中山道を行く 第19週
編集部の黒田です。
今回は、「中山道を行く」第19週をおおくりします。
第19週は八日市駅から武佐駅に戻り、守山宿を経由し、大津まで行った。ゴールはもう間近だ。
早朝、宿から3km歩き、八日市駅に着く。そこから武佐駅まで戻り、中山道に出る。とりたてて面白くもない風景の中、野洲高校のそばを通った。2005年に「セクシーフットボール」と呼ばれ、滋賀県勢初の高校サッカー全国制覇を成し遂げたあの高校だ。
今、野洲高校といっても、サッカーファンでなければ知らないかもしれないが、乾貴士がいたときは格好いいサッカーをするチームだった。以前、徳島に行ったときに池田高校を見たときも「さわやかイレブンの池田高校だ」と感激したが、野洲高校も感慨深かった。
守山を抜け、草津に入る。よく温泉地と間違われるそうだが、温泉の草津町は群馬県。こちらは滋賀県草津市。ここからは中山道は東海道と重なる。いつか東海道を歩くことになったら、再びこの地を通るのだなと思ったが、東海道は中山道ほど面白くはないらしい。
大津に入り、琵琶湖のそばを通った。これまで山からちらっと見えたことはあったが、間近で見るのは初めてで、さすがに大きく、海のようだった。途中、源義仲と愛妾の巴御前の墓がある義仲寺を通る。源範頼・義経と戦い、破れた義仲終焉の地、瀬田はこの近くだ。
JR大津駅に行く途中、旧中山道を見失った。「たぶんこの道」と思ったが、確信はない。家の前に立っていた男性に「この道は旧中山道ですか」と聞いたが、知らないと言う。しかし、実際はその道が旧中山道だった。家の前が歴史的な道なのにご存じないとは!
それにしても琵琶湖は大きかった。大津駅近くから琵琶湖が見えたが、感覚的には海だった。中山道は米原で琵琶湖に接近し、そのあと、琵琶湖沿いに大津まで走っているが、その距離50km以上、最大長は63kmだと言う。滋賀県は海なし県だが、琵琶湖は海を補って余りある。