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中山道を行く 第14週

編集部の黒田です。
今回は、「中山道を行く」第14週をおおくりします。
第14週は早朝に妻籠の民宿を出て馬籠峠を越え、馬籠宿、落合宿、中津川宿を越え、大井宿のビジネスホテルに泊まった。
今回は中山道の旅初の連泊だった。

妻籠の民宿を出たのは8時前だった。しかし、猛暑の8月とあって、すでに気温は30℃近かったが、山道はずっと木陰で涼しかった。
誰もいない山中を一人歩く。
山の中に一人きりというのは解放感があるが、反面、何かあっても誰も助けてくれない怖さがある。

売店を過ぎたときだった。山の上のほうから子どもが一人で歩いてきた。
ハイカーかなと思ってみると、登山をするような服装ではない。
しかも、外国人の子だ。後ろに親らしき人はいたのだが、え~、なんでこんな日本の山の中に外国の子が!と狐につままれた気分だった。

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あとで聞いた話では、イギリスのBBCで馬籠~妻籠の約9kmの峠道がサムライロードとして紹介され、以来、外国人観光客が多いのだそうだ。私が見た子は裕福な家の子だったが、金欠外国人ハイカーは無料休憩所に宿泊しようとして毎年揉め事が起きるのだそうだ。

ところで、馬籠も妻籠ももとは「つまごめ」だったらしい。
「つま」とはどん詰まりという意味で、「ごめ」は狭い谷のこと。
木曽路にはそういう谷が多いのだが、なぜか馬籠は「つ」がとれて「まごめ」になり、妻籠は「め」がとれて「つまご」になったという。

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島崎藤村は『夜明け前』の冒頭に「木曽路はすべて山の中にある。」と書いているが、行ってみて全くその通りだと実感した。

ちなみに藤村が生まれたこの馬籠村(のちの長野県山口村)は平成の大合併で岐阜県中津川市となった。


藤村の故郷は長野なのか岐阜なのか。