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社員ブログ

『QJKJQ』を読みました

natsume_souseki
どーも、さわっちょです。

デビューしたての作家さんにお会いする機会がたびたびあります。
「公募ガイド読んでました~」と言われると、
ありがたいなあと思うと同時に、
今、公募ガイドで小説の特集を読んでいる読者の中から
次の作家が生まれようとしているのかなあと、
不思議な気持ちになります。

次はあなたの番ですよ、
と大きな声で教えてあげたい気持ちになります。

読者へのエールとして、皆さん口をそろえて言うのが、
「続けることが大事」ということ。
次の一手がデビューにつながるかもしれない。
そう信じて頑張り続ける以外に道はないのです。

その頑張りの結晶である受賞作は、
その人のすべてが詰まっているという意味で「代表作」になるそうです。
なので、できる限り受賞作を読むようにしています。

執念のような強い意志を感じるものもあれば、
書く楽しさがそこらじゅうから伝わってくるものもあります。
新人にしか出せない「勢い」に圧倒されることもあります。
どれもその人だからこそ書けた渾身の一作です。

今日は、第62回江戸川乱歩賞を受賞した『QJKJQ』を読みました。
作品世界にぐいぐい引き込まれ、引き回され、
最後は力尽くで結末まで連れていってもらった気分です。
文章が素晴らしく巧いです。

作者の佐藤究さんは2004年に群像新人文学賞でデビューされていますが、
今作が2度目のデビュー作といってもいいのではないかと思います。
それぐらい、作品に強さを感じました。
ぜひ、次の作品も読んでみたいです。

澤田