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中山道を行く 第15週

編集部の黒田です。
今回は、「中山道を行く」第15週をおおくりします。
第15週は大井宿(恵那駅近く)のビジネスホテルを出て、


大湫宿、細久手宿を経て、御嶽宿まで行った。

大井宿を出るとほどなく山道になり、十三峠入り口とあった。
中山道の難所と言えば和田峠、碓氷峠が有名だが、十三峠というのは初耳だった。
しかし、調べてみると、大小十三の峠が連なったもので、
すべて合わせると和田峠を超える中山道最大の難所とあった。

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ここは浅田次郎の『一路』にも出てくる難所だそうだが、そうと知ったのは前日のこと。
天気予報では気温が38℃近くにもなるというし、山中で熱中症にでもなったら生きては帰れんと
コンビニで板氷を二つ買い込み、二泊三日の荷物と一緒に背負っての山行となった。

実は当初、ここでいったん帰宅するか、30km先の御嶽まで行くか迷っていた。
塩尻から並走していた中央西線が大井から先は名古屋方面にそれてしまい、
適当なところで旅を終えることができない。
この先、中山道は御嶽まで鉄道(名鉄広見線)とは出会わない。

中山道地図

しかも、途中、コンビニもない道が15kmも続く。
水は多めに持っていたが、それも酷暑ですぐに尽きた。
自販機はないかと思いながら歩いていると、遠くにコーラらしき赤い自販機。
助かったと近づいていくと、それは消火栓だった。人生初の幻覚を見た瞬間だった。

しばらく歩くと、また赤い自販機らしきものが見えた。
ロゴはコカ・コーラの「C」に見えるけど、距離は500メートル。
往復1kmも無駄に歩くのはしんどかったが、やはり水分が欲しいと歩き出した。
近くまで来ると、確かに自販機だった。命拾いしたと思った。

ところが、硬貨を入れても反応がない。見るとすべて「売り切れ」。
俺を殺す気か。頭にきてすべてのボタンを叩きまくったら、ボトンと出てきた。
「やった!」と手にしたら、なんとホットコーヒー。炎天下でホット。
「ほっとしませんか」じゃねーよ。まあ、飲んだけど。

十三峠を越えると大湫に入る。湫は「くて」と読み、湿地帯や沼地を意味する。
秀吉と家康が戦った小牧・長久手の戦いの長久手も長い湿地帯という意味だったのかなどと
歴史に思いを馳せつつ、御嶽を目指す。
酷暑のせいで、ここは真に中山道最大の難所となった。