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45年後……の一考察

こんにちは。法人ソリューション部のOMです。

私は毎週欠かさず土曜の午後5時からアニメ「ドラえもん」を視聴しています。そして来る3月29日の放送回ではなんと、あの「45年後……」リメイク版が放送されます!

「45年後……」をご存じない方に説明しますと、これは通常のてんとう虫コミックス『ドラえもん』1~45巻には収録されなかった短編でして、今は「ドラえもん+」というレーベルの第5巻で読むことが出来ます。

あらすじ。
年に2、3回ある「大反省」の日を迎えたのび太くん。「立派な大人になるぞ!」と決意も新たに家に帰りますが、道中ではジャイスネに小ばかにされ、部屋にはドラえもんがおらず、さらにキッチンにあったはずのおやつが何者かに食べられている始末。

気持ちを落ち着けるべくいつもの裏山に行くと、のび太くんお気に入りのスポットに見知らぬおじさんが寝そべっていました。声をかけてみると、なんとそのおじさんは45年後の のび太くんだと言うのです。

そこに、「手元になかったから」と【いれかえロープ】を入手してきたドラえもんが合流します。45年後の のび太氏は、10歳の のび太くんとしばらく入れ替わってみたいのだとか。「まぁそれくらいなら……」と承諾した10歳の のび太くんでしたが……?

ってな話です。
「でしたが……?」とか書きましたが別に不測の事態が起こるわけでもなくお話は穏やかに進み、夜になると45年後の のび太氏は少年のび太くんに人生のアドバイスをして去っていきました。

派手さはないですが、随所にじ~んとしみるコマが散りばめられた名編です。たとえば少年の姿でママに叱られて
「……若いなぁ。」
「もっと叱って!」
とうれし涙を流す姿。仕事帰りのパパを大喜びで迎える姿。そして「これ!ママの味だ!」と夕食をかきこむ姿……。
のび太氏が歩んできた人生に思いをはせると感慨深いです。

長くなったんですがここまでは前置きで。
書きたかったのはドラえもんと大人になったのび太氏との関係性なんです。

あらすじに書いたように、のび太氏はのび太くんの帰宅前にタイムマシンで部屋に来ていたんですよね。そこでドラえもんに「いれかえロープ」の準備をお願いしたと。
てことは45年後の のび太氏と、今10歳の のび太くんと一緒にいるドラえもんが2人きりの瞬間があったわけです。

2人は一体どんな会話をしたんでしょうね?
これはドラえもんファンの頭を悩ませる【ドラえもん、いつの時点で未来に帰ったのか問題】にも深くかかわってきます。

実はのび太くんがドラえもんと共に未来の自分に会いに行く回はしばしばあり、そのたびに未来の のび太氏はドラえもんと会っています。当然、大人になったのび太氏のそばにドラえもんはいないようですが、かといって大人のび太氏がドラえもんとの再会に感激している様子もないんですよね……。

今回の45年後も、本来のび太氏からしたら30~40年ぶりに親友に再会したようなもの。の割にはドラえもんの姿に感動したり、別れを惜しむそぶりがないんですよ。

2人きりの時間に思う存分、感激を分かち合ったのでしょうか?
あるいは、ドラえもんは未来に帰った後も定期的にのび太くんに会いに行っていたのでしょうか?
それとも、のび太氏のなかでドラえもんは「子どものころの友だち」として、すっかり心の整理がついているのかもしれません。
(スタンドバイミー1ではこの問題に結構するどく突っ込んだ気がします)

ドラえもんとのび太くんの関係性、考え出すと夜眠れなくなります。
たった十数ページでここまで想像させる『ドラえもん』、実に味わい深い作品です。