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中山道を行く 第9週

編集部の黒田です。
今回は、「中山道を行く」第9週をおおくりします。
第9週は、岩村田宿から、塩名田宿、八幡宿、望月宿、芦田宿を越え、長久保宿まで行った。

中山道は埼玉ではほぼ高崎線と同じルートをたどり、群馬では横川駅までは信越線が、軽井沢駅からはしなの鉄道がだいたい並走している。
だから、到着した宿場の周囲を探せば近くに駅があるのだが、しなの鉄道は岩村田宿の一つ前の小田井宿あたりから小諸のほうに行ってしまい、最寄り駅がない!
これはけっこう深刻な事態なのだね。

1日30km以上歩くので、帰路はくたびれ果てている。そこにもってきて駅まで徒歩で行くのはつらい。
バスがあればいいが、電車もない山中はバスだってあまりないのだ。
じゃあ、前回、岩村田宿で歩くのをやめたとき、どこの駅に行ったのかと言うと、実はすごい駅があった。
それが佐久平駅。ご存じの方もいると思うが、これは新幹線の駅だ。

一つ余談。
〈群馬では横川駅までは信越線が、軽井沢駅からはしなの鉄道がだいたい並走している〉と書いたが、「横川・軽井沢間」には在来線がない。
前々回、軽井沢から帰るとき、「在来線乗り場はどこですか」と駅員に聞いたら、「ない」と言われてのけぞってしまった。
あと一駅、どうして延長してくれなかったんだろうね。みんなお金持ちだな。

閑話休題。
ということで、この日は贅沢にも新幹線で東京から佐久平まで行き、午前9時ぐらいに歩き始めた。
通過した宿場の数だけ見るとずいぶん歩いたようにも思えるが、距離的にはいつもと変わらず約30km。
長久保宿と和田宿の中間ぐらいのところに宿をとっておいたので、そこに夕方到着し、「何もないがある」みたいな土地を堪能する。

本来は宿泊するつもりはなかったのだが、長久保宿まで来ると新幹線の佐久平駅まで戻っても30km、先の諏訪駅までは約40km。
どちらにも行けないし、和田宿の先には中山道最大の難所、和田峠が待ち受けているから、山中で野宿というわけにもいかない。
峠の手前で宿泊し、朝、元気なうちに峠越えをしたほうが安全と判断したわけだ。

前日、30km歩いて、宿ではほぼ9割方を休息にあて、翌日は5時にはまた歩き出している。
2日で70km近く歩くこともあるが、せっかくお金をかけて遠出してきたのだから、1kmでも遠くまで行きたいと欲が出る。
70km歩くとかなりの達成感があり、帰りの電車で駅弁を食べながら日本酒など飲んでいると、黄昏がちょっと沁みたりするのだよ、実際。