編集報14 巧の巻 其の4「短編で小説修業」
2012-12-21
「100枚なら1ヶ月あれば書けるけど、30枚となると3ヶ月は欲しい。3枚だったら? 半年? いや、その仕事はお断りする。書けない」というようなセリフをよく聞きます。むろん、3枚分の文字を埋めるのは容易ですが、「書けない」というのはそういう意味ではなく、3枚で100枚に匹敵する読後感のあるものは書けないということ。
また、短ければ短いほどアイデア一発勝負にならざるを得ませんが、そうした秀逸なアイデアはそうそう思いつくものではありません。それに短いものは粗が目立ちやすく、未回収の伏線が残っていたりすると、なんだこの一行は? と思われてしまいます。無駄なことをわずか数行書いただけで、全体のバランスも悪くなります。だからこそ小説の修業になるのですが。(黒)



