改行力を鍛える
2025-02-04
どうでもよくない日記最近、京極夏彦さんの作品をちまちまと読んでいます。
京極さんといえば、まず印象的なのが、文庫本の分厚さ。1,000頁を優に超える作品群は圧巻の存在感で、京極エリアが本棚に並んでいると、遠くから見ても何か異質なものがそこにあるような気がしてしまいます。
ただ、その分厚さは読者をビビらせる諸刃の剣。もう10年以上前からその作家名に関心を持っていたにもかかわらず、なかなか手を出せなかったのは、やはりあの文庫本の威圧感のせいと言うほかありません。
ただ、重い腰を上げて実際に読んでみると、ものすごく読みやすい。長い小説ですが、一気に三日くらいで読み終えてしまいます。
どうして僕はこんなにもすらすらとこの本を読めてしまったのか。
ちょっと考えてみると、ひとつ、これじゃないかという結論が出てきます。
それはーー
改行の巧みさ(実際にやってみて、こんなにも改行ってムズイのかと戦慄しました)!!
(ちょっと引用したいんですが手元にないのであとで差し込みます。。。)
行が変わるたびに、呪いやらで混沌とした世界が一瞬静かになるような感覚。静まり返った世界の中で、ひとり、語り手の心臓の音だけが響くような感じ。
『魍魎の匣』が1,000頁を超えるのも、この「改行力」のせいかもなあ、なんて思ったり。
まあ、ほんとに一気に読めるので読んでいない人は尻込みせずに挑戦してほしいです。