歴史ある公募として、変革パートナーである公募ガイドに期待
一般社団法人二科会デザイン部:河地知木理事長・渡辺亘章副理事長

公募ガイド社がご支援したこと
- 専用審査システムの開発
- 審査会業務サポート
お客様インタビュー
歴史ある公募展が続けてきたこと
――100年以上続く二科展のなかでも、デザイン部とはどのような部門なのでしょうか。
河地さん:
二科展のはじまりは、1914年に文部省美術展(現・日展)から独立して二科会を結成したことからです。二科展は4つの部門があり、絵画部と彫刻部が公益社団法人二科会、デザイン部は一般社団法人二科会デザイン部、写真は一般社団法人二科会写真部というように、4つの組織が運営しています。
デザイン部は1951年に設立された部門で、元々は商業美術部という名称でしたが、開催するなかでデザイン部に変更しました。デザイン部の会員は現在140名ほどいて、世代は10代から80代まで幅広いです。
デザイン部ではポスターやイラストデザインを募集しており、個性や独自性、多様性のある作品に期待しています。コンピューターの時代になってからは、驚くような技術の作品が集まっていますね。
――どのくらいの応募数があるのでしょうか。また、若い世代の方からも応募はありますか。
河地さん:
応募数は通常であれば1,000点くらい集まっていますね。この中からだいたい160点くらいが入選作品として展示され、うち32点が受賞作品です。開催年や応募数に関わらず、応募作品のレベルはいつも一定の高さをキープしています。
渡辺さん:
応募資格は高校生以上なので10代から応募がきます。募集部門はポスターやイラストレーションなどの4部門ありますが、今年の特別課題B部門(ポスター)の環境大臣賞は専門学校生が受賞したんですよ。その妹さんも奨励賞を受賞していました。
――入賞すると作品が全国を巡回するというのは大規模ですね。作品数が多いため、扱いが大変そうです。
渡辺さん:
二科展とほかの公募展との違いは、本展である東京都六本木の国立新美術館での展示後、受賞作品と入選作品から選ばれた作品が全国を巡回することです。昔から木のパネルで作品を提出してもらっているのは、輸送や搬入のためなんですよ。
作品数が多いのもあり、審査は国立新美術館で行っています。二科会デザイン部の限られた関係者だけで審査するため、数日かかってしまい毎回大変ですね。
困った部分に合わせた柔軟なサービス提供
――今まで審査は内部で行っていたとお伺いしましたが、サービス導入を検討することになったきっかけを教えてください。
渡辺さん:
審査のシステム担当者が動けなくなり、審査の段取りができなくなってしまったのがきっかけです。そこで、一般社団法人という組織として、リスクマネジメントの必要性があると考えたんです。今までも属人化による危険性はありましたが、コロナ禍になってさらに強く意識するようになりましたね。
インターネットで審査代行を探しているうちに、公募ガイドを見つけました。個人情報を扱うので、いいかげんな会社では駄目ですよね。公募ガイドではP(プライバシー)マークを取得していると知り、個人情報を扱うことができる会社だと判断しました。一度話を聞いてみると、運営で困っている部分を柔軟にサポート対応してもらえるとわかったので、主に二科展デザイン部専用の審査システムの構築と、審査サポートをお願いしました。具体的には専用の審査システムが審査当日に問題なく動くかどうか、実際に審査会場まで来てサポートしてもらったんです。
独自の審査システムによって大幅な時間短縮に
――二科展デザイン部専用の審査システムをご利用いただいていかがでしたか。
渡辺さん:
応募作品をサーバー上で審査、管理できるようになり、時間短縮につながりました。デザイン部では、今まで複数のパソコンで審査した結果を、USBで1台のパソコンに集約し、ローカル上で作品データや審査結果の管理をしていたので、そのパソコンに不具合があったらつながらなくなってしまうリスクがありました。
専用の審査システムによって、サーバー上で審査が可能になり、審査前の作品があと何作品残っているか、今はどのくらい票数が入っているか確認できるようになりました。今までローカルで管理していたときは当日の夜にならないと結果がわからなかったんです。今後の為に一度しっかり体制を整える必要があると考えていたので、うまくいって安心しました。ほかには美術館のWi-Fi接続がうまくいくかなど、事前のチェックもお任せしました。
――第106回の作品集も制作させていただきました。
河地さん:
会員・会友作品と入選作品をまとめた作品集も、今までは担当のデザイナーに任せていましたが、都合でできなくなってしまったんです。そこで急遽、公募ガイドにお任せすることにしました。作品の写真撮影はほかの専門業者にお願いしましたが、公募ガイドにはその写真データをお渡しし、作品集を制作してもらいました。
――今後、公募ガイドに期待することはありますか。
渡辺さん:
コラボして新たな公募を作ることができたらいいなと思います。二科会デザイン部の会員から審査員を派遣したり、公募ガイドが募集ページを用意したり。また今後、二科展を運営するにあたって、スポンサーの提案があればお伺いしたいです。