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やさしくて、月がきれいな時代の男は。

文鳥

こんにちは。こんばんは。
お散歩ライターのユミです。

つい先日、NHKで放映されていた『夏目漱石の妻』というドラマを観ました。
小説家・夏目漱石と妻・鏡子さんの夫婦生活を描いた4回シリーズのドラマ。

長谷川博己さんが演じる夏目漱石は、
思慮深く、物事の道理をわきまえていながら、気難しくて癇癪もち。

小説家、という肩書を脱いだところにいる
「明治の男」としての漱石像を破綻なく見せてくれました。
(鏡子役の尾野真千子さんの生醤油のような芝居も良かったです)

テーブル2

もう数年前になりますが、
『夏目漱石読書会』なるものを結成して、
1年ほどかけて漱石の小説を読んでいました。

「明治の文豪」と称えられる漱石ですが、
初期から順番に読んでいくと、時折は力なく感じる作品もあります。
(そういう作品が書かれたのは、大病をした後であるとか、
作家として次のステージに上がる前の、試作的な要素が強い場合が多いのですが)

金に困り、世間にもまれ、病に苦しみ、夫婦のいさかいを繰り返しながら、
彼もごく当たり前の人生を生きていた。

その事実が、今こうして生きている身には、
たいへんに優しい。

ドラマを見て、改めてそう感じました。
久々に彼の生きた足跡を辿ってみたいと思います。
(漱石没後100年の今年。まだまだ話題が続きそうです。)

ユミ