというソフト、全く相反するソフトのようですが
私のようにどちらも使って音楽を作る、とりわけライブに活用する人が多く発生しました。
その理由の一つは「デジタル臭さを無くすため」です。

PCとDTMのソフトを使えばとても正確にリズムを刻むドラムを鳴らすことができますが
人間の指示に沿った事しかできません。ファジー(曖昧)なところが無いのです。

実際の人間が叩いたドラムだと、その場のテンションで走ったり、もたったりもするし
ミスをして一音出てない、といった事は常にあります。

しかし、これがコンピューターには出来ないこと。
それを求め、再現をするために確率を基にした独自のアルゴリズム、独自のソフトでそれを再現していたのです。

最近ではAIや人工知能、機械学習といったキーワードが目立つようになりました。
ちゃんと顔を識別してくれる顔認証システムなど、
非常に優れたテクノロジーが日々生まれていますが
これも微妙な角度や照明の当たり具合などファジーな部分をうまく丸める事が必要だったのだと思います。
普段は意識しないファジーな部分、意識して見直してみると意外な発見が多いのかもしれませんね。

今回はmonolakeのライブで締めたいと思います。
それにしても、MUTEK行けないのはとてもつらい。。