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社員ブログ

言葉処 其の3「あやまどり」

2007-09-18

少年野球の監督なんてことをやってまして、その日も近所のグラウンドで練習していたら、突然の夕立。近くに雨を凌ぐような場所もなかったので、イナバの物置的な倉庫に少年たちを押し込んだところ、その中の一人、公介君が、「あやまどり?」と尋ねた。それを言うなら「あまやどり」でしょ。


頭の中に「あ・ま・や・ど・り」の語が浮かび、それを順に発音していくべきところ、思わず「あや」と言ってしまい、瞬間的にこれでは「ま」が余ってしまうと判断して「あやま」と発音してしまったらしい。子どもにはよくあることで、「とうもろこし」のことを「とうもころし」と言ったという例は今までに十人以上から耳にした。


公介君にとっては「あま」という組み合わせより「あや」という組み合わせのほうが馴染み深かったのかもしれない。「あやまる」「あやとり」「あやす」など「あや○○」は子どもにも身近な言葉だが、「あま○○」のほうは……。「あまさん」「あまだれ」「アマンド」……子どもはあんまり言わないやね。


こうした言い間違えは口の問題かと思ったが、そうでもないらしい。今しがたワープロで原稿を書いていて「雨宿り」と入力したが、なぜか「綾間取り」と出てしまった。なぜだろうとひらがなに直してみたら、「あまやどり」ではなく「あやまどり」と入力していたのだった。言い間違えは口や手の問題というより、口や手に指示を出している脳の混乱に原因があるらしい。(黒)