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社員ブログ

2010年度 武満徹作曲賞 本選演奏会

2010-06-14

公募ガイド7月号が発売になりました
発売日には、本屋をめぐり、どこに公募ガイドが置いてあるかなぁ~と探すのが大好きな(石)です。

それ以上に好きなのは取材に行くこと
という相変わらず弾丸娘の(石)ですが、以前もお伝えしておりました、武満徹作曲賞の本選演奏会に行ってきました♪

次代を担う若い世代に、新しい音楽作品の創造を呼びかけるために実施されている同賞。
今年は30カ国から、86作品の応募があり、その中から4名のファイナリストが選出されました。

この賞の応募資格は、35歳以下なのですが、今年のファイナリストは偶然全員が1980年代前半生まれ、と私と同年代

ブラジルからはホベルト・トスカーノさん、日本からは2名、難波研さんと山中千佳子さん、スロバキア=ハンガリーからは、アンドレイ・スレザークさんが選出され、その4名の作品が、東京フィルハーモニー交響楽団、大井剛史氏の指揮によって、実際に演奏されました

会場には、ファイナリストのスコアが展示されていたのですが、オーケストラのスコアって意外とすっきりしてました。
しかしその中には、それぞれの音の響き、ハーモニー、強弱など、伝えたい世界がビッチリ詰まっているんでしょうね

実際の演奏も素晴らしく、同じぐらいの年数を生きているのに、なぜこんなに複雑で美しい音楽を創造できるんだろう と、この世の不思議を見た気がしました。

さて、同賞の審査員はたった1名、「トリスタン・ミュライユ氏」のみ。
2階席の一番前で、ファイナリストの音楽に聞き入っていた同氏。
それぞれの演奏後、30分という短い時間を置いただけで、順位が発表になりました♪

たった一人の審査員なので、審査は主観的にならざる得ないことを断ったあと、同氏によって選ばれた作品は…

第1位 ホベルト・トスカーノさん
第2位   アンドレイ・スレザークさん/難波研さん
第3位   山中千佳子さん


第1位のホベルト・トスカーノさんの音楽は、ティンパニーの強い音から始まり、爆発的な音の響き、その中でバイオリンなどは弦の細かい動きを要求される演奏方法を用いていて、最後は静かに、静かに終わる音楽でした。
先日聞いた、ミュライユ氏の音楽にも感じられた独創性が強く現れた作品でした。

ホベルト・トスカーノさんからは、受賞について、残念ながらすでに亡くなったお父様にこの曲を、そして本選で演奏された音楽を捧げる旨と、演奏をした方々、指揮者、ミュライユ氏への感謝。
そして仲良くなったファイナリスト達にも感謝の気持を伝えていました

演奏の合間に、ファイナリスト達が仲良く話しているな~と思っていたのですが、こうやって同じ音楽家同士交流できる、というのも素晴らしい機会なんでしょうね!

作品の詳しい選評や、ファイナリストのコメントなどは、公式ウェブサイトで見ることができます


さて、2011年度の武満徹作曲賞ですが、現在作品を募集中。
公募ガイド7月号でも紹介していますので、自分の音楽の世界をぶつけたいかた、挑戦してみてはいかがでしょうか(石)