言葉処 其の39「子どもってやつは」
2008-05-27
町内の子どもたちとグラウンド整備をしていたとき、「骨が折れる」と言ったら、「どこの?」と問われて笑ってしまった。「油を売ってないで」と言えば、「そんなの売らないしぃ」と答え、「道草を食うな」と言えば「道草なんてまずくね?」とまにうける。さらに「ネコ(運搬用の一輪車)持ってきて」と言うと、グラウンド中をうろついて猫を探しに行ってしまう。あのねえ……。
私にも経験がある。小学校二年のとき、授業で使うから「大箱」を持って来いと言われ、班を代表して隣の席の子に用意してもらったが、必要だったのは植物のオオバコだった。四年のときはヨウ素のデンプン反応の実験があり、分担して道具を持ち寄ったが、デンプンの水溶液を入れるボウル係だった彼が誇らしげに取り出したのは、ゴムのカラーボールだった。草野球か!
長男が幼い頃、「動かない」と言って玩具の人形を持ってきた。「電池がなくなったんだよ」と言うと、電池を格納している人形の腹部を開け「あるよ」と。「いや電池はあるけど切れていて」「切れてないよ」「……じゃなくて」。数年後、どうにか電池切れの意味が分かるようになったが、ホッとしたのも束の間、今度は次男が電動の玩具を持ってきて「動かない」。はあ、またかよ。
「燃えるゴミ」と言ったところ、「そんなゴミ、危ないよ」と子どもに言われたという話がある。確かに「燃える」は「燃える闘魂」のように「燃えている」という意味でも使うが。ある子は「死にかけるものを用意」と先生に言われ、聞いた親は「死んだ」でもなく「死にかけた」でもなく「死にかける可能性のあるものか」と思ったそうだが、これは「詩に書ける」だったそうだ。(黒)



