Logo
employee blog

社員ブログ

言葉処 其の70「所変われば意味も変わる」

2008-12-30









ムーランルージュなどロートレックも描いたフランスの「キャバレー」は歌やダンスが楽しめる店であり、家族連れや女性客もいる。また、トルコ国のハマムはローマ風呂と同じく公衆浴場で、希望すれば垢擦りやマッサージをしてくれる。いずれも健全な店だが、これらを模してはいても日本における同種の店は別の業態になっている。これも一種のネーミング戦略であろう。





逆に外国語の文脈に持っていくとネガティブな意味になってしまう名称もある。カルピスはcalf piss(牛のおしっこ)に聞こえるということで、外国では「カルピコ」とした。高田馬場のテナントビル「BIG BOX」はスラングでは「尻軽」の意味もあるらしい。「ポカリスエット」のSWEATは水分やイオンの重要さを訴求したものだそうだが、外国人は「汗」が入っていると思うだろう。





スペイン語で「加賀(caga)」は「ウンチをする」、「まり子(marico)」は「オカマ」だと女優の加賀まり子が言っていた。また、イタリア語で「今野(cónno)」は「女性器」だから、今野姓の人は困るらしい。「磯野カツオ」も際どい。「イォソノ」は「I am」で、「カッツォ」は男性器を指すそうだ。ま、似た発音を探したらキリがない。九州地方での「ボボ・ブラジル」とかね。




昭和30年代、働く女性は「BG」と言われたが、東京五輪を控え、さあ国際化というときに「『ビジネスガール』とは売春婦」ということから、以後、「OL」(オフィスレディ)と言われるようになった。所変われば意味も変わる。これらはネガティブミーニングと呼ばれ、企業がネーミングする際には厳重にチェックされる。応募する側も調べておくと参考になるのではないか。(黒)