言葉処 其の81「関東vs関西」
2009-03-17
関東、関西という言い方は中国に倣ったもので、この関は中国・河南省にある函谷関のこと。日本では、奈良時代は鈴鹿、不破、愛発の三関以東(意味としては東国)を関東と呼んだが、その後は次第に狭くなり、鎌倉時代は幕府の直接統治範囲を言うようになる。今は首都圏、北関東の1都6県を指すが、関東の大学が鎬を削る箱根駅伝に山梨が入っているのは昔の名残だろう。
東西では様々な違いがあり、たとえば、西日本の人は自治体名の「町」を「チョウ」と言い、東日本の人は「まち」と読むことが多い。確かに西日本は「チョウ」、東日本は「まち」が多いのだが、混在している県もある。北海道は森町だけが「まち」と読み、逆に福岡県は遠賀町だけが「ちょう」。「村」も「むら派」と「ソン派」があり、どう読ませるかは各自治体の自由だそうだ。
中学のときの塾の先生も関西人で、「XとYは一緒やろ」と言い、これを「XとYが同居している」と解した私たちは数学以上に混乱した。また、先生は疲れたときに「えらい」と言うので、生徒から「誰が偉いんですか」と言われ、鳥肌のことを「さむイボ」とか、「達磨さんが転んだ」のことを「ぼんさんが屁をこいた」と言っては笑わせてくれた。本人は至って真顔だったが。
また別の関西人によると、関西では「揚げにうどんがきつねで、揚げにそばがたぬき。そば+揚げ玉という組み合わせはない」そうだ。以前、関西風と関東風のおでんの境界を調べた番組があり、境目は日本の函谷関こと箱根、ではなく確か関ヶ原あたりだったが、きつねとたぬきに関しても関東風と関西風の店が道を隔てて対峙しているなんてことになっているのだろうか。(黒)



