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下北沢ってだけでオシャレじゃん

Yです。

ちょっと前に引っ越してから、
今は某大学の裏手に住んでいます。

アパートに住むのは私以外みんな大学生。
なんなら、周囲には寮や学生向けアパートばかり。
夜もにぎやかです。たまに外で筋トレしてるし。

朝の通勤では、駅までの道中ずっとアウェー。
毎日それっぽい顔をして、大学生の人波に紛れ込んでいます。

ここで突然の告白になりますが、
実は私、東京を舞台に描かれる、大学生~20代半ばの群像劇が大好きです。
ニッチすぎますね。

大学生にしかない、あの独特な全能感がいい。
惰性で日々を過ごしてみたり、
ちょっと火遊びして失敗してみたり。

ジュブナイル・青春ものと呼ぶには薄暗くてほろ苦すぎる、
カツセマサヒコさんの『明け方の若者たち』みたいな作品が好みです。
まだ酸いも甘いも嚙み分けきれない彼らと、
東京の街の組み合わせってなんか惹かれるんですよね。

最近、「シン・ウルトラマン」や「トップガン マーヴェリック」など、
ややハイカロリーな映画を多めに観ていた影響か、
急に淡白な作品が恋しくなった私は、
今泉力也監督が監督・脚本を担当した映画「街の上で(2020)」を観ました。

舞台は下北沢。
古着屋で働く青年・荒川青と、青が出会った女性たちを描いた何でもない数日間。
毎日古着屋のカウンターで古本を読み、夜は行きつけの飲み屋に行くだけの生活を送る青に、
あるとき女子大学生から自主製作映画に出演しないかという依頼が舞い込みます。
日々がちょっと変わりそうで変わらない、下北沢愛が詰め込まれた群像劇です。

物語全体を通して、
大きな盛り上がりがあるわけではないのに、最後まで飽きずに観られるのは、
今泉監督の、下北沢を徘徊する20代の解像度が高さがミソなんじゃないかと。
登場人物の趣味嗜好や行動、悩みがリアルなんですよね。
ほどよい雑味とサブカルに寄りすぎないのがポイント。

また、会話のシーンでは長回しが多用されているため、
舞台演出に近い印象を受けました。
小さい劇場やライブハウスが多い下北沢“らしさ”が醸されています。
これがより一層映画の良さを引きたてているのかも。

久々に下北沢のライブハウスに行きたくなりました。
ちなみに、大学時代で一番思い入れがある街は渋谷です。
Yでした。