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社員ブログ

言葉処 其の14「言葉の舶来志向」

2007-12-04

ドレスメーカーを略してドレメと言うが、ある看板には「DOREME」とあった。DRESS MAKERを略せば「DREMA」だが、きっとローマ字式のふりがななのだろう。「野菜サンド」の横に「Vegetable Sand」と書かれているメニューもあった。Sandwichならいいが、Sandは砂だ。ビル管理の「BUIL CARE」は綴りに忠実でいい。「BILL CARE」とすると、「請求書の管理」になってしまうし。


車で都内を走っていたら、「MISIN」という看板を発見した。むろん、ミシンの意だが、語源は「Sewing machine」だから、本来は「MACHINE」と書くべきだろう。ただ、「マシーン」と読まれてしまうと、どんなでっかいミシンかと思われるおそれはある。だったら「ミシン」と書けばいいのだが、英語で書いて視覚的にシャレてみたかったのだろう。シャレているかは別として。


英語で「鉄」はアイアン(Iron)だが、「アイロン」と読むと違うものになる。以前、「日野市」と入力したら「火熨斗」というおどろおどろしい言葉が出てきて驚いたことがあったが、この火熨斗は今でいうアイロンのことだ。意味は同じでもイメージはだいぶ違う。「ご一緒にポテトいかがですか」と言うべきところ、「ご一緒にお芋いかがですか」と言われるようなものだ。お芋って……。


オシャレな業界ではズボンのことをパンツ、チャックはファスナー(ジッパー)と呼び、厳密には違うが、ジーンズをデニム、シュミーズ(死語!)をキャミソールと言い替える。一方、台所関係はレードル(Ladle)やケトル(Kettle)より、お玉ややかんのほうが優勢だろう。ただ日本語で書いた場合、イメージするものはやはり日本古来のキッチン用品、いや台所用品の形状だ。(黒)