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中山道を行く 第11週

編集部の黒田です。
今回は、「中山道を行く」第11週をおおくりします。
第11週は金曜の仕事終わりに諏訪まで行き、ビジネスホテルで一泊、翌日は早朝に歩きだし、塩尻宿で塩尻峠を越え、洗馬宿、本山宿、贄川宿を通り、奈良井で連泊した。

この日は早朝に下諏訪を出て、塩尻峠を上る。峠にも二種類あり、碓氷峠や和田峠のように山中を行く峠もあれば、ただのアスファルト道の場合もある。塩尻峠は後者で、しかも、登山道ではないので直登に近い。ひたすら登り。これは地味にきつかった。

塩尻峠を越えると、あとは平坦な道が続き、腹がすいたなと思ったとき、「そば切り発祥の地」の看板が見えた。そば切りは切ったそばという意味。当初はそばがきのような状態で食べていたそばを、本山宿のあたりでは江戸時代に切って食べた。これがそば切りの嚆矢。

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ただ、本山宿には老舗そば店といったものはなく、地元の有志が運営しているそば店があるのみ。でも、まあそれでもいいかと、「本山そばの里」という店に入る。そこでざるそばを注文し、10分ほど経ったとき、別の客が来店し、同じくざるそばを注文した。

と、ものの一分もしないうちに彼の前にざるそばが出され、彼は「早っ」と言いながら食べ始めた。おわかりだと思うが、お店の方(年配の女性だった)が出す順番を間違えたのだ。「え?」と思って厨房のほうを見ると、私の視線に気づき、別の若い女性が慌てだした。

「なんでA卓に出すのよ。B卓が先よ」はっきり聞こえてしまった。その後、若い女性のほうが謝りに来たが、どうせなら間違った本人に謝りに来させてほしかったなあ。味は今一つ。しかし、食後に出たそば湯はすべてをチャラにしていいくらい濃くて絶品だった。

この辺りでは中山道はだいたい国道19号線沿いにあり、贄川宿を過ぎると、突如、江戸時代にタイムスリップしたかのような町並みが現れる。それが奈良井宿だ。これまでも昔の屋敷や民家を再現した宿場はあったが、ここは町並みが1kmぐらい連なっている。

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しかも、旅籠屋などもちゃんと営業していて、実際に宿泊もできる。もちろん、そば、うどん、五平餅なども食べられる。妻籠、馬籠とともに中山道三大町並みと言ってよく、実は昨年は二回も行ってしまった。あの古い町並みには、なぜだが心惹かれるものがある。