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社員ブログ

編集報 読の巻 其の1「食堂かたつむり」

2012-09-14

今、小川糸さん原作の『つるかめ助産院』がNHKでドラマ化されている。小川さんの小説を初めて読んだのはデビュー作の『食堂かたつむり』だったが、章とか一行空きといった区切りがほとんどなく、最初は面食らった。風には「ヒュー、ヒュー」という息つぎの部分があるが、南極のブリザードにはないと新田次郎は書いている。小川さんの文体にも似たところがあり、読んでいるほうとしてはブレスする場所がない。しかし、そろそろ一休みさせてくれないかなあと思いつつも、なんだかずるずると先に引き込まれていった。その筆力、類まれなり。ちなみに章がない件について小川さんに聞くと、「それが普通かと思っていました」とあっさり。書く肺活量がとんでもなく多いのかも!(黒)