日本ファンタジーノベル大賞 授賞式
クリスマスですね

用事があるので早く帰りますね
と、意味深に会社を後にする自分を夢見ていましたが、今年も無理
だった(石)です。
さてさて、そうであるのならばバッチリ仕事しまっせ!
ということで、12月3日に開催された、日本ファンタジーノベル大賞の授賞式について書かせていただきます
公募ガイド12月号の賞と顔で、受賞者の「2人」を紹介しました。
そう、第21回の今回は、大賞ダブル受賞!という第6回以来という、非常に優れた作品が寄せられた回だったんです。
私も受賞作、早速読んでみました
。
奄美大島の悲しい過去と、苦しみから逃げ出そうとした現代の少女の魂を緻密に、重厚に描く「月桃夜(げっとうや)」(遠田潤子さん)
一般常識からいくと変な人・変なことばっかりなのに、妙に登場人物たちの心の「芯」を強く感じる「増大派に告ぐ」(小田雅久仁さん)
どちらもまったく違う魅力を描く作品。
選考委員の中でも色々と激論が交わされたそうで、その内の1人、荒俣先生の言葉を借りると、「白鵬と朝青龍との対戦」
それぞれの作品をこう評していました。
椎名誠先生曰く、だんだんめんどくさくなってきて
両方とも大賞に・・・という空気になった。まぁ両方ともいい作品なので。
なんて言葉で会場の笑いをとっていましたが、いやいや両方とも本当に面白いですって。
遠田潤子さんは2人の娘さんがいるお母さん
娘さん達は、小説を書いていることを知らなかったため、受賞伝えたときは、ただただ驚いていたそう。
遠田さんは、「本当に『よいもの』を書いていきたい。苦しむ人の出口になるような作品を」と、今後の作品づくりについて意気込みを語っていました。
苦しむ人の出口になるような、の言葉にジーン
と感動。
それは物語が必要とされる1つの大きな理由ですよね
小田雅久仁さんは、元サラリーマン。
自分ではサラリーマンにむかないなぁ~と思って会社を辞めて小説を書くように。また、「やっぱり本が好き」というのが作家を目指す根底にあったそうです。
井上ひさし先生に、「悪態小説」と評された受賞作品について「普通に喋っているだけで、悪態をいっているつもりはないんですが~」。
鈴木光司先生の「読者のすべてを敵に回しかねない危険な作品」という言葉には、「夜道を歩くのが怖い。逆にそんな作品があったら自分が見てみたい」と、口元にささやかな笑みを浮かべ、目をきらっ
と光らせて話していたのが印象的でした。
受賞パーティでは、短いながらもお二人と話をしてきたのですが、なんと同大学卒業の先輩と後輩の関係
なんですよね!
また共に大阪在住と、偶然とはいえ、「縁」のある二人。
受賞作品が、本屋さんで隣におかれて並んでいるのもやっぱり縁
売れっ子のプロ作家が多く誕生する同賞。
今後も二人そろってに、共によい作品を生み出していくことを、一読者として楽しみにしています
日本ファンタジーノベル大賞の詳細は、現在発売中の公募ガイド1月号に掲載中。また1月9日発売の2月号でも掲載します。
もうすぐ年明け
公募ガイドを読んで、年の始めに、プロへの第1歩へ向け作品を書き始めてみるのはいかがでしょうか?(石)



