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中山道を行く 第10週

編集部の黒田です。
今回は、「中山道を行く」第10週をおおくりします。
第10週は、和田宿にある民宿みやを早朝に出て、中山道最大の難所、和田峠を越え、下諏訪宿まで歩いた。過去最長の距離だった。

中山道といって広い国道の中山道もあれば、バイパスの中山道、旧国道の中山道、旧中山道、推定中山道などがあり、微妙にルートが違うのだが、この「中山道を行く」では、江戸時代初期に参勤交代のために整備された原道をたどることを旨としている。

もっとも消滅してしまった道もある。たとえば、土砂崩れがあったり、土地開発で整地されて新しい道ができてしまったり。あるいは、もともとは曲がりくねった道だったが、舗装道路ができてまっすぐにされてしまったり。こういうところも原道に忠実に歩く。

この中山道の旅も、最初はなんとなく街道沿いに歩けばいいかと思っていたのだが、前回の芦田宿あたりから原道どおりに完歩するコンプリート感がやみつきになり、道を間違ったらもとに戻って歩き直すということもやるようになっていた。

さて、和田峠だが、国道をそれて細い舗装道路に入ったが、すぐに「旧中山道はこちら」という看板がでてきて、舗装道路とはあさっての山中を指している。なんか前に同じことがあったな、と嫌な予感がする。そう、碓氷峠のときと同じパターンだ。

なんだよ、舗装道路があるのに、なんでこんな山道を、と思ったが、歩いてみると舗装道路より趣があるし、大自然の中を歩いているという感じもし、なにより涼しい。以降、人ひとりやっと通れるような原道を歩くのが楽しみになった。

和田峠のピークには割と簡単に着いたのだが、そこから延々と続く急な下りには膝がおかしくなりそうだった。こんな急な下り坂、皇女和宮も徒歩で越えたのだろうか。おまけに、道は細いだけでなく、ところどころ草に覆われて道がわからなくなっている。

一度道を見失い、すわ遭難かと焦ったが、ところどころピンクのリボンが結んであり、それが道標だとわかった。このときはそんな常識も知らず、服装はジーンズだし、熊よけの鈴も持っていなかった。だが、もう信濃路。散歩の延長というわけにはいかなくなっていた。