多浪君はダメ人間なのか
医学部の入試で、
女子や多浪生が不利に扱われていたことがニュースになっています。
私も二浪しているので、なんか切ないですね…
同じ下宿にも医学部志望の五浪兄さんや三浪兄さんもいましたし。
(結局、受かったんだろうか…)
とかく「コスパ」重視の世の中、
効率よく成果を出せるかどうかが最上位の価値基準。
大学の研究は応用重視で、
基礎分野の予算が減少傾向にあったり、
人文系学部の廃止論が出てきたり。
今回の件も、多浪している学生より、現役で同レベルに達している学生の方が、
(入試という点において)生産性が高いという判断なのでしょうね。
確かに目先の経済の活性化は国として重要施策だし、
企業活動にしても、
資金に恵まれた一部の企業を除けば、
たいていの経営者は足元の業績を追いかけながら日々過ごしています。
だから、最短距離で効率よく結果を出せるやつって、
どこの世界でも使いやすいし、欲しい人材でもある。
でもなあ、
なんか違う気がするんですよね。
私も毎年の業績にコミットしなければならないので、
現実的には効率を重視せざるをえないのだけれど、
もし「今から100年を保証してあげるから、公募ガイド社を好きにしていいよ」
と言われたら、
生産性なんて無視して、
「100年後に価値ある会社」というその一点だけを考えて、
自分に任された5年なり10年なりを過ごすと思うんです。
その時に欲しい人材って、
コスパのいい奴じゃなくて、もっと別の素養のある奴。
多少効率が悪くても、
腰を据えてものごとにじっくり取り組めたり、
とんでもない発想の持ち主だったり。
だから国や社会の超長期的ビジョンのなさが、
短絡的な価値観(=コスパ重視)の人材を育てる土壌になってしまっているのでは、
と思えるのです。
まあ、結果は出せないわ、
時間を掛けて考えることもできないわ、
そんなやつはどんな時代になってもダメだと思いますが。