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社員ブログ

No Movie, No Life なはなし(胸糞映画編)

2018-05-02

先月、映画「フルメタルジャケット」でハートマン軍曹役を演じたR・リー・アーメイ氏が74歳で亡くなったという悲しいニュースを見ました。

元々はアドバイザー役として参加していたところ、罵り方があまりに素晴らしいという事で役を演じることになったというアーメイ氏。
とてもここでは書けないような素晴らしすぎる罵りっぷりは本作を見た方ならご存知かと思いますが、映画としてはとても救いの無い内容です。

ここ数年は考えないで見れるようなアクションものとかコメディも見るようになったのですが
元々は救いが全くない、鬱々とした映画を割と見ていた時期がありました。

今回は胸糞悪くて人にはあまり勧めにくいけど、本当はこの作品について人と話したい作品を幾つかピックアップしてみたいと思います。


ドッグヴィル


「ダンサー・イン・ザ・ダーク」「メランコリア」などの監督、ラース・フォン・トリアーが手掛けた作品。
都会から閉鎖的な村にやってきた美しい女性が町に溶け込もうと翻弄するが、
やがてその献身が凶器となって自分に返ってくる。
といった内容。

広い室内の中にセットは置かず、代わりに床に線を引いて家や庭などの境界線を表しているという斬新すぎる設定。
なので、主人公を寄りで移していても後ろでは他の人の全く異なる行動も終始見える状況。
この作品の胸糞悪さを非常に効果的に作り上げています。

そして主演はニコール・キッドマン。
この人にこんな事させていいの?って演出をこれでもかと詰め込んできます。
※これもとてもではないけど詳しくは書けません。。

この作品の制作過程を追ったドキュメンタリー「ドッグヴィルの告白」という作品もあり
本編と両方DVDを持っていますが、この中でニコール・キッドマンは心身共に疲れ切った、
というよりもギリギリまで追い込まれていた様子でした。

幸せ要素が皆無の素晴らしい作品です。

ファニーゲームU.S.A


ミヒャエル・ハネケ監督が自ら英語版としてリメイクした本作。
「理不尽」「不快」という言葉を約2時間掛けて丁寧に力説してくれます。

バカンスに来た家族のもとへ物を借りに突然やってきた隣人。
そのコンタクトがゲームの始まり。
そのゲームとは、明日まで生きられるかどうか。

主演のナオミ・ワッツは私の大好きなデヴィッド・リンチ監督の「マルホランド・ドライブ」でも
救いの無い主人公を見事に演じていますが、こういう役向いているんでしょうか。

悪や自由という点では「時計仕掛けのオレンジ」とかと近い雰囲気がありますが
さらに何倍にも濃くしたような本作は抜群に「不快」です。

スーパー!


これまでの作品はとにかく胸糞悪い100%な作品でしたが、これはもっと笑える要素もある作品です。
とはいえ、ハッピーにはなれない。

丁度この作品が日本でも上映されていた少し前には「KICK ASS」が公開されていましたが
同じような一般人がスーパーヒーローになりきって町の悪党と戦う、といった設定の作品。
ですが、エンターテイメントではないです。

ケヴィン・ベーコンの演じる男にリヴ・タイラーの演じる美人妻が寝取られた冴えない中年男性の主人公。
そういった理不尽に立ち向かうべくスーパーヒーローに勝手になります。

やがてその活躍に魅せられ自分もスーパーヒーローになると言い出す女の子(エレン・ペイジ)が現れます。

とにかくこの女の子が不憫でならない。
そんな突然、何の前触れもなく、えええ・・・という感じ。
友人たちと映画館に見に行ったのですが、終わってからみんな沈黙してました。
気になる方は本編見てください。

今回は以上の3本を紹介しましたが、「スーパー!」以外はあまりおすすめできませんので
自己判断でよろしくお願い致します。