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グレッグ・イーガンてすごい

最近、本を読んでいて、俺はこの本のどこを面白いと感じているんだろうって、考えていることがよくあんのよ。べつに面白けりゃいいんだけど。でも、面白いと思う理由って、たまにはよく考えてみると面白いよ。特に創作活動をする人なんかさ。
 で、つれづれ日記を書かなきゃならなくて、何を書こうと思ったんだけど、俺が面白いと思ったお話とその理由を書いてみるのも、何かの役に立つかもねっていうことで、駄文を連ねてみたんだけど。おつきあいよろしくね。
 
 小説を面白く感じる理由なんだけど、やっぱり葛藤がえがかれているからかね。いろいろ考えたんだけど、それにつきる。葛藤っていうのもいろいろあって、物語の中以外にも葛藤はあるんだよね。それを教えてくれたのは、オーストラリアのSF作家、グレッグ・イーガン。モノは「しあわせの理由」って、少し長めの短編。脳の腫瘍を除去する施術で、喜びを感じる脳内物質の供給源まで失ってしまう男のお話。主人公は抗うつ剤などでぎりぎりの精神状態を保ちながら成人するんだけど・・・。
 このお話を読んだ読者は、普段嬉しいとか美しいとか感じている感覚が、脳内物質の分泌活動の結果でしかなかったら、という、なんか虚無的な、でも生き物である以上逃げ場のない仮説をつきつけられる。仮にそうであったとして、あなたは、昨日まで感じていたのと同じように今も喜びを感じることはできるだろうか、なーんてことを考えさせられちまうのよ。このお話は、読者の心に葛藤を引き起こすお話なのね。
 でも、このグレッグ・イーガンってすごい奴っちゃなあ、と思うのは、テクニカルなアイデアだけでお話ができそうなのに、それが人間とどう関わるのかをえがくことによってドラマを作り出すこと。特に主人公の味わう寂寥や孤独は、お話の性格上、一歩引いて読まざるをえないのに、ぐっと胸に迫るものがあるんよ。読んだら泣いちゃうよ。ちょっと歯ごたえのある作家だけど、興味があったら読んでみて。
 とりあえず今日はここまでかな。またなんか書く機会があったら、そんときには、またおつきあいください。よろしくね。