理系・文系という区分け
2019-04-02
ここ数か月、
学生さんと話をする機会が爆発的に増えている中で、
よく思うことがあります。
それは今の大学の学部(≒専攻)って微妙だな、
ということ。
そう感じる理由は2つ。
1つ目は、その人の適性と専門(あるいは職業)のミスマッチという観点。
現状の日本の大学教育においては、
多くの学部が理系・文系に分類されており、
入学段階で学部を選択することになるのですが、
高校1-2年の段階で自分の適性や将来の仕事を見極めて、
専門を決められる人ってどれくらいいるんでしょう?
たいていの人は受験科目と偏差値という制約のもと、
何となく自分の志向をそれに添わせるような形で、
受動的に大学や学部を選択するパターンになってしまうのではないでしょうか。
結果、本気で職業を考える段になってミスマッチが起こる。
そして就活においては、(一部の例外を除いて)企業側はそれを許さないのです。
2つ目は、お決まりの解決策が通用しない世の中になっているということ。
これだけ社会が複雑化してくると、専門知識が求められる一方で、
幅広い知識や教養を土台に、
色んな考え方やアプローチで問題解決を図る総合力が大事になってきます。
換言すれば、従来型の学部の分け方が解決策やアイデアを狭めている可能性がある。
その解のひとつがリベラルアーツ(教養)ということになると思いますが、
私も今、美大でデザインやアートを学ぶ中で、
これまでの経済・ビジネス一辺倒の考え方から、
まったく違う視点の広がりを実感することが多くて、
すごくいいんですね。
そんなことを考えていると、
就活生の多くが抱える窮屈さみたいなものは、
今の学部の区分けにも一因があるような気がしてならないのです。