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社長ブログ
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万博と公募ガイドの共通点

大阪関西万博が、いよいよ開幕しましたね。
一方で、運営の混乱や戸惑いの声も多く聞こえてきます。

例えば「紙の会場マップ」の扱い。
200円で販売され、しかも長蛇の列。SNSでは「アコギすぎる」との批判も見られました。

でもそもそも、来場者が紙のマップに求めていたのは、「道案内としての紙」だったのでしょうか。
おそらくそれ以上に、「万博の思い出」として手元に残したい、という記録的な価値があったはずです。
そこを「スマホがあるから紙は不要」と判断してしまうと、本質的なニーズとのズレが生まれる。
情報提供の手段を“代替”ととらえるか、“共存”と設計するか。
紙雑誌の「季刊公募ガイド」と似た構造です。

もうひとつ、私が強く感じたのは、こうした混乱の背景にある「ノウハウ継承の難しさ」です。
万博のような国家的プロジェクトは、一回限り、あるいは数十年おきの開催。
関わる組織や人が変われば、前回の知見が活かされにくくなるのは当然とも言えます。

この構造、私たちが関わる「コンテスト」や「公募」の現場ともよく似ています。
たとえば、企業や自治体で毎年実施しているコンテストがあったとしても、開催は基本的に年に1回。
担当者は異動し、関係部署も入れ替わる。
さらに、周年事業や節目の記念コンテストとなると、10年・50年といったスパンで実施されるものもあります。つまり、いずれも「経験の蓄積」が起こりにくい。
ノウハウは属人的になりやすく、企画や運営の知見が組織として定着しづらいのです。

私たちが提供しているSaaSや運営サポートの本質も、こうした「学びの断絶」を少しでもつながりあるものにする、という課題意識から始まっています。