Logo
employee blog

社員ブログ

言葉処 其の20「カタカナ英語は日本語」

2008-01-15

片付けをしていたら小学校時代のノートが出てきて、そこに「レニピー」とあって笑ったことがあった。ビートルズの「Let it be」がそう聞こえたらしい。tはtと発音しようとして音を出さないとrの音になり、LerのrとitがリンクしてLeritとなるが、最後のtは発音しないので「レリッ」と聞こえる。MLBなどで飛球を捕る際に言う「I got it」が「アガリッ」と聞こえるのも同じ理由だ。


土佐の漂流民、ジョン万次郎が耳だけで覚えた単語集には、night=ナイ、morning=モヲネン、water=ワタ、yellow=ヤロなどとある。Whiteは「ワイ」で、だからWhite shirtがワイシャツになった。一方、受験英語ではトータス(Tortoise)を「とおといぜ」のようにローマ字読みで覚えたりしたが、Knightなどとなるとちょっと困り、WalkとWorkを逆に覚えてしまったりした。


プロレスの鉄人ルー・テーズについて、渡米した日本人記者が現地取材したところ、そんなレスラーはいないと言われたという。カタカナ英語で「テーズ」と発音してしまったので、アメリカ人にはTazeやTeiseと聞こえたらしい。Lou Theszの表記は当初日本のマスコミもテーズにするかセーズにするか迷ったそうだが、「th」はテでもセでもないから、どっちにしても原音とは異なる。


1970年代、イギリスBBCに『モンティ・パイソン(おかまの恐竜)』という番組があった(日本での放送ではまだ売れる前のタモリが出てた)。厳密にはthonは「ソン」ではないが、ほかに書きようもない。Rightを「ゥライッ」とか、Businessを「ビズネス」とか書いても奇妙だし、結局のところ文字は文字であって音ではないので、100%再現することはできない。(黒)